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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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20179852分に朝日新聞から、下記趣旨の記事が図解付きでネット配信されていた。

 

東京都内で8月、大人用ベッドで寝ていた0歳の乳児がベッドガードとマットレスの間に挟まり、死亡する事故が起きていたことが分かった。

乳児の就寝時にベッドガードを使用したケースでは同種の事故が国内外で確認されており、日本小児科学会が注意を呼びかけている。

 

消費者庁などによると、事故は8月8日に発生。

一般家庭で大人用ベッドの側面に子どもなどの転落防止用のベッドガードを取り付け、乳児を一人で寝かせていたが、ベッドガードとマットレスの間に挟まれた状態で見つかった。

病院に搬送後、亡くなったという。

 

昨年9月にも、生後6カ月の男児が同様の状況で窒息状態になった。

事故情報を今年5月に公表した日本小児科学会によると、母親が男児をベッドに寝かせて2分ほど目を離したところ、ベッドガードがずれてマットレスとの間に隙間ができ、男児が横向きに落ち込んでぐったりしていたという。

男児はその後、意識が回復した。

 

国内では、製品安全協会が幼児用ベッドガードについて、「生後18カ月未満の子どもに使用しない」という安全基準を定めている。

だが、夜泣きにすぐ対処できるよう、大人用ベッドにベッドガードを使って赤ちゃんに添い寝する保護者は多い。

 

同学会の井上信明医師(小児救急)は、「乳児が寝る時に使用するのは危険という表示のついた商品もあるが、消費者の認識はまだ薄い。乳児に使えると誤解を招く広告の規制や、乳児を想定した製品開発が必要だ」と話している。

 

国内で起きたベッドガードが関連する子どもの事故に関する統計はない。

一方、米国の政府機関「米消費者製品安全委員会」には、2000年以降の約10年間で同国内で起きた子どもの死亡事故13件が報告された。

そのうち9件が1歳未満だった。

 

出典

『「ベッドガード」使用で乳児死亡 学会が注意呼びかけ』

http://www.asahi.com/articles/ASK973W0DK97UTFL002.html

 

 

少し前、2017527160分にJ-CASTニュースからも同趣旨の、より詳しい記事が下記趣旨でネット配信されていた。

 

幼いわが子を寝かしつけるのにベッドガードを使う人は少なくないが、ベッドガードとマットレスのすき間に幼児がはさまり、窒息する事故が起こった。


幸い一命はとりとめたが、日本小児科学会では、「18か月未満の幼児にはベッドガードを使わないで!」と注意を呼びかけている。

 

 

【ちょっと目を離したらベッドで顔を青紫色に】

 

2017年5月、日本小児科学会がウェブサイト「傷害速報」に掲載した。

傷害速報とは、子どもが玩具を飲みこんで窒息死したり、自転車用ヘルメットのひもが首に引っかかり窒息死したりする事故などが起こるたびに、注意を喚起するため、事故の詳細な内容を報告するものだ。

 

「傷害速報」の発表資料によると、事故が起こったのは2016年9月7日。

生後6か月の男児が自宅寝室のベッドの中で、窒息死寸前の状態で発見された。

 

男児宅では、大人用ベッドに市販のベッドガードをつけ、男児を寝かせていた。

ベッドガードは、L字型の一辺をマットレスの下に差し込むタイプ。

中央のメッシュ部は伸縮性があり、製品をマットレスに密着させても簡単にすき間ができる。

 

事故が起こる前にも、男児の腕が度々すき間にはまり込んでいたため、母親はタオルケットを丸めてメッシュ部に詰め込む工夫を行っていた。

 

母親は男児と一緒に買い物から帰宅し、まず男児をベッドに寝かせ、その後、車内の荷物を取りに戻った。

男児は起きていて、母親の姿が見えなくなって泣き始める声が聞こえた。

約2分後に母親が戻ると、ベッドガードが水平にずれ、マットレスとの間に10cm弱のすき間ができ、すき間にうつぶせ状態の男児がはまり込んでいた(写真参照)。

 

母親によると、男児の顔はマットレスとタオルケットに埋まり、息をしていないように見えた。

あわてて母親が抱き上げると、男児はグッタリと目を閉じ、顔は青紫色になっていた。

完全に呼吸停止していたかどうかは不明だ。

 

