2017年9月8日3時0分に朝日新聞群馬版から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
無人のトラックが動き出し、男性がひかれて死亡する事故があった。
現場はわずかな傾斜にしか見えないが、警察は、停止措置が不十分だったためトラックが動き出したとみている。
県トラック協会は、運輸会社などに、無人発進防止の徹底を求める緊急通知を出した。
「人が車両の下敷きになっている」。
4日午前11時20分ごろ、119番通報があった。
現場は埼玉県境に近い藤岡市浄法寺の資材メーカーの事業所敷地前の国道462号。
警察や関係者によると、資材の配達のため、事業所の敷地に入ってきた3.5トントラックは、事業所の入り口の門から約15m先に、国道側に車両の前方を向けて停車した。
運転手(45)は、伝票を持ってトラックから降りて、事業所の建物に入った。
その間、無人のトラックは前方に動きだし、事業所の門を抜けて国道へ。
現場では歩道の舗装工事をしており、工事関係者の1人がトラックに気付いて「危ない」と叫んだ。
だが間に合わず、国道の中央線付近で交通整理をしていた男性(69)にぶつかった。
男性はトラックの下敷きになり、病院に運ばれたが、胸などを打って死亡した。
事業所敷地内のトラックの駐車位置から門までは、かすかな傾斜しか確認できない。
自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致傷)容疑で現行犯逮捕された運転手は、「サイドブレーキをして、エンジンを切った」と話しているという。
輪留めはされていなかった。
捜査関係者は、「サイドブレーキの引きが甘かったのでは。あと数m停車位置が後ろなら、トラックは動かなかった」と話す。
県トラック協会は、事故のあった4日、加盟する930社に緊急通知を出した。
降車時には、
▽パーキングブレーキ(サイドブレーキやハンドブレーキ)
▽エンジン停止
▽ギアロック(マニュアル車のギアをニュートラルではなく、1速やバックなどに入れる)
▽タイヤが動かないように置く輪留め
を徹底するよう求めた。
担当者は、「わずかな傾きだったとしても、トラックは車体が重く、鉄の塊が転がるのと同じ」と話す。
同様の事故は、乗用車でも起きた。
今年7月、高崎市の整体院駐車場で、乗用車を降りた男性(77)が、車が動き出したことに気づいて運転席に入ろうとした際、タイヤに巻き込まれて死亡した。
県警交通企画課によると、2012~16年で「自然発車」が原因で重傷・軽傷の事故が起きたのは33件。
人身事故以外を含めると、さらに件数が増えると考えられるが、多くは壁にぶつかるなどの「自損事故」にカウントされるため、全件数を把握するのは難しいという。
同課は、「まずは運転席で車を止める動作を徹底すること。もし無人で動き出したら、巻き込まれてけがをする危険性があるので、無理に運転席に戻ろうとしたり、止めようとしたりせず、周りに注意を呼びかけるように」としている。
出典
『わずかな傾斜でも「鉄の塊」 藤岡のトラック事故』
http://digital.asahi.com/articles/ASK965T5GK96UHNB019.html?rm=320
(ブログ者コメント)
「傾斜はわずかしか感じられない」と注釈のついた現場写真が添付されているが、ブログ者には傾斜があるようには見えない。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。