







2011年10月11日22時56分に読売新聞から、同日13時51分に毎日新聞から、同日12時34分にmsn産経ニュースから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
11日午前9時55分頃、武蔵野市のマンション建設現場で、汚水槽の設置作業をしていた建築業者(65)と弟(53)の2人が倒れ、搬送先の病院で死亡した。
2人に転落したような外傷はないといい、現場では高濃度の一酸化炭素(CO)が検出されたということで、警察は、2人が作業中にCO中毒にかかったか、あるいは酸欠状態に陥るなどした可能性もあるとみて、詳しい状況を調べている。
警察によると、汚水槽は地下5mにあり、2人はマンホールから槽の底に入り、作業をしていた。
別の作業員が地下から物音がしなくなったことに気付き、119番通報した。
その作業員も体調不良を訴え、病院に搬送されたが、軽症という。
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(ブログ者コメント)
わざわざCO濃度を測定した・・・。それは現場になんらかのCO発生源があったからかもしれない。
過去には、地下で水抜きのためガソリンエンジン駆動のポンプを動かしていてCO中毒で死亡した事例がある。
2011年9月10日付で、中国新聞から下記趣旨の記事がネット配信されていた。
9日午後0時10分ごろ、広島市の中国新聞ビルで「数人が『気分が悪い』と訴えている」と、119番通報があった。
防水工事で使った塗装剤から異臭を伴う化学物質が発生したとみられ、同ビルに入居する団体職員3人が病院に搬送された。
消防などによると、同日午前11時ごろ、同ビル9階ベランダの防水工事で使った塗装剤を作業員がエレベーターで1階に運ぶ際、直径約20cmの容器内で化学物質スチレンが発生。ふたが溶けて気体が外部に漏れた。8階でエレベーターの扉が開き、周辺に広がったという。
8階にいた団体職員たち6人がめまいなどを訴え、うち搬送された女性2人と男性1人が病院で一時、治療を受けた。
出典URL■■■
(ブログ者コメント)
□スチレンは、ポリパテの粘度調整用に使う溶剤ということだろうか?
□なぜ蓋が溶けたのか、本当に溶けたのかを含め、臭気が広がった経緯が、上記の記事ではイマイチ不明だ。
たしかにスチレンは臭気がキツイが、置きっ放しでもない直径20cmの容器の蓋が開いたくらいで、6人もがめまいを訴えるほどフロアーに充満するとは、ちょっと考え難いのだが・・・。
2011年7月29日付の毎日新聞北海道版に、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
更別村の酪農家敷地の地下に埋設されているふん尿貯蔵槽(深さ約3.5m)で今月、この家の夫婦が死亡していたことが28日、分かった。
事故前、北海道開発局帯広開発建設部の職員がフタを誤って落下させており、夫婦は拾うために中に入った可能性がある。
開発局は原因調査と再発防止策の検討のため、事故調査委員会を26日設置した。
死亡した夫婦は12日に外出後、行方不明になり、13日に貯蔵槽で死亡しているのが見つかった。死因は不明。
貯蔵槽はふん尿を肥料にする施設で、開発局がモデル事業として95年に設置した。6月24日に同部職員2人が資料写真の撮影のため訪れた際、金属製のフタ4枚のうち1枚(長さ約1.2m、幅約40cm)を内部に落とした。同部は「フタの落下後、職員が適切な対応を取ったのか調査している」としている。
出典URL
http://mainichi.jp/hokkaido/shakai/archive/news/2011/07/29/20110729ddlk01040273000c.html
(ブログ者コメント)
「拾うために中に入った」という表現から考えると、死因は打撲ではなく、酸欠あるいは硫化水素中毒の可能性がある。
(2011年8月5日 修正1 ;追記)
2011年8月2日付の朝日新聞(聞蔵)から、「焦点」と題して下記趣旨の記事がネット配信されていた。
帯広開発建設部の職員が貯留槽のふたを槽内に落としたまま20日間ほど放置。夫婦はふたを拾いに入ってガス中毒死したとみられることが、開建部などへの取材でわかった。
ふたを落とした当日、職員がそのことを伝えると、夫は「取っておく」と話したとされる。
開建部は、ふたの放置に加え、有害ガスの発生や酸素が欠乏しやすい貯留槽内の危険性を十分に伝えていなかった可能性がある。警察によると、死因は硫化水素中毒だった。
貯留槽は、家畜の糞尿と灌漑用水を調合し、液体肥料にする設備の一部。開口部が2箇所あり、それぞれに鋼製のふた(長さ1.2m、幅43cm)を4枚かぶせていた。落としたのは、そのうちの1枚。
夫婦は、開口部と地下をつなぐはしごの下で並ぶように倒れていた。槽内の様子を探るために使おうとしたとみられる木の棒や、ふたを引き上げるために準備したのか、地上からはロープが垂らされていた。
開建部は、「貯留槽内のリスクを適切に説明したかどうかは、今後の調査で明らかにしたい」と答えるにとどまった。
(ブログ者コメント)
酪農家の方にとって、酸欠とか硫化水素中毒といった危険は馴染みがないだろう。
この職員が、仮に危険性を伝えていたとしても、「即死する場合がある」程度のことを伝えないと、真の危険性は伝わらなかった可能性がある。
逆に、危険性をまったく伝えていなかったとしたら、そういった職員を養成した開建部の責任でもある。
はてさて、被災者が2名とも死亡している現状、どこまで真の原因に迫れるだろうか?