母親は男児を激しく揺さぶりながら119番した。

電話を切った時点で男児は呼吸を始めたが、反応が鈍く、泣かない状態が続いた。

17分後に救急隊が到着した時には、普段通りに泣き始めていた。

病院に到着した時には意識ははっきりし、神経学的異常はなかったため、特に検査は行わず、経過観察を指示され帰宅した。

 

 

【米国では11年間で13人が死亡】

 

同学会の調査によると、ベッドガードは就寝時の転落を防ぐために、通常のベッドに装着する製品で、着脱が簡単にできる物、固定式の物、フェンス部分がメッシュ状の物、柵状の物など、様々なタイプが市販されている。

 

米国では、2000~2010年の11年間で、ベッドガードによる幼児の事故が132件報告され、うち13件が死亡事故だ。

 

そのうち3件は、男児宅と同じく大人用ベッドにベッドガードを付け、幼児を寝かせていた。

やはり、何らかの原因でベッドガードが水平方向にずれ、すき間ができて幼児が落ち込んだ。

 

このため、米国の製品安全員会では、ベッドガードの使用を生後18か月(1歳半)から60か月(5歳)までと定めている。

 

日本でも同様な事故があり、製品のリコールがあった。

日本の業界団体の安全基準も、米国にならっている。

実際、男児がはさみこまれたベッドガードにも「生後18か月未満のお子様には絶対使用しないでください」という警告が貼り付けられていた。

 

このことから、同学会は「傷害速報」の中で、こう警告している。

「今回の事故では、保護者は製品の注意喚起に気づいていなかった。ベッドガードとマットレスの間にはさみこまれて窒息する事故を防ぐには、業界がもっと効果的な注意喚起の方法を検討したり、幼児も使用できると誤解を生むような宣伝方法を改めたり、18か月未満の子でも使える製品の開発が課題になる」

 

ともあれ、幼児にはベッドガードはアブナイことを知っておくべきだろう。

 

出典

『ベッドガードで幼児が窒息死寸前に 柵とマットレスのすき間に落ち込む』

https://www.j-cast.com/healthcare/2017/05/27298962.html?p=all 

 

 

(2024年3月24日 修正1 ;追記)

20243222239分に毎日新聞からは、説明書に注意書きはあったが対象年齢未満の乳幼児に使用した場合の危険性が具体的に記されていないなどとして販売会社に賠償命令が出たなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

睡眠中の幼児の転落を防ぐ「ベッドガード」に挟まれて生後9カ月の長男が死亡したのは、製品の欠陥が原因だとして、両親が販売会社「K」(愛知県犬山市)に約9300万円の賠償を求めた訴訟で、東京地裁は22日、3577万円の賠償を命じる判決を言い渡した。

西村康一郎裁判長は、起こり得る事故に対しての警告表示に欠陥があると判断した。

ベッドガードは大人用ベッドのマットレス横側に付ける柵状の器具。

幼児が寝返りをしても柵状の部分がストッパーとなる構造になっている。

判決によると、母親は20178月、東京都内の自宅寝室でベッドガードが付いたマットレスに長男を寝かしつけ、一旦寝室を離れて約2時間半後に戻ったところ、長男はベッドガードとマットレスの間に体が挟まれた状態だった。
死因は窒息死だった。

両親が購入した製品の説明書には「対象年齢は生後18カ月以降」、別の書面には「マットレスとの隙間(すきま)で思わぬ事故が発生する恐れがある」と記されていた。

判決は「対象年齢未満の乳幼児に使用した場合の危険性が具体的に記載されていない」と指摘。

製品本体に使用対象年齢が書かれていないことも踏まえ、警告表示が不十分と結論付けた。

両親側は「製品設計そのものに欠陥があった」とも主張していたが、判決は「安全基準に適合しており、欠陥はない」と退けた。

判決後に記者会見した長男の父親(45)は、ベッドガードで類似の死亡事故が起きているとし、「危険性を訴えるために始めた裁判。メーカーや行政が検証し、再発防止につなげてもらいたい」と話した。

K社は「安全性について十分に考慮して販売している。判決に大変困惑している」とのコメントを出した。

https://mainichi.jp/articles/20240322/k00/00m/040/454000c

 

3222255分に読売新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。(本文は転載省略)

https://www.yomiuri.co.jp/national/20240322-OYT1T50186/ 

 

  

 

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化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
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