2018年10月11日0時21分に産経新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
台風接近を受けて鉄道各社が事前に電車の運転を取りやめる「計画運休」が広がり、10日には、初の検証会議が国交省で開かれた。
9月末に上陸した台風24号では、JR東日本が首都圏で初めて実施、周知の遅れや運行再開時の混乱などもあったが、一定の成果を挙げた。
専門家は、「社会全体で新たな基準を考えるべきだ」と指摘する。
台風24号は9月30日夜に和歌山県に上陸、列島を縦断した。
9月上旬の台風21号でも計画運休したJR東海やJR西日本は、前日から、新幹線や在来線の運休見通しを次々と公表。
30日正午過ぎにJR東も、午後8時から首都圏の在来線全線で計画運休すると発表、商店や飲食店は次々と閉店した。
総務省消防庁によると、台風の死者は21号が14人(10月2日現在)、24号が3人(同5日現在)。
広範囲で計画運休が行われた24号では人的被害が最小限に抑えられ、対策が奏功したとみられる。
民間調査会社「サーベイリサーチセンター」(大阪)が、台風21号でJR西などが行った計画運休について大阪市在住の303人に調査したところ、72.9%が「混乱や危険を避ける上で必要」と、好意的な回答を寄せた。
一方、初となった首都圏の全面計画運休では、混乱も生じた。
JR東は施設の安全確認に手間取り、翌1日の始発から運休や遅れが発生。
32もの駅で、朝から入場が制限された。
周知期間が半日足らずだったため計画運休に気付かず、帰宅できなくなった人もいた。
工学院大の高木亮教授(電気鉄道システム)は、「前日夜か、当日早朝までに周知すべきだった。運行再開時のトラブルも、ある程度想定できたはずで、それを見越した情報提供をすれば、混乱を回避できた」と、JR東に見通しの甘さがあったと指摘する。
台風や豪雨の際、日本では、どの段階で活動を中止するかは、鉄道に限らず、事業者が主体的に判断するが、経済活動や生活に与える影響が大きいため、難しい判断を迫られる。
香港では台風の際、香港天文台が「シグナル」と呼ばれる数字で1、3、8、9、10の5区分の警報を発令する。
最低の1が「警戒準備段階」で、3の「強風警告段階」では幼稚園が休園、船便も欠航になる。
8は「暴風シグナル」などと呼ばれ、学校は休校、商店や会社などが軒並み自主休業して、公共交通機関もストップ。
9、10では、都市機能がほぼ停止する。
高木教授は、「計画運休しても利用者が納得するのはどんな場合なのか、社会全体による議論が不可欠だ」と話した。
出典
『JR東の計画運休、新たな基準模索 「周知早め混乱回避を」』
http://www.sankei.com/affairs/news/181011/afr1810110001-n1.html
10月10日23時45分に産経新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
9月末に日本列島を縦断した台風24号を受けて、事前に運行を止める「計画運休」に初めて踏み切ったJR東日本が、運転を再開した10月1日朝、首都圏の計32駅で、乗客が殺到したため入場規制を行っていたことが分かった。
国交省が10日に初開催した計画運休の検証会議で報告された。
計画運休をめぐっては、駅の混乱や駅間で車両が立ち往生する事態が避けられる一方、周知の遅れや、運行再開時に運休や遅延が発生するなど、課題も出ている。
会議は非公開で行われ、JR6社と大手私鉄16社の計22社が出席。
計画運休を実施する際の留意点や再開時の安全確認、乗客への情報提供のあり方について意見交換した。
国交省は、今回出された各社の意見を集約し、近く公表する方針。
国交省によると、台風24号では、東武鉄道、京成電鉄、京急電鉄、西鉄を除く18社が計画運休を実施。
JR東が当日昼に運休を決めたことには「(周知期間が短く)乗客に伝わりきらなかった」、首都圏で運転再開時に混乱が起きたことについては「安全確認した上で再開すると伝えたつもりだったが、『翌日は通常運転』と受け取られてしまった」と、それぞれ反省点が出た。
出典
『台風24号翌朝、JR東の32駅で入場規制 国交省が検証』
http://www.sankei.com/affairs/news/181010/afr1810100035-n1.html
10月12日12時0分に時事ドットコムからは、意見交換の概要が中間まとめという位置づけで公表されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
国交省は12日、検討会議での意見交換の概要を取りまとめ、公表した。
大型台風の接近、上陸などのケースでは、安全確保の観点から「路線の特性に応じて、計画運休は必要と考えられる」と、認識を共有したという。
取りまとめられた概要では、利用者への情報提供として、計画運休の可能性や開始時期について「極力前に広く公表する」とし、「可能性があることを事前にアナウンスするだけでも効果的」と指摘した。
また、計画運休実施後の運転再開については、「安全が確認された後に再開することを明確に伝える」と強調。
情報提供の方法として、ウェブサイトやSNSなどの手段を活用するほか、多言語での発信も積極的に実施するとした。
出典
『「鉄道の計画運休は必要」=事業者と認識共有-国交省』
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018101200525&g=soc
(2/2へ続く)
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。