2018年10月10日付で毎日新聞東京版から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
8日午後5時5分ごろ、鹿児島市平川動物公園のホワイトタイガーのおりの中で、飼育員の古庄さん(男性、40歳)が首から血を流して倒れているのを、他の職員が発見した。
古庄さんは病院で死亡が確認された。
4頭いるホワイトタイガーの1頭に襲われたとみられる。
園のマニュアルでは、猛獣と職員が同一空間に入らないことになっていた。
9日は警察が実況見分し、労基署も職員らに飼育状況などを聴いた。
園によると、古庄さんを襲ったとみられるのは5歳の雄の「リク」(体長約180cm、体重170kg)。
獣医師が古庄さんに無線で呼び掛けたが応答がなく、現場に行ったら倒れていたため、おりの中にいたリクを麻酔銃で撃ったという。
古庄さんは8日午後4時半ごろから1人で、ホワイトタイガーを展示用のおりから屋内の寝室に移す作業をしていたとみられ、他の3頭は寝室にいた。
マニュアルは、猛獣を寝室に移す際、寝室に入ったのを確認し、施錠してからおりの清掃などをすることになっているが、今回はリクが残っていたのに、おりに入ったとみられる。
出典
『死亡事故 飼育員、トラと同室に 規定に合わず 鹿児島』
https://mainichi.jp/articles/20181010/ddm/041/040/177000c
10月9日20時16分にFNN PRIMEからは、当時の作業内容に関する下記趣旨の記事が、猛獣エリアの平面図付きでネット配信されていた。
猛獣類の飼育を担当していた古庄さん。
事故の起きた時間、古庄さんは猛獣エリアを順路に沿って清掃し、オリを施錠。
残すはホワイトタイガーだけとなっていた。
平川動物公園では原則として、猛獣のオリの清掃などを行う際には、猛獣を他の部屋に移動させた後に行っていた。
しかし、バックヤードに移されているはずだったホワイトタイガーは、古庄さんが倒れていた展示スペースで発見された。
動物公園関係者によると、清掃はその日の最後の作業で、最後に残っていたのがトラ舎のリク(ホワイトタイガー)がいたところだという。
展示スペース内には、リクが隠れそうな場所はないため、何が原因かは、まったく分からないとしか答えようがないという。
出典
『その時オリの中で何が?…ホワイトタイガーに噛まれ飼育員死亡』
https://www.fnn.jp/posts/00372760HDK
10月9日15時9分にNHK鹿児島からは、古庄さんが発見された経緯などに関し、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
当日、園内では、閉園に向けて午後4時ごろから、動物を寝床がある別の部屋に移動させて、展示用のおりを清掃する作業が行われていた。
古庄さんは、1人で担当の動物のところを回って清掃作業を行っていたという。
そして、午後5時ごろ、古庄さんが担当していたオオカミの体調が悪くなっていたため、別の職員が無線で古庄さんに連絡したが、反応がなかったという。
職員が様子を見に行ったところ、古庄さんがホワイトタイガーの展示用のおりの中で倒れているのが発見された。
平川動物公園では、清掃やエサやりの際には、人と猛獣は必ず同じ空間に入らないよう手順を定めて運用していた。
この展示用のおりでも、二重のとびらで仕切られた寝床の部屋にホワイトタイガーを移動させた後、とびらに鍵をかけて、別の入り口から飼育員が入ることになっていた。
しかし、古庄さんが発見されたときには、ホワイトタイガーも展示用のおりの中にいた。
また、寝床の部屋の扉は閉じて、鍵がかかった状態だったという。
出典
『事故の経過』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kagoshima/20181009/5050004601.html
10月9日17時28分に朝日新聞からは、当日はトラの絶食日だったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
9日に記者会見した同園飼育展示課の福守課長は、「事故当日の8日は、トラの絶食日だった」と話した。
福守課長によると、園では、毎日食事ができるとは限らない野生のトラの生活に合わせて、消化器官への過度な負担を避けるために、週に1度、トラにエサを与えない「絶食日」を設けているという。
園では毎週月曜日が「絶食日」で、古庄さんを襲ったとみられるホワイトタイガー「リク」を含むトラには、8日もエサを与えていなかったという。
リクは2013年に園の中で生まれ、普段は食肉用に加工された馬肉や鶏肉を与えられていた。
園は、「絶食日と今回の事故の因果関係はわからない」としている。
出典
『「事故当日はトラの絶食日」 飼育員死亡、動物園会見』
https://www.asahi.com/articles/ASLB95GC5LB9TLTB015.html
10月9日13時45分に西日本新聞からは、古庄さんの経歴などが下記趣旨でネット配信されていた。
同園のホワイトタイガーは4頭で、飼育室で1頭ずつ展示していた。
亡くなった古庄さんは、ホワイトタイガーの寝室への収容や閉園時の清掃などの作業を、普段から1人で担当していた。
目撃者や悲鳴を聞いた人はいないという。
ホワイトタイガーを飼育している福岡県大牟田市動物園によると、2011年に飼育員がライオンにかまれてけがをした事故を受け、獣舎の清掃などは必ず2人一組で作業するよう徹底している。
猛獣の飼育に関するマニュアルやルールなどの規定はなく、各園でやり方は異なるという。
古庄さんは熊本県阿蘇市の動物園「阿蘇カドリー・ドミニオン」で05年から15年まで勤務し、クマの飼育などを担当していた。
一緒に働いたという職員は、「クマのことで分からないことがあったら古庄さんに聞けと言われるぐらい頼りにされ、動物好きな方だった。こういったことになり、言葉がない」と話した。
古庄さんは16年4月に平川動物公園に転職し、当初から猛獣を担当していた。
出典
『なぜトラと同じ空間に 「原因分からない」 園長「仕事熱心で優秀な職員」死亡の古庄さん』
https://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/456146/
(2/2へ続く)
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。