(2011年8月7日 修正2 ;追記)
2011年8月6日11時0分に、北海道新聞から下記趣旨の記事がネット配信されていた。
開建部は5日、職員は、槽内に発生する有毒な硫化水素の危険性を認識しておらず、夫妻にも注意するよう伝えていなかったことを、事故調査委員会の初会合で報告した。
出典URL
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/310195.html
(2012年7月14日 修正3 ;追記)
2012年7月12日20時49分にmsn産経ニュースから、また7月13日付で毎日新聞北海道版と朝日新聞北海道総合版(聞蔵)から、遺族が損害賠償提訴した旨、ネット配信されていた。
遺族が12日までに、管理を怠ったとして国に約1億円の損害賠償を求め、釧路地裁帯広支部に提訴した。
訴状によると、帯広開発建設部の職員2人が酪農家方を訪れ、敷地内にある槽のふたを槽内に落とした。職員は硫化水素が発生する恐れを告げずにふたの回収を依頼し、同7月12日、取りに入った酪農家夫妻が中毒死したとしている。
帯広開発建設部が設置した事故調査委員会は昨年12月、有毒ガスが発生する認識が職員にも夫婦にもなかったとする報告書をまとめた。
遺族は、職員が中毒の危険性を伝えなかったために夫妻が死亡したと主張。遺児2人の未成年後見人として、夫側の両親が提訴した。
父親(71)は、「北海道開発局は、(職員が)危険性を知らなかったから仕方がないというような返答だけで、責任の所在は曖昧な返事ばかり。納得いかず、不信感を持っており、どちらに非があるのか、法廷で責任の所在をはっきりさせたい」と話している。
開発局は「訴状が届いていないのでコメントできない」としている。
出典URL
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120712/trl12071220490008-n1.htm
http://mainichi.jp/area/hokkaido/news/20120713ddlk01040201000c.html
(2014年4月22日 修正4 ;追記)
2014年4月21日23時22分に毎日新聞から、国に賠償を命じる判決がくだったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
北海道更別村で2011年7月、酪農家夫婦が道開発局帯広開発建設部の設置した家畜ふん尿貯留槽内で硫化水素ガス中毒死したのは、同開建職員が危険性を夫婦に説明する義務を怠ったためだとして、遺族が国に約1億1200万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が21日、釧路地裁帯広支部であり、裁判長は国に約4947万円の支払いを命じた。
判決は、貯留槽の管理責任は開建側にあり、職員が説明義務を怠ったと認定。死亡した夫婦にも貯留槽内に立ち入った落ち度はあるが、「事故防止の第1次的な義務は被告(開建側)が負うべきだ」と結論づけた。
貯留槽は、開建が国の試験事業として夫婦宅の敷地に設置し、事業終了後は夫婦が継続して利用していた。
夫婦は、調査で訪れた職員が誤って落としたふたを回収するため貯留槽内に入り、中毒死した。
同開建は事故後、事故調査委を設置し原因を調べたが、責任の所在が明確にならなかったため遺族が12年7月に提訴。
被告側は夫婦が日常的に管理、使用する施設だったことなどから、「職員に説明義務はない」として全面的に争っていた。
判決後、開発局の沢田局長は、「判決内容を精査し、今後の対応を検討したい」とのコメントを発表した。
出典URL
