2017年9月8日0時28分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
大阪府吹田市などで8月に起きた大規模停電について、関西電力は7日、関連機器のメーカーによる設置時の施工ミスが原因だったと発表した。
これまで、地下送電線の一部と、約1km離れた場所にある地下送電線を接続する機器に、それぞれ穴が見つかり、関電が詳しい原因を調査していた。
関電によると送電線は2回線あり、通常は、一方に不具合があっても別回線で送電し、停電しないようになっている。
今回は、一方の地下送電線の一部で漏電して穴が開き、遮断。
電圧が上がった別回線の機器も破損して遮断され、停電したという。
機器内で金具の取り付け位置が9年前の設置時から誤っており、想定内の電圧の変化に耐えられなかったとしている。
当時、機器はジェイ・パワーシステムズ(茨城県日立市)が設置。
親会社で、現在、工事業務を移管されている住友電工(大阪市)は、「あってはならないミス。誤った取り付けができない構造にするなど、再発防止に取り組む」としている。
関電によると、管内にある同種の機器162個に異常はなかった。
また、最初に不具合が起きた送電線は、関電管内で11年以降、計17件、絶縁できなくなっているのが確認された送電線と同種で、21年度までにすべて交換する予定だった。
出典
『大阪の大規模停電、関電「関連機器メーカーの施工ミス」』
http://www.asahi.com/articles/ASK975G31K97PTIL010.html
9月7日付で関電HPに、下記趣旨のプレスリリースが掲載されていた。
(別紙)
・基幹変電所から個別変電所には、2系統で電気を供給しており、1系統でトラブルが発生しても、個別変電所からの電気供給がストップすることはない。
・今回、その1系統のケーブルが水ツリーにより絶縁破壊し、電気が供給できなくなった。
・本来であれば、もう1つの系統から電気が供給されるべきところ、当該系統のケーブル接続機器で、押し金具の取り付け位置を間違っていたため、この系統でも絶縁破壊が生じ、電気が供給できなかった。
『大阪市東淀川区、吹田市、摂津市の一部で発生した停電について [第六報]』
http://www.kepco.co.jp/corporate/pr/2017/0907_2j.html
※停電発生時の状況などは、下記記事参照。
(2017年8月23日22時6分 毎日新聞)
大阪府吹田市を中心に起きた大規模停電で、関西電力は23日、同市内のマンホール下にある地中送電線に、直径約2cmの焦げたような穴が見つかったと発表した。
同日早朝、このマンホールのふたの一つが浮き上がって爆発音がしたという情報がある。
停電の原因の一つとみられるが、他の送電線でも異常があったため、さらに詳しく調べている。
穴が開いた地中送電線は、同市高城町のマンホール下の作業用スペース(高さ2.4m、幅1.4m、長さ5.5m)で見つかった。
電気を漏らさないようにプラスチックで覆った「CVケーブル」で、1995年製造。
昨年9月の点検では、異常は見つからなかったという。
周囲の水分が送電線に浸透していく「水トリー」という現象が起き、電気が漏れてケーブルが溶けた可能性があるという。
作業用スペースには、2本のCVケーブルとは別に、内部に油が入った「OFケーブル」2本が通っている。
このケーブルに油を補充しているタンクの残量が想定より減っており、関電は、OFケーブルにも何らかの異常が起きた可能性があるとして調べている。
停電は23日早朝に発生。
午前5時43分、大阪府豊中市の小曽根変電所が電流の異常を確認し、送電を遮断した。
最大約3万4000軒が停電し、すべて復旧したのは午後5時2分。
停電で市民生活に大きな影響が出た。
吹田市役所は5時間ほど停電し、住民票発行などが一時停止した。
また、市は熱中症対策のため、体育館や冷房が作動しているスーパーなどを一時避難所先として指定し、市民に注意を呼びかける広報車を走らせた。
JR吹田駅前の「コーヒーハウスS」は午前11時、いつもより3時間半遅く開店した。
店長の井上さん(60)は、「牛乳や卵など冷蔵していた食材は、夏場なので食中毒が怖くて、もう使えない」と嘆いた。
『大阪・大規模停電 関電「地中送電線に焦げたような穴」』
https://mainichi.jp/articles/20170824/k00/00m/040/138000c
(2017年9月24日 修正1 ;追記)
2017年9月22日16時56分にNHK関西から、部品組立て手順を見直すなど再発防止策が発表されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
関西電力は再発防止策をまとめ、22日、記者会見をして発表した。
それによると、破損したケーブルと同じ種類のケーブルを順次取り替えるほか、設備の施工不良を防ぐため、現場で組み立てていた部品を予め組み立てた状態で持って行くとしている。
また、停電の際、初動の対応にあたる従業員の夜間・早朝の呼び出し方法を見直すほか、停電時に電気を送る車両を増やすとしている。
出典
『大規模停電 関電が再発防止策』
http://www.nhk.or.jp/kansai-news/20170922/4172651.html
9月22日19時38分に産経新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
関電管内では、水による絶縁体の劣化が原因となったケーブルの漏電は、過去10年間に17件発生。
33年までに400km分を、水が浸透しにくいタイプのケーブルに取り換える予定だ。
出典
『関電、大阪・吹田の大規模停電で再発防止策 原因はケーブル劣化と施工ミスで被害拡大と断定』
http://www.sankei.com/west/news/170922/wst1709220087-n1.html
(ブログ者コメント)
関電から9月22日付でプレスリリースされた内容は下記参照。
http://www.kepco.co.jp/corporate/pr/2017/0922_1j.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。