2018年4月10日18時42分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
京都市東山区の清水寺近くにある「小川文斎(ぶんさい)邸登り窯」で、隣で建設されるホテルの関連工事の振動により、天井や壁などが破損されていたことが分かった。
明治期に輸出された京焼の窯の先駆けで、文化財としての保護を目指していた。
ホテル業者側は工事を中断し、所有者と復元に向け協議しているが、市文化財保護課は、「修理によっては文化財の価値が損なわれる恐れがある」としている。
京都市中心部は、外国人観光客の急増と2020年東京五輪・パラリンピックをにらんだホテル建設が相次いでおり、地域の文化や景観と両立する観光振興が改めて求められそうだ。
登り窯を所有する「京焼文斎窯」6代目当主の小川文斎さん(43)らによると、東側に隣接するホテル予定地の駐車場で3月14日、アスファルト下のコンクリートを重機ではがす工事により強い地響きが起きた。
小川さんが窯の一部が崩れるのに気づき、工事業者に抗議したが、6つある焼成室のうち、3室や焚(た)き口などでレンガや赤土が崩落した。
窯の煙突も傾いた恐れがあるという。
小川さんは「影響を調べず工事を進められた」と憤り、「大事に守ってきた景観が変わるのだから、ホテル業者は地域のことを知ってほしい」と訴える。
市などによると、「文斎窯」と呼ばれる登り窯は耐火レンガ造りで、幅約5m、奥行き約12m、高さ約4m。
石川県出身の初代が1873(明治6)年ごろに東山区の五条坂に設けた。
主に西洋向けの「京都伊万里焼」を製作し、京焼の発展に貢献。
焼成時に黒煙が出るため、1967年ごろ、当時の府公害防止条例により操業を停止し、現在は電気とガスの窯で製陶を続ける。
2007年3月に文斎窯と小川邸が、市の景観重要建造物に指定された。
小川さんらによると、近年は団体向けに公開していたが、倒壊の恐れもあり、当面は見合わせるという。
ホテルは、施主のGエルシード(東京都新宿区)側の住民説明資料によると地上5階・地下1階で、今月16日に建設工事に入り、来年6月1日までの完成を予定。
同社は取材に、「謝罪して工事を中断した。額は不明だが、補修費も負担したい。近所に迷惑をかけてまで強引に進めることはしない」としている。
出典
『京都東山 京焼登り窯がホテル工事で破損 市の重要建造物』
https://mainichi.jp/articles/20180410/k00/00m/040/163000c
4月10日17時56分にテレビ朝日からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
小川文斎さん:「寝てても目が覚めるぐらいの振動。地震の方がまだドーンとこないかなというような振動が2、3分続いた」
地震のような振動を引き起こしたとされるのが、隣の敷地に止められた重機。
駐車場を壊すため、アスファルトの下の厚さ30cmほどのコンクリートを取り除く作業をしていた。
対策は十分でなかった可能性がある。
小川文斎さん:「工事しますよという紙は来たが、現地を確認ってことはなさってなかった。『窯があります』と伝えたが、それでもかなり“きつい振動のあること”をなされたので…」
憤る所有者。無理もない。
このタイプの窯は条例で稼働が禁止され、取り壊しが進んでいる。
その構造、窯は屋根の下にある。
階段のような土台に建てられて、複数が連結されている。
下で燃焼させ、熱が上がっていく仕組みだ。
専門家によれば、このタイプが煙突とセットで残されているのは珍しいという。
出典
『歴史的な京焼の登り窯が大破 ホテル建設の振動で』
http://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000124788.html
4月10日13時49分にTBS NEWSからは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
「工事会社にも、窯がここにあるので壊れたり破損したら大変なことになるから、必ずそうならないように工事してくれと、直して済むものじゃないよという話はしていたんですけど」(小川文齋さん)
出典
『重要建造物の「登り窯」 隣の工事の振動で破損』
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3338773.htm
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。