2017年12月16日0時46分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
大阪府立高校の器械体操部の練習中に鉄棒から落ちて後遺症を負ったのは、コーチが安全配慮を怠ったのが原因として、元部員の男性(25)と家族が府に計約2億5000万円の賠償を求めた訴訟の控訴審で、大阪高裁は15日、府に計約2億円の支払いを命じる判決を言い渡した。
1審・大阪地裁判決は請求を棄却しており、男性側の逆転勝訴となった。
判決によると、男性は高校3年だった2010年4月、練習中に鉄棒から落下し、床に頭や首を強く打ちつけ、胸から下が動かない後遺症を負った。
府側は、「危険な体勢になった際には鉄棒から手を離して着地するよう、危険回避の方法を指導していた」と主張した。
しかし佐村裁判長は、「事故当日、コーチは大会が近いため、本番同様に失敗しても手を離さず最後まで演技を続けるよう指導した。落下しても受け止められるように補助すべきだったのに怠った」と指摘し、男性側の訴えを認めた。
男性の母親は、「判決を生かし、府と学校には同じような事故を二度と起こさないでほしい」とコメントした。
松井知事は「重く受け止める。今後の体育指導を左右することになる」と報道陣に話し、府教委は「判決を精査し今後の対応を検討したい」としている。
出典
『部活事故 大阪府に2億円賠償命令 大阪高裁が逆転判決』
https://mainichi.jp/articles/20171216/k00/00m/040/210000c
12月15日22時4分に日本経済新聞からは、判決理由に関し、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
佐村裁判長は判決理由で、回転中の男性の手が鉄棒から離れた原因について、外部のコーチが男性の技量に応じた危険回避方法を指導しなかったためだと指摘。
当時、コーチは鉄棒から約10m離れて男性の演技を見ていたが、「鉄棒の下に立ち、事故防止対策をとる注意義務を怠った」と判断した。
2016年6月の一審・大阪地裁判決は、「コーチは危険を回避するために必要な方法を指導し、男性もその技量を習得していた」と指摘。
男性側の訴えを退けた。
出典
『鉄棒で落下、1.9億円賠償 大阪高裁命令 部活事故で障害残る』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO2471594015122017AC8Z00/
12月16日5時59分に朝日新聞からは、判決理由に関し、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
一審・大阪地裁は、演技失敗の際、鉄棒からすぐ手を放して足から着地するなどの危険回避方法を男性が身につけていたと判断し、コーチの責任を否定。
しかし高裁は、コーチが適切な方法を指導していなかったと認定。
10m離れて見ていた点についても、落下に備えて鉄棒下に立って事故を防ぐべきだったのに、その義務を怠ったと判断した。
出典
『府立高部活で鉄棒落下し後遺症 府に1.9億円賠償命令』
http://www.asahi.com/articles/ASKDH52XDKDHPTIL012.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。