http://mainichi.jp/select/news/20140422k0000m040125000c.html
室内には白い粉状の漂白剤の入った一斗缶が蓋が開いた状態で置かれてあり、消防がかけつけた時、一斗缶から白い煙が出ていて、そばに妻が意識不明の状態で倒れていた。
警察によると、足が不自由な妻は1階作業場の隣室で寝ており、経営者も2階で就寝中だった。一斗缶は普段から妻の居室に置いてあり、前日も漂白剤を使っていた。
消防によると、一斗缶から発生した煙の成分を分析した結果、硫化水素が検出されたという。
http://sankei.jp.msn.com/region/news/110717/wky11071702070000-n1.htm
警察によると、ガスは午前10時ごろ発生。食品を殺菌するための機械に誤って薬品を入れたため、塩素ガスが発生したという。
警察などによると、手当てを受けた結果、3人とも意識が回復し、命に別状はないという。
事故当時、製錬所は操業中で、3人はガスが流れる配管を修理していた。
警察では何らかの原因で配管から一酸化炭素を含んだガスが漏れ、3人が中毒を起こしたとものとみて、原因を調べている。
八戸製錬所は、亜鉛や鉛の製錬を行う工場で、東日本大震災の津波によって電気関連の設備と亜鉛の純度を上げる施設に大きな被害を受け、今月13日に操業を再開したばかりだった。
八戸製錬所では先月2日にも工場の復旧作業をしていた60代の男性作業員が、機械から外れた鉄製のホースの直撃を受け、死亡する事故が起きている。
(2012年1月16日 修正2 ;追記)
2012年1月11日付の毎日新聞青森版から、また10日18時51分にNHK青森から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
八戸労基署は10日、「八戸精錬」と、当時の現場責任者の男性(59)を労安法の特定化学物質障害予防規則違反(特定化学物質作業主任者の職務)の疑いで書類送検した。
同署によると、作業長は昨年6月18日午前0時20分ごろ、溶錬工場の溶鉱炉排ガス配管からガス漏れを発見したため、7人に粘土でガス漏れ箇所を埋める補修作業をさせたが、配管のさびた部分が崩れ落ち大量にガスが漏れ、作業長と従業員2人が一酸化中毒で病院に運ばれ、4日間の入院をした。
同規則では、会社が選任する特定化学物質作業主任者が、一酸化炭素を吸引しないよう作業方法を決めて補修作業を指揮しなければならない。
事故では、会社などが主任者に職務をさせなかったとしている。
出典URL
http://mainichi.jp/area/aomori/archive/news/2012/01/11/20120111ddlk02040046000c.html
※NHKからは、若干ニュアンスの異なる、下記趣旨の記事も掲載されていた。
八戸労基署が調べた結果、現場の責任者が配管から漏れたガスに一酸化炭素が多量に含まれていることを知りながら、従業員に排気ガスを吸わないように指導しなかったという。
このため、同署は、従業員の安全対策を十分にとらなかったことが事故につながったとして、労安法違反の疑いで「八戸製錬」と当時の現場責任者の59歳の男性を10日、書類送検した。
同署によると、県内では去年1年間に、このほかにむつ市や五所川原市などの4か所の工事現場で、一酸化炭素中毒の事故が起きたという。
(ブログ者コメント)
両方の記事から推測すると、ガス漏れが拡大した場合に備えた安全対策を講じていなかった模様だ。
現に漏れている場所を補修するのに、漏れ拡大を想定するのは当たり前のことだと思うのだが、どこがどうなっていたのだろうか?
