2018年4月7日10時7分に日本経済新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
4月7日19時10分に和歌山放送からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
世界遺産・高野山(和歌山県高野町)の寺院に勤める40代の男性僧侶がうつ病になったのは、宿坊での連続勤務が原因だとして、橋本労基署が労災認定していたことが、7日までに男性の代理人弁護士への取材で分かった。
労働事件に詳しい別の弁護士は、「申請が少ない可能性があるが、僧侶の労災認定は聞いたことがない」と話している。
男性の代理人弁護士によると、男性は2008年から寺院で働き始めた。
寺の宿坊の宿泊者らが参加する読経の準備を午前5時前から始め、日中は宿泊者の世話や寺院の通常業務に従事。
繁忙期には、就業時間が午後9時まで及ぶこともあった。
15年12月にうつ病を発症し、その後休職。
同年の4、5、10月に休みが1日もなく、勤務が続いたことなどが原因だとして、17年5月に同労基署に労災申請した。
労基署は同年10月、少なくとも1カ月間の連続勤務が認められるとして、労災認定した。
代理人弁護士は、「修行であって労働ではないとされてきた僧侶の仕事が労働と認められたという点で、意味のある認定だ」と評価。
寺院側の代理人弁護士は「コメントできない」としている。
高野山には117の寺院があり、ここ10年間、宿坊の宿泊者数は20万~40万人で推移。
高野山開創1200年の15年には、44万人超が宿泊した。
〔共同〕
出典
『高野山僧侶の労災認定 宿坊の連続勤務でうつ病』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO2912442007042018000000/
『高野山僧侶の労災認定』
https://wbs.co.jp/news/2018/04/07/117333.html
(ブログ者コメント)
僧侶が労災申請?
この点に少し違和感を覚えた。
ブログ者もかなり前にテレビで「宿坊での仕事も修行のうち」などと解説されていたのを聞いた覚えがあることだし・・・。
気になって調べたところ、高野山に関する某まとめサイトに、『高野山の特定の事業者が正社員(僧侶見習い)募集 仕事;宿泊客の接客、布団の上げ下げ等』などと書かれた記事があった。
もし仮に、今回労災認定された人が、そういった募集に応じてきた人だったとすれば、労災申請したことも分かるような気がする。
(2018年5月19日 修正1 ;追記)
2018年5月17日12時20分に朝日新聞から、この僧侶が慰謝料などを求めて提訴したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
5月18日8時20分に読売新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
(新情報に基づき、タイトルも修正した)
男性僧侶は、寺院を運営する宗教法人に対し、慰謝料や未払い賃金など計約860万円を求めて和歌山地裁に提訴した。
訴状によると、男性は2008年から寺院で働き始めた。
午前5時ごろから読経の準備などを始め、昼間は宿坊のフロント係としての受け付け業務などを担当。
勤務時間が午後9~11時ごろまで及ぶこともあったという。
高野山開創1200年の15年には宿泊者が増えて忙しくなり、3月25日~5月27日の64日間、9月17日~10月18日の32日間、連続で勤務した。
同年12月ごろにうつ病になり、16年3月から休職。
橋本労基署は労災と認定し、17年11月に休業給付支給を決定した。
提訴は4月27日付。
男性の代理人弁護士は、「僧侶が修行名目で長時間労働を強いられているケースは、ほかにもあるのではないか。実態を明らかにしていきたい」としている。
寺院側は、「提訴事実を把握しておらず、コメントは致しかねる」としている。
出典
『高野山の僧侶に労災認定 64日間連続勤務、うつ病に』
https://www.asahi.com/articles/ASL5K3Q9XL5KPXLB004.html
『5時から読経、64日連続勤務も…僧侶労災認定』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20180518-OYT1T50015.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。