2019年9月5日17時17分に日本経済新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
東北電力は5日、8月28日に女川原子力発電所(宮城県女川町、石巻市)2号機の冷却ポンプが自動停止したのは、作業員による人為的ミスだったと発表した。
東北電は、実際の機器を使った訓練やマニュアルの改善など、再発防止を徹底する。
使用済み燃料プールを冷やすポンプは、通常、電源盤Aからの受電を通して制御するが、6月からは電源盤Aが点検作業に入っていたため、電源盤Bから受電していた。
しかし、8月28日に電源盤Aへの受電に戻す際、ケーブルの接点が端子から一時的に離れ、停止信号が自動発信されてしまったという。
東北電は、「運転員の技量・知識が不十分」とした上で、実際の端子を使った実技訓練をしたり、作業開始前のミーティングで内容確認を徹底したりするなどの再発防止策を講じるという。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO49457080V00C19A9L01000/
以下は、2019年9月5日付東北電力プレスリリースの主要部分。
【事象発生に至った経緯】(別紙参照)
当該ポンプの起動・停止を制御する回路(以下、「当該回路」という。)は、通常、電源盤Aから受電している。
電源盤Aは、2019年6月13日より点検作業のため停止しており、その間、当該回路は電源盤Bから受電していた。
電源盤Aの点検作業終了に伴い、2019年8月28日、運転員2名は当該回路への電源を電源盤Aからの受電に戻す準備作業を行っていた。
電源盤を切り替える際には、当該回路が瞬間的に停電し、当該ポンプの停止信号が自動的に発信されることから、これを防止するため、ジャンパ作業※を行うこととしていた。
同日9時59分頃、運転員がジャンパ作業を実施するため、端子を固定している「ねじ」を緩めた際、ケーブルの接点が端子から一時的に離れた(当該回路が瞬間的に停電した)ことから、当該ポンプは、停止信号の自動発信により停止に至った。
※電線等を用いて、電気回路間の端子同士をつなぐ作業
【事象発生の原因】
1.ジャンパ作業に係る技量・知識が不十分
・運転員は、端子の種類や作業環境に応じた複数のジャンパ作業の方法について机上教育を受けていたが、ジャンパ作業自体の経験は浅かった。
・運転員は、ジャンパ作業の際、ケーブルの接点が端子から離れないよう、注意深く手で押さえながら作業にあたっていたものの、慣れない作業のため、ケーブルの接点が端子から一時的に離れてしまった。
2.状況に応じたジャンパ作業の方法が不明確
・ジャンパ作業には、端子の種類や作業環境に応じた複数の方法があり、どの方法で実施するのかについては、運転員がその都度判断している。
・今回実施したジャンパ作業については2つの方法があったが、運転員は、ケーブルが接続されていない側の端子でジャンパ作業を実施することがより適切であるという認識がなく、ケーブルが接続されている側の端子でのジャンパ作業を実施した。
【再発防止対策】
上記の原因を踏まえ、以下の再発防止対策を講じる。
・実際の端子(複数の種類)を使用したジャンパ作業の実技訓練を行い、当該作業の技量向上を図る。
・端子の種類や作業環境に応じた適切なジャンパ作業を確実に実施できるよう、教育資料を改善し、明確化する。
・さらに、ジャンパ作業に伴うリスクの度合いに応じて、適切な作業方法で実施できるよう、作業開始前のミーティング等においてジャンパ作業の内容確認を徹底する。また、ジャンパ作業以外の作業についても同様に確認を徹底する。
http://www.tohoku-epco.co.jp/news/atom/1202579_1065.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。