従業員は20~70代で9人が中国人、4人が日本人。医師によると、患者には一酸化炭素中毒の症状が見られたという。
同社によると、加工場では当時、日本人と中国人計約40人がホタテの殻を外してむき身にする作業を行っており、ホタテを運搬するためフォークリフトを使っていた。使用しない時はエンジンを切ることになっていたが、切り忘れ、その排ガスで一酸化炭素中毒を起こした可能性があるという。衛生上、加工場内は閉め切っていた。
治療を受けた女性は、「耳鳴りがし、心臓がどきどきしてきた。気を失いそうになり、着ているものを脱いで外に出た」と話した。
警察の調べでは、2人は同日午前8時半ごろから発電機を使って床に溝を掘る作業をしていた。発電機の排気ガスが充満して、一酸化炭素中毒になったらしい。
あるいは押し込み換気方式を採用すること。
排水処理槽の近くから高濃度の硫化水素が検出されたため、消防が中和作業を実施。工場周辺への流出はないという。
消防などによると、2人は排水処理槽で、強アルカリ性の排水を中和するため、硫酸を注入する作業をしていた。通常は、中和中に硫化水素が発生しても回収装置が作動しているため、外部に漏れない仕組みになっているという。
消防は、排水処理槽から何らかの原因で硫化水素が漏れ出たとみて調べている。
SC有機化学は、堺化学工業の子会社。
現場からは有毒の亜硫酸ガスとシアン化水素が検出され、同庁などで詳しい経緯を調べている。
同庁によると、汚泥は今月7日に清掃業者がポンプ場の下水道管から取り除いたもので、9袋の土嚢に詰められていた。そのうちの一部から白煙が上がっていたといい、1袋にこぶし大の焦げたような跡があった。汚泥が化学反応を起こし、自然発火したとみられる。ポンプ場にいた下水道局の職員2人がガス中毒の症状を訴え、病院に搬送されたが、いずれも命に別条はないという。
この影響で、ビルに入居する企業の社員ら約260人が避難し、ビルは8日午後7時半まで立ち入り禁止になった。
http://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/nation/20110109-567-OYT1T00018.html
http://mainichi.jp/select/jiken/archive/news/2011/01/09/20110109ddm041040073000c.html
(ブログ者コメント)
どなたか、その辺の知見をお持ちの方がいれば、教えていただきたい。
警察などによると、4人は住宅2階で塗料の吹き付け作業中だった。
4人とも意識はあり、症状が重い3人が病院に運ばれたが、いずれも命に別条はない。
ホスゲンは合成樹脂や農薬の原料となる有毒ガス。気体に触れると皮膚や角膜の炎症、吸い込むと呼吸困難や肺水腫などを引き起こす恐れがある。第1次世界大戦では化学兵器として使用された。
警視庁と東京消防庁は、9日夜、現場周辺を立ち入り禁止にして、詳細な調査を始めた。
捜査関係者らによると、7日にマンション建設現場で地面を掘り返していた作業員が目の痛みを訴えた。命に別条はないが、その後の工事会社や医療機関などの調査で、ホスゲンが原因だった可能性があることが判明した。
2日午後9時20分ごろ、美祢市の薬仙石灰美祢工場で、石灰焼成炉上部の作業場にいた社員(35)が倒れているのを別の作業員が見つけ、119番通報。市内の病院に搬送されたが、一酸化炭素中毒で死亡した。
警察によると、被災者は石灰を焼く炉(高さ約21m、直径約3.8m)の上部にある作業場で、火の管理を一人で担当。炉を開けてまきを投入する際に、炉から出たガスを吸い込んだものとみられる。同署は、業務上過失致死の疑いがあるとみて捜査している。 |
トイレは、タンク内のし尿をバクテリアで分解し、発生した硫化水素などは排気管(内径65mm)を通じて艦外に出す仕組み。
排気管の内部が腐食し、サビによって部分的に最大93%が詰まっており、さらに艦体の外気吸気口に装着した防じんフィルターが目詰まりを起こして艦内の気圧が低下したことなどから、硫化水素が艦外に排出せず、個室内に逆流した。
年1回の管の内部の検査では、異常は見つかっていなかったという。
同じタイプのタンクがある艦艇126隻を点検し、うち48隻の排気管などを修理した。
警察の調べでは、被災者は午前8時ごろから、1人で基礎工事の作業に当たっていた。約1・5m掘った穴にコンクリートを流し、乾燥させるために練炭を使っていた。雪などでぬれないよう、穴の上にはビニールシートがかぶせられていたという。
被災者が工事現場から戻ってこないことを不審に思った同僚が現場に向かい、穴の中で倒れているのを見付けた。
警察では、一酸化炭素中毒の可能性があるとみて調べている。
長岡署は、CO中毒の可能性が高いと見ている。
同署によると、この工場では電車のつり革の支柱を作っており、この日は午前8時過ぎから、アルミニウムをガス溶解炉で溶かす作業を11人で行っていた。
作業開始後、間もなく9人が体調不良を訴え、救急車で病院に搬送された。社長も後から現場に駆けつけたが、気分が悪くなり、自分の車で病院に向かった。工場内では暖房器具は使われておらず、同署は溶解炉の不完全燃焼の可能性が高いとみている。工場では溶解炉1基が稼働し、換気扇は作動していたという。
http://www.niigata-nippo.co.jp/news/pref/18811.html
(修正1;2010年11月28日 追記)
油槽は、油圧機械から出た油を溜めるために使用していた。
同様な事例を、2010年8月24日に本ブログにアップしてある。


















その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。