(1/2から続く)
10月9日20時46分に読売新聞からは、トラはまだ檻の中にいるのに扉は施錠されていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
同園では1人での作業が認められていて、古庄さんも1人だった。
おりと寝室は通路でつながっている。
通路の両端には扉があり、飼育員が通路の上から金網越しにリクが移動するのを確認して開閉、施錠する。
おりの清掃は、リクを寝室に移動させた後に扉を施錠して行うが、古庄さんの発見時、リクはおりの中にいて、扉は施錠された状態だった。
遺族の要望で、リクの殺処分はしないという。
出典
『飼育員を襲撃したトラ、遺族の要望で殺処分せず』
https://www.yomiuri.co.jp/national/20181008-OYT1T50098.html?from=ycont_top_txt
10月10日10時12分に朝日新聞からは、現場の側面図付きで、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
園によると、トラ舎は、飼育員とトラが同じ空間に入らないよう2階建ての構造になっており、トラは高さ約1.5mの空間を移動して、寝室と展示用のおりを行き来する。
飼育員は2階から手動で扉を開け閉めし、トラが移動できるようにする。
観察用の窓からトラの動きを確認できるという。
出典
『「トラと鉢合わせあり得ない」 猛獣飼育ベテランがなぜ』
https://www.asahi.com/articles/ASLB963V4LB9TLTB01C.html
10月10日20時29分にNHK鹿児島からは、当面の措置に関する、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
動物園は10日、会議を開き、当面の措置として、猛獣を移動させる際などには2人で作業にあたることを決めた。
動物園は現在、ホワイトタイガーなどの展示を見合わせているが、見直しを反映させた新しいマニュアルに市の了解が得られれば、展示を再開する方針だ。
出典
『猛獣の飼育担当 体制見直しへ』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kagoshima/20181010/5050004611.html
(ブログ者コメント)
〇マニュアルどおりに作業していれば絶対に起きるはずがないと、誰もが思う事故。
しかし、現実的には起きてしまった。
トラを寝室に入れたという思い込み、トラがまだ檻にいるのが目の網膜には映っているものの見えていなかった・・・そういったヒューマンエラーが原因だったのだろうか?
〇扉の開閉に問題があった同じような事故は、過去にも起きている。
2017年掲載
2017年2月26日 長野県小諸市の動物園で飼育員の女性が換気目的で開けた扉を閉め忘れたままライオンのいる部屋の扉を開けたため、入ってきたライオンにかまれて重傷
(第1報)
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/6844/
(第2報)
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/7051/
上記以外、猛獣との距離が近すぎて襲われた事例も、数件、本ブログでは紹介している。
(2018年10月28日 修正1 ;追記)
2018年10月26日19時57分にFNN PRIME(鹿児島テレビ)から、対策をとったので展示を再開するという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
動物園側は26日、記者会見を開き、事故原因については目撃者がいないため分からないとしながらも、古庄さんが展示スペースにいるホワイトタイガーを見落とした可能性があると話した。
事故を受けて動物園では、再発防止のため、これまで飼育員1人で行っていた猛獣の移動に新たに立ち会うスタッフを加え、2人態勢で行うとする管理マニュアルを作った。
動物園では、鹿児島労基署の指摘を受けて、立会人は飼育員ではないスタッフをおくことにしている。
事故後、動物園ではホワイトタイガーなど猛獣の展示を中止していたが、遺族の意向もあって、事故を起こしたホワイトタイガーのリクも含めて、27日から展示を再開することにしている。
出典
『鹿児島市の平川動物公園 安全対策を発表』
https://www.fnn.jp/posts/581KTS
10月26日19時44分にYAHOOニュース(鹿児島放送)からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
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また、猛獣が寝室と展示場のどちらにいるか確認できるよう、動物の写真がついたマグネットや名札を取り付け、確認を2重に行うなど、対策は大きく4つ。
ホワイトタイガーをはじめとする10種類の動物舎で、すでに対策は実施され、12月をめどに猛獣の展示用のおりにカメラも設置する予定だ。
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出典
『鹿児島・動物園 ホワイトタイガー事故で対策 確認強化 あす展示再開へ』
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181026-00010001-kkbv-l46
10月26日12時17分にNHK鹿児島からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
作業の前後には、管理事務所に無線で報告を行うという。
出典
『トラの事故で再発防止策まとまる』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kagoshima/20181026/5050004727.html
(2019年2月16日 修正2 ;追記)
2019年2月14日13時0分に南日本新聞から、猛獣舎に監視カメラが導入されるなど、その後の対策が下記趣旨でネット配信されていた。
平川動物公園は、猛獣舎に監視カメラ約50台とモニター6台程度を導入する。
この経費分を含む安全対策事業4731万円を、市の2019年度一般会計当初予算案に計上した。
事故以前、猛獣舎に監視カメラは無かったが、昨年12月から今年1月にかけ、トラやライオン、クマなどの11展示場に計22台を設置した。
ただ、現状では死角があるため、動物の位置を常時把握できるカメラに替え、バックヤードにも取り付ける。
管理事務所でのモニター監視も可能にする予定だ。
予算案には、猛獣担当の飼育員1人を増やす人件費も盛り込んだ。
現在の2人から、3人に増員される。
出典
『猛獣舎に監視カメラ50台 安全対策強化、飼育員増員へ 平川動物公園』
https://373news.com/_news/?storyid=102065
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。