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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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2015720日付で毎日新聞東京版から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

720127分に朝日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。

19日午後4時40分ごろ、静岡県西伊豆町一色で、川遊びなどをしていた子ども2人を含む男女7人が感電し、病院に搬送された。

うち、川崎市宮前区の男性(42)ら男性2人が死亡し、8歳の男児と42歳の女性の2人が重症となった。
川岸に設置された動物よけの電気柵の電線が原因になった可能性もあるとみて、警察が調べている。

警察によると、川で遊んでいた男性と男児2人が感電。
叫び声に気付いて助けに向かった4人も、次々と感電したという。
柵に電気を送るための電線の一部が切れて、川の中につかっていた。

事故があった電気柵は幅約10m、高さ約1m。アジサイをシカなどから守るために、川岸から約1m離れた斜面に設置されていた。

電気柵は、田畑や牧場などで野生生物の侵入を防いだり、家畜の脱走を防いだりするために設置される。
近年は、野生生物が農作物を食い荒らす被害を防ぐために広く使われており、インターネットでも多くの種類が販売されている。
ただ、高圧電流で電気刺激を与える仕組みであるため、経済産業省や業界団体は設置に関する基準を設けるなど、安全面への注意を呼びかけている。

業界団体「日本電気さく協議会」のホームページによると、2009年8月、兵庫県南あわじ市で、家庭用電源から直接電気を流していた電気柵に感電し、男性が死亡する事故が起きている。

こうした事故を防ぐため、電気事業法などで感電防止の措置が定められている。
人が容易に入れる場所に設置する際は、「感電注意」などと表示することになっているほか、家庭用の100ボルトの電源から直接、電気柵に電流を流すことは禁じられている。

業界団体などは、電気柵に電気を引く際は、人体に影響を与えない程度に電流を小さくするなどの機能がある専用の電源装置の使用を求めている。
市販されているが、インターネット上には、自作の方法を紹介するページもある。

近所の男性(70)は、電気柵について「仮に触っても、普通はびりっとくる程度の電気の強さ。なぜこんなことになったのか」と話した。


出典URL

http://mainichi.jp/shimen/news/20150720ddm041040236000c.html 

http://www.asahi.com/articles/ASH7M666TH7MUTPB01G.html

 

 

以下、続報のポイントのみ記す。

 

721054分 朝日新聞)

最初に男児1人が土手に設置された動物よけの電気柵に触れて感電し、助けようとした大人らが次々に感電した可能性が高いことが20日、捜査関係者への取材でわかった。
男児がやけどなど左手に大けがをしていたことや目撃証言から、県警が判断した。

http://www.asahi.com/articles/ASH7N52C6H7NUTIL014.html


72210分 毎日新聞)

電気事業法で30ボルト以上の電源を使用する電気柵に義務付けられた漏電遮断装置が付いていなかったことが、静岡県警への取材で分かった。
県警は、現場での通電実験で切れた電線が川の中でも漏電し続けることを確認。
遮断装置がなかったために、被害が拡大した可能性もあるとみて、調べている。

電気事業法に基づく省令は、家庭用コンセントから電気を引く場合、15ミリアンペア以上の漏電が起こると0.1秒以内に遮断する装置を設置するよう定める。
業界団体によると、装置があれば、柵の電線が切れた後に電気が流れ続けることはないという。

高橋健彦・関東学院大教授(建築電気設備学)によると、電気が体に与える影響は、電流の大きさと流れた時間による。また、心臓を通ると危険だ。さらに、体がぬれていると電気抵抗が下がるので、乾いているときより大きな電流が流れて危険性が増す。

家庭用電源のブレーカーが落ちるのは、10〜60アンペア。
国際電気標準会議によると、体に10ミリアンペアの電流が2秒以上流れると、筋収縮や呼吸困難が起きる恐れがある。
また、50ミリアンペアの電流が1秒を超えて流れると、心室が細かく震えて収縮しなくなる心室細動が起き、死ぬ場合もある。

高橋教授によると、体が電気柵に直接触れなくても、電線が川につかって電気が流れていれば、負傷や死亡につながる可能性があるという。

1977年には東京都内で、自宅のコンセントから電気を取っていた庭の池の水銀灯が漏電し、池に落ちた7歳の女児と、助けようとした女性が感電死した事故も起きている。


http://mainichi.jp/select/news/20150722k0000m040107000c.html

 

7221833分 読売新聞)
死亡した2人の左手のひらに重いやけどの痕があったことが22日、捜査関係者への取材で分かった。
県警は、2人が直接電線を触り、感電による心停止が原因で亡くなったとみて、同日、司法解剖して詳しい死因などを調べる。

http://www.yomiuri.co.jp/national/20150722-OYT1T50116.html?from=y10 


7241441分 静岡新聞、723940分 NHK静岡)
男性が、住居の漏電遮断器が作動することによる停電を避けるため、農機具小屋に変圧器を設置していた可能性のあることが24日、関係者への取材で分かった。
事故当時、住居の漏電遮断器は作動していなかったという。

関係者によると、男性が使用した変圧器は「絶縁トランス」と呼ばれる種類の器具だった。
絶縁トランスは通常、病院の集中治療室(ICU)や手術室などの「医療用コンセント」に利用され、配電盤の漏電遮断器による一斉停電を回避している。

男性は、住居の配電盤から農機具小屋に引き込んだ家庭用コンセント(100ボルト)から電源を取り、途中、変圧器を介して電圧を440ボルトに引き上げ、事故のあった場所のほか、裏山の畑など総延長300mの電気柵に電気を供給していた。
警察は、遠くの電線に一定の電気を流すため電圧を高くした可能性もあるとみて、詳しく調べている。

こうした複雑な配線は、所有者が自分で行っていたという。

http://www.at-s.com/news/detail/1174217186.html
http://www3.nhk.or.jp/lnews/shizuoka/3033557411.html?t=1437685256997


7242251分 朝日新聞)
男性(79)の妻が24日、取材に対し「(夫は)いつも朝、出かける時には電源を切っていた。その日に限って切り忘れた」と話した。
男性は普段、納屋の中にあるコンセントからプラグを抜き差しして使用していたとみられる。

http://www.asahi.com/articles/ASH7S5J6NH7SUTIL045.html


724236分 毎日新聞)
妻は、「(夫は)昔は電気関係の仕事をしていたから、電気柵は配線も含め全部、本人が設置した」とも話した。

http://mainichi.jp/select/news/20150725k0000m040121000c.html

 

 

 

(関連情報)

722日 産経新聞west)

感電事故」の「電気柵」年1万キロ、爆発的に普及…届け出不要、実態つかみ切れず

http://www.sankei.com/west/news/150722/wst1507220116-n1.html

 

 

 

 

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化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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