2017年6月30日19時17分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
国内大手の原薬メーカー「Y化学工業」(和歌山市)が、解熱鎮痛剤に中国製を無届けで混入させていた問題を受け、厚労省は30日までに、原薬メーカーなどに立ち入り検査をする際には原則的に無通告で実施するよう、各都道府県に通知を出した。
この問題では、Y化学工業が国の審査を経ないまま、2009年2月からアセトアミノフェンに安価な中国製を混入するなどしていた。
和歌山県などは、会社側に通告した上で立ち入り検査をしていたが、不正は見つからず、今年5月下旬、無通告での立ち入り検査を実施したことで判明した。
これまでの厚労省通知は、組織的な隠蔽を防止するため、「必要に応じて、無通告での立ち入り検査を実施」としていた。
今回の通知では、原薬メーカーなど影響が大きい企業は、優先順位を決めた上で、原則的に無通告での立ち入り検査を実施するよう、明記した。
和歌山県などの調査では、抗てんかん薬の成分ゾニサミドの製造で、同社が使用する薬剤を無届けで変更していたことも発覚。
県は28日、医薬品医療機器法に基づき、22日間の業務停止命令と業務改善命令を出した。 (共同)
出典
『厚労省 立ち入り検査は無通告で 和歌山・中国製混入受け』
https://mainichi.jp/articles/20170701/k00/00m/040/033000c
事件のあらましは、2017年6月22日14時45分に朝日新聞から、下記趣旨でネット配信されていた。
多くの風邪薬で使われている解熱鎮痛剤のアセトアミノフェン(AA)製造で国内最大手の原薬メーカー「Y化学工業」(和歌山市)が、自社で作ったAAに安価な中国製AAを無届けで混ぜて水増しし、製薬会社に出荷していたことがわかった。
医薬品医療機器法(薬機法)違反にあたり、厚労省が5月に立ち入り調査を実施。
指導権限を持つ和歌山県が近く、処分する方針だ。
民間調査会社によると、国内でAAを製造しているのは2社で、Y化学が国内シェアの約80%を占めている。
AAを仕入れた製薬会社が調合して風邪薬をつくり、病院で渡される薬や市販薬として広く販売している。
厚労省の立ち入り後、同社はAAのほか、全製品の出荷を自粛している。
関係者によると、Y化学は米国産の原料などを使い、和歌山市内の工場でAAを製造している。
しかし、これとは別に中国で作られた安価なAAを輸入し、自社で作ったAAに混ぜて出荷していたという。
費用を節減し、生産量を上げるためとみられる。
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出典
『風邪薬成分、中国産で水増し 国内最大手』
http://digital.asahi.com/articles/ASK6Q2HSGK6QUBQU002.html?rm=469
6月23日13時56分に朝日新聞からは、立ち入り検査の連絡を受けると中国製AAを倉庫に隠し、製造記録を偽造していたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
同社が、和歌山県による定期的な立ち入り検査などの際、中国製AAを隠したり製造記録を偽装したりしていたことが、同社関係者の証言でわかった。
こうした行為は医薬品医療機器法違反にあたり、県がY化学から事情を聴くなど、調査を進めている。
製薬会社への指導権限は都道府県にあり、和歌山県は2年に1回、定期的に立ち入り検査をして、違法行為がないか点検している。
また、山本化学からAAを仕入れている製薬会社も、品質チェックのために同法に基づいて現地監査をする。
Y化学の関係者によると、同社では2階建ての工場に設置してある約2000ℓの釜でAAを作っているが、AAが出来上がったあと、釜の上部から中国製AAを入れて水増しし、混ぜていたという。
中国製AAはドラム缶のような容器に入れ、普段は工場隣の倉庫に保管している。
これを一定量ごとに工場に移し、混入していた。
しかし、県の立ち入り検査などの予定が事前に連絡されると、前日夜か当日朝に工場内に残る中国製AAを倉庫に戻し、倉庫の鍵を閉めていた。
検査では、中国製AAの存在は明かしていなかったという。
さらに、普段は製造記録をほとんど付けていなかったが、立ち入り検査などの際には事後的に作成した記録を示し、普段から付けていたように装っていたという。
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出典
『検査で中国製隠す 製造記録も偽装 風邪薬混入』
http://www.asahi.com/articles/ASK6R4J3DK6RUBQU00L.html
(2017年8月17日 修正1 ;追記)
2017年8月15日20時12分に産経新聞westから、9年前の別製品試作が進展せず中国産AAが13トン残ったため、在庫処分として自社製品に混ぜたことが発端だったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
8月16日0字23分にNHK関西からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
同社が不正の動機について、「別製品の試作で使った中国製AAが約13トン残り、在庫処分するためだった。経営者が利益の確保を優先させた」と和歌山県に報告していたことが15日、同県への取材で分かった。
県薬務課によると、同社は県に提出した改善計画書で「平成20年に中国製AAを使う製品製造の計画があった」と説明。
ところが計画は進展せず、中国製AAが約13トンも余ったため、当時の製造管理責任者が在庫処分方法として、自社製のAAに中国製AAを混ぜ始めたという。
出典
『中国製混入、動機は「在庫処分」 大手原薬メーカー「山本化学工業」が和歌山県に説明』
http://www.sankei.com/west/news/170815/wst1708150075-n1.html
『中国製混入 “在庫処分のため”』
http://www.nhk.or.jp/kansai-news/20170816/3070952.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。