2016年6月3日22時14分に時事通信から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
6月4日付で朝日新聞横浜版(聞蔵)からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
横浜市西区のマンションで施工不良が相次いでいる問題で、横浜市は3日、地下基礎部分の鉄筋が切断された原因について、「基礎工事の直前まで設計変更が重なったことが原因」、「現場での調整が不十分で、施工者の熊谷組に承認を得ていないコア抜きが一部であった可能性がある」とする調査結果を発表した。
国交省に近く報告する。
市によると、立地場所の地形が複雑なことや、部屋の間取りの種類が多かったことを背景としている。
鉄筋の切断は新たに6カ所見つかり、全5棟で計29カ所となった。
市が、施工した熊谷組などに原因究明を求めていた。
マンション管理組合は、住友不動産の全棟建て替え提案について、3日までに承認した。
出典
『設計変更繰り返し鉄筋切断、横浜 施工不良マンション』
http://this.kiji.is/111452965176737800?c=39546741839462401
6月3日20時32分にNHK横浜からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
横浜市は、工事を請け負った「熊谷組」から聞き取りを行うなどして原因の特定を進めていて、3日、結果を公表した。
これによると、平成13年にマンションを建設した際、建設会社が基礎工事を行う1か月前まで、何度も設計を変更していたという。
このため、設計の変更が十分に反映されないまま作業が進み、予定とは違う場所に配管を通す穴を開ける工事を行ってしまったことが、鉄筋を切断した原因とみている。
横浜市は、今後、こうした調査結果を国交省に報告することにしている。
一方、横浜市は、このマンションについて耐震性の検証の結果、「震度7の揺れでも倒壊のおそれがない」としていて、建物の安全性に問題はないとしている。
出典
『鉄筋切断 直前設計変更原因か』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/yokohama/1056962511.html?t=1464988686603
(ブログ者コメント)
このマンションの最大の問題点は、杭が支持層に達していないのに達しているかのようにデータを偽装したこと。
その件については、本ブログで過去に第3報まで情報提供スミ。
2015年10月14日報道 2006年に神奈川県横浜市で建設された大型マンションが基礎杭の長さ不足などで傾いていることが発覚、現場担当者がデータを偽造していた
第1報(1/2)
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/5305/
第1報(2/2)
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/5306/
第2報
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/5365/
第3報
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/5415/
今回の報道を機に再確認したところ、すでに紹介した記事以外、以下の解説記事も報じられていた。(長文につき、一部のみ紹介する)
(2015年10月22日 日経BP)
『三井不動産&旭化成のマンション傾斜・偽装問題 全国3000棟に波紋広がる』
今回の杭工事に採用した工法は旭化成建材の「ダイナウィング工法」と呼ばれるもの。
掘削ロッドで地盤を掘削し、ロッドの先端で電流値の変化を測定しながら、支持層まで到達したら、セメントミルクを注入して土とかき混ぜ、杭を挿入して固定させる。
工事は8人体制で、内訳は旭化成建材の下請けから同社へ出向した現場代理人1人と3次下請け会社のオペレーターなど7人という構成だ。
現場代理人には22時間以上に及ぶヒアリングを実施したが、紛失によるデータの転用は認めたものの、杭未達の事実を隠蔽する意図は否定したという。
・・・・・・・・・・
http://www.nikkeibp.co.jp/atcl/matome/15/325410/101400112/?ST=architecture&P=1
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。