2017年9月13日18時1分にテレビ朝日から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
9月13日にTBS NEWSからも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
東京・足立区で、飲料用ではない、下水を処理した水が誤って水道に逆流するトラブルがあった。
高度な処理が施され、健康には問題ないということだが、この水でお米を炊いてしまった人もいるという。
「水道水から異臭がする」。
トラブルがあったのは10日午後3時ごろ。
足立区の住民から通報があり、都の水道局職員が訪問すると、水道の蛇口から黄色っぽく濁った水が出ていたという。
原因は近くにある建設残土のリサイクル施設のトイレにあったことが判明。
家庭から出たのは、下水を処理した水だった。
都によると、高度な処理をしているため、口にしても健康への影響はないという。
足立区の27世帯に配水され、なかには、この水を飲んだり、米を炊いてしまった人もいるという。
周辺の住民男性:「シャワーをしていた娘が出てきて、『臭いんだ』って言ったんですよ。『水がどぶ臭い』って。トイレから出る汚水なんで、いくら処理しているとはいってもちょっと良い気分じゃないですね」
住民女性:「知らせがくるまでは、煮炊きに使ったり飲んだりしてました」
なぜ、逆流したのか。
そもそも水道法で、水道の給水管は他の水の管と直接、つなげてはいけないと定めている。
この施設では、下水処理水をトイレの洗浄用に使っていた。
しかし、出が悪かったため、水の量を確保しようと、5年前にトイレの改修工事をした際、当時の作業員が勝手に水道管を取り付けてしまったという。
その後、下水のバルブは閉じていたというのだが、トイレが詰まり、その修理をしている際に誤ってバルブを開けてしまったがゆえ、処理水が水道水側に逆流してしまったとのことだ。
水道よりも下水処理水の方が圧力が大きかったため、水道管に逆流して周辺の27世帯にいってしまったという。
下水処理水の逆流事故は全国でも例がないということで、東京都は、他にも同じような配管をしていないか点検するなど、再発防止を徹底していくという。
出典
『「どぶ臭い」下水処理水が水道に逆流 原因は?』
http://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000109941.html
『水道蛇口から下水処理水、東京・足立区の住宅』
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3155737.html
2017年9月12日付で東京都下水道局からは、下記趣旨の記事がプレスリリースされていた。
1.経過等
1.平成29年9月10日、東京都足立区中川地先のお客さまより水道局へ「水道水から異臭がする」との連絡があり、翌11日、水道局より下水道局に対して「中川水再生センター」内の状況を調査するよう依頼がありました。
2.至急、現場調査した結果、東京都下水道サービス㈱に運営を委託している「中川建設発生土改良プラント」で使用している三次処理水※配管と水道の給水管を、同社が当局に無断で誤接続させていることが判明しました。
このため、同日11時に接続箇所のバルブを閉塞するとともに、12時30分に誤接続を解消いたしました。
※三次処理水
中川水再生センターで処理し塩素を入れた二次処理水を、繊維ろ過でさらに高度に処理したもの
2.調査結果
委託会社にヒアリングした結果、以下の事項が判明しました。
1.「中川建設発生土改良プラント」では、三次処理水を車両の洗浄及びトイレ洗浄等にも利用していましたが、センター内の工事等で、三次処理水の供給が停止することがありました。
このため、平成24年にトイレ改修を行った際、トイレ洗浄水の量を確保するため、三次処理水配管と水道の給水管を誤接続させました。
2. 通常、三次処理水配管のバルブを閉じておりましたが、9月10日にバルブを開けてトイレ排水管の掃除を行い、バルブを閉め忘れたことが判明しました。
3.このため、給水管が接続している水道よりも水圧の高い三次処理水が、給水管から水道管に逆流したと考えられます。
※水道局にて近傍の消火栓から採水した水を検査した結果、飲用可の結果がでております。
出典
『三次処理水配管と水道の給水管との誤接続について』
http://www.gesui.metro.tokyo.jp/news/2017/0912_2669.html
(ブログ者コメント)
テレビ朝日の映像によれば、トイレの水タンクに処理水を供給する細いフレキシブル配管に、バルブを介して水道配管を接続していた模様。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。