2017年9月17日16時44分に読売新聞から、下記趣旨の記事が写真付きでネット配信されていた。
奈良県天理市の天理駅前に4月にオープンした駅前広場で、8件の事故が起きて8人がけがをしていたことが、同市への取材でわかった。
白色を基調にしたユニークな形をした施設が特徴で、この形状が事故につながったケースもあった。
市は事態を受けて、利用者に注意を促す看板の設置や監視カメラの増設など、安全対策の強化に乗り出した。
市内に約1600基点在する古墳をモチーフに「コフフン」と名付けられ、建築家の佐藤オオキさんが設計。
地域活性化を狙い、市が約14億円かけて、約1万7100m2を再整備。
5つの円形構造物を配置し、委託を受けた民間の警備会社が管理する。
無料で、自由に誰でも利用できる。
市によると、けがをしたのは幼稚園児から60歳代で、うち4人が腕を骨折するなどの大けがを負った。
事故は4月に5件、6、7、9月に各1件起きた。
4月1日のオープン初日には、屋内のリング状遊具(直径2m)にまたがり回転したところ、幼稚園の女児が腕の骨を折った。
10人以上が一斉に乗った勢いで投げ出されたとみられる。
また、同月18日には、60歳代の女性が屋外ステージの階段を踏み外して転倒、脚の骨を折った。
全体がほぼ白一色で、段差が見えづらかったのが原因という。
翌日には、別の60歳代女性も階段の境目が見えず、踏み外して転び頭を打って病院に運ばれた。
軽傷という。
7月には、屋外の巨大トランポリン(直径約12m)で遊んでいた小学校低学年の男児が高学年の児童とぶつかって、右腕を骨折した。
遊具利用中とみられるのが5件、施設の色や形状が事故の要因と考えられるのが3件だった。
事故を受け、市は、リング状の遊具で遊べる人数を8人までに限定。
屋外ステージの階段部分にはグレーの円形マークを表示して、段差をわかりやすくした。
来場者の多い休日には、監視スタッフを2人増員して4人にした。
現在、広場全体を監視カメラ6台でカバーしているが、さらに、各遊具ごとを監視するなど、6台を増設する。
事故の未然防止や発生時に即応できるように、監視体制の強化を図る。
市の担当者は、「事故は設計上の安全性に問題があって起きたとは考えていない」と否定した上で、「利用者のマナーによる部分もある。広場全体を監視できないので、周囲の大人も注意を払ってもらい、安全に遊べる広場にしていきたい」としている。
出典
『白一色、段差見えづらく?…駅前広場けが人続出』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20170917-OYT1T50014.html
奇しくも?同日3時0分に朝日新聞から、同じ施設の紹介記事がネット配信されていた。
施設の全体写真はこちらを参照。
ただ、こちらにはトラブルの情報は一切記されていない。
今春、JR・近鉄天理駅前に白い円形の建物群が出現した。
不思議なかたちのモチーフは「古墳」。
天理駅前広場コフフンは、野外ステージや遊具、観光案内所などの機能を備え、市民が気軽に集える場となっている。
子どもたちの一番人気は、広場を一望できるトランポリンがある「ふわふわコフン」だ。
大和郡山市から遊びに来た小学2年の女児(7)と小学1年の女児(7)は、「跳ねたらすごく揺れて楽しい」とはしゃいでいた。
「すりばちコフン」という、すり鉢状のくぼみに木の板を張った遊具もある。
底まで滑り降りたり、ぐるぐる回りながら上がったりすることができる。
「インフォ&ラウンジコフン」には、観光案内所、カフェレストラン「パークサイドキッチン」、スポーツ自転車専門店「バイシクルカラー」を併設する。
パークサイドキッチンの自慢は、天理市産を中心に旬の野菜を使った料理だ。
山下店長(27)は、「サラダナスや緑色の青ナスなど、珍しい野菜も登場します」。
バイシクルカラーは、販売・修理のほか、予約制でレンタサイクルも扱う。
20~30kmをツーリングするイベントも好評だ。
鈴木店長(33)は、「自転車はエコで健康にいい。ファンを増やしたいです」と話す。
200人以上を収容できる野外ステージ「ステージコフン」や、南団体待合所も。「コフフンショップ」は、主に市内でつくられる食品や雑貨をそろえる。
運営する「まほら座」の井ノ本理事(67)は、「無農薬野菜など安心、安全な商品を集めています」と言う。
【子どもが遊んで、みんなに活気伝染】
コフフンのデザインを手がけたデザイナーの佐藤オオキさん(39)=東京在住=に話を聞いた。
Q.名前のねらいは
A.「古墳」の響き、「フフン」と思わず笑ってしまうような心地よい雰囲気、「共に(co)」「楽しい(fun)」。そんなものを詰め込みました。
Q.目指したのはどんな広場ですか
A.使い方を規定せず、市民に考えてもらうスタンスを大事にしました。ゆるく自由な雰囲気で、開かれた空間にしたかった。デザイン面では路地や縁側のイメージをとり入れました。人が集まってくつろげるように意識しました。
Q.古墳をモチーフに選んだ理由は
A.天理市内を歩くと小高い丘がいくつも見え、古墳と聞いて驚きました。伝統と歴史が日常に溶け込んでいる感じを駅前に持ち込めたらと思い、古墳が点在する風景を表現しました。
Q.トランポリンなどは子どもたちに大人気です
A.子どもが楽しそうに遊んでいると、みんなに伝染して活気が出てくる。親やお年寄りも集まり、世代間交流が生まれる。期待以上の効果を目の当たりにして素直に感動しました。
Q.地域活性化のため、デザインに期待できることは
A.デザイナーの役割は地域のもつ個性を見つけること。長所を活用していくのに、デザインはうまく機能する。天理は地場産業や観光地に恵まれ、スポーツも盛んな土地。広場を起点に飲食や宿泊、観光など、プロジェクトの発展につながればうれしいです。
出典
『奈良)古墳モチーフ 駅前広場「コフフン」人気』
http://digital.asahi.com/articles/ASK9C62T4K9CPOMB013.html?rm=277
(ブログ者コメント)
1年ほど前になるだろうか、新設コンビニの広い敷地を自転車で横切ろうとして、敷地を囲う縁石が目に入らず、乗り上げてしまったことがある。
幸いチンタラ走っていたので転倒は免れたが、スピードを出して突っ込んでいたら、おそらく怪我していただろう。
原因は、縁石も敷地も両方がコンクリートで、縁石が目立たなかったこと。
しばらくして見に行くと、敷地はアスファルト舗装に変わっていて、縁石の存在はハッキリ見えるようになっていた。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。