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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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201634日付の第4報修正7がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第5報修正8として掲載します。

第4報は下記参照。

http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/5700/

 

 

(2017年12月26日 修正8 追記;)

 

201712191336分に朝日新聞から、窒素注入マニュアルの作成経緯や米国関連工場から窒素注入の危険性がメールされていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

約4年にわたった県警の捜査が終結した。

 

同社がまとめた事故調査報告書に記載されていない新たな事実も分かったが、刑事責任を問うのは困難との判断に傾いた。

 

・・・・・

 

作業員はマニュアル通り、洗浄前の準備作業を進めた。

内側に付着したシリコンの化合物から燃えやすい水素などが出るのを抑え、水素爆発を防ぐため、ふたを開ける前に、水を含ませた窒素と乾燥させた窒素を順番に注入した。

 

だが、水素爆発を念頭に置いた、この「安全対策」が裏目に出た。

この過程で、業界でもあまり知られていない化学物質が生成され、爆発の引き金になった。

 

水を含ませた窒素を注入した際、水分が化合物と反応して爆発しやすい危険な物質に変化。

この物質は、低温状態で反応したり、反応した後に乾燥状態に陥ると、さらに爆発威力が高まる。

 

こうした危険な状況に気づかないまま、作業員らがふたを開け、その振動で発火し爆発に至った。

 

爆発の引き金になったこの物質について、調査委員会は「公知の科学的情報がないこともあり、適切な安全対策について検討することができなかった」と結論づけた。

 

なぜ、窒素を注入する手順がマニュアル化されていたのか。

捜査関係者によると、過去に起きた発火事故がきっかけだった。

 

10年2月に冷却器を洗浄する際に残留物が発火し、作業員1人がやけど。

当時の幹部は、この事故を水素爆発だったと判断し、対応策をまとめた。

 

11年3月にも、冷却器の洗浄作業中に内部の残留物が発火して3人がやけどし、この手順を徹底させたという。

 

・・・・・

 

捜査関係者によると、四日市工場と同じ工程で高純度シリコンを製造する米国の関連工場で、13年夏ごろ、爆発事故があった。

シリコンに熱を加える炉のメンテナンスのため空気を流し込んだところ、内部の残留物が爆発し、炉のふたがひっくり返ったという。

 

原因を調査した米工場の幹部は、炉に残留していたシリコンの化合物が空気中の水分と反応し、危険な物質に変化して爆発したと推定。

四日市工場でも、それまで冷却器の事故が相次いでいたことから、当時の四日市工場長と副工場長ら宛てに「四日市工場で起きた事故は水素爆発ではなく、この物質が原因ではないか」、「シリコンの化合物に水分を加え、その後に乾燥させると危ない」などとメールを送っていたという。

 

14年1月の事故は、そうしたメールのやり取りのさなかに起きた。

 

・・・・・

 

県警は、10年と11年に起きた事故も、水素爆発ではなく、シリコンの化合物による発火事故だった可能性があるとみて捜査。

当時の工場長らがメールの内容や過去の事故を検証し、手順を見直していれば事故を防げたとみて調べた。

 

ただ、米工場では、事故原因となった物質を採取しての調査まではしておらず、四日市工場の原因物質とまったく同じとは確認できなかった。

 

専門家の中には、「過去の発火や爆発は機器の種類が異なっており、規模も小さかった。これほどの大きな爆発までは予見できなかった」との意見があった。

 

出典

『爆発は「想定外」、三菱マテ事故 刑事責任追及も困難』

https://www.asahi.com/articles/ASKDD51RVKDDOIPE01J.html 

 

 

12262043分に日本経済新聞からは、幹部2人は不起訴になったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

津地検は26日、業務上過失致死傷の疑いで書類送付されていた当時の工場幹部2人を嫌疑不十分で不起訴処分とした。

 

捜査関係者によると、2人は当時の工場長(60)と副工場長(58)。

小島次席検事は、「過失を認めるに足りる証拠がなかった」と説明している。

 

三重県警は、洗浄に使う加湿窒素ガスにより、熱交換器内部に付着した塩素や水素の化合物が低温下で加水分解され、その後、ドライ窒素が入れられたことから乾燥状態となって爆発しやすくなり、わずかな衝撃で爆発が起きたと結論付けた。

 

県警が、元工場長らの安全管理が十分だったかや、予見可能性の有無について捜査。

専門家への聴取で「予見は困難だった」との見解が示され、5日に、起訴を求めない意見を付け書類を送っていた。

 

同社が設置した事故調査委員会も、「(爆発の原因物質について)公知の科学的情報がなく、知見が不足していた」との最終報告書をまとめていた。

 

出典

三菱マテ爆発で不起訴 元工場長ら2人、津地検

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO25102980W7A221C1CN8000/ 

 

 

 

 

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魚田慎二
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自己紹介:
化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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