2021年6月11日7時28分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
停電発生時に警備員が出動せず、取水ポンプなどが停止したため、陸上養殖のヒラメやトラフグの稚魚計約10万5000匹が全滅したとして、長崎県漁業公社(長崎県佐世保市)が警備大手「セコム」(東京)を相手取り、約760万円の損害賠償を求める訴えを長崎地裁佐世保支部に起こしたことがわかった。
提訴は5月22日付。
訴状によると、公社は2015年から同社と契約。
同社は養殖場の防犯警戒や停電の監視業務を行うことになっていた。
昨年9月の台風で養殖場が停電になった際、同社の担当者は公社職員に電話し、停電の発生と警報装置をリセットする旨を伝えたが、現場には出動しなかった。
警報装置のリセットは現地での操作が必要なため、公社側は警備員が出動していると考えたという。
翌朝出勤した公社職員が、停電で取水ポンプなどが停止し、全ての稚魚が死滅していることに気づいた。
公社側は「警備員が出動し、停電が続いているとの報告があれば、非常用電源を使うなどの緊急対応ができた」と主張。
セコムは「係争中のため、コメントは差し控える」としている。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20210610-OYT1T50180/
6月11日20時11分に毎日新聞からは、これまで停電発生時は警備員が現地に駆け付けていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
訴状によると、2020年9月2日夜、稚魚を養殖している佐世保市内の県漁業公社の事業所で台風による停電が発生。
セコムの警備員は事業所長に停電の発生を連絡し、現地での操作が必要な警報盤をリセットすると伝えた。
このため所長は自宅待機を続けたが、実際は警備員は出動していなかった。
翌朝、所長が出勤すると、停電が解消されないまま取水ポンプなどが停止しており、稚魚が酸欠で死滅していたという。
県漁業公社は15年にセコムと契約し、同社は事業所の停電の監視業務などを担っていた。
公社は「これまでも停電が発生した際は警備員が現地に駆けつけていた」とし、今回も「警備員が出動し、停電が継続していると電話をかけてくれれば緊急対応が可能だった」と主張している。
https://mainichi.jp/articles/20210611/k00/00m/040/265000c
6月12日8時32分に朝日新聞からは、警備員からその後の連絡はなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
訴状によると、2020年9月2日夜、佐世保市の矢岳事業所で台風による停電が起きた。
セコムの警備員は、自宅にいた所長に電話で「停電で異常警報が出ているのでリセットする」と伝えた。
所長は、警備員が事業所に駆けつけたと思っていたが、実際は出動していなかった。
その後の連絡もなかったため、停電も復旧したと誤信した。
だが停電は続き、4時間しかもたない非常用電源の燃料も補充できなかった。
3日朝に出勤すると、ヒラメなど養殖の稚魚10万5千匹が酸欠で死滅していたという。
公社側は「警備員が現場に駆けつけて停電が続いていることを所長に伝えていれば、所長は非常用電源の燃料補充などの対応ができた」と主張。
ヒラメの死滅分の損害を求めている。
https://www.asahi.com/articles/ASP6C74S5P6CTOLB005.html
(ブログ者コメント)
過去の停電時には警備員が現地に駆け付けていたということだが、その際、警備員からリセット終了し復旧した旨、公社側に報告されていたのだろうか?
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。