2019年12月21日に掲載した元記事がブログサイト運営会社の字数制限に抵触しましたので、ここに新情報を第5報として掲載します。
第4報は下記参照。
https://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/10287/
(2020年11月6日 修正7 ;追記)
2020年10月30日10時17分に沖縄タイムスからは、再発防止検討委員長は文化財の警備を指定管理業務とすることに疑義を呈しているなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
首里城の防火や管理体制を話し合う県の第三者委員会「首里城火災に係る再発防止検討委員会」の阿波連光委員長(弁護士)は29日までに本紙取材に、「替えが効かない文化財の警備を、今後も効率化やコストダウンを前提とした指定管理業務としていいのか」と述べ、管理体制の抜本的な見直しを議論する必要性に言及した。
■指定管理業務でいいのか
同委員会が9月にまとめた中間報告では、火災報知機の発報が遅れ、早期発見に至らなかったと指摘。
遠隔警備会社から消防へ通報したため、火災の発生場所など消防が火元へ急行するのに十分な情報が不足し、さらに城郭内に入る門扉が施錠されたままで、放水開始が遅れたと結論付けた。
委員らは10月24、25日に姫路城、清水寺などを視察した。
兵庫県の姫路市が管理する姫路城では、火災報知機の感知が姫路市消防局へ、感知場所も含めてリアルタイムで共有される。
阿波連委員長は、姫路城と比べて「首里城(の警備体制)は消防との連携が相当甘かった」と述べた。
姫路城の警備は姫路市の職員が担い、市の管理条例や防火管理規則で管理方法、訓練の回数などを定めている。
首里城の場合は、所有者の国から県に管理が移管され、県は指定管理者の財団に管理を委託。
警備は財団が警備会社に委託している。
阿波連委員長は、「誰がどこに責任を負うのか不明確だった」と指摘。
もうけが出ない警備や防災も含めて指定管理の体制でいいのか、県で担う方がいいのかどうか、今後の委員会で議論するとした。
■責任を分かりやすく
その他、視察した京都市の清水寺は、過去10回の火災で焼失し、約400年前に再建。
長い歴史の中で防災のノウハウが培われ、火災時の門の解錠など詳細な動きが決まっていたという。
首里城は、ノウハウが伝承されず「普通のビル管理と同じ発想で管理をしていたのではないか」と推察した。
木造建築などで城壁に囲まれた首里城は、もともと燃えやすく消火しにくい。
再建に向けて「ハード面では早期発見と初期消火がやりやすい仕組み、ソフト面では責任を分かりやすくすること」を求めた。
首里城は「400年、500年先まで残れば、もっとすごい世界遺産となるだろう」と期待。
そのためには、税金で賄う警備や防災費用がかさむ。
「自分たちの宝を自分たちで守るという強い気持ちが大切だ」と述べ、県民が一緒に防災を考え、協力する必要性を訴えた。
委員会は、視察の結果などを反映させた再発防止の方向性をまとめた最終報告書を来年3月ごろ県へ提出。
県は、21年度から具体的な管理体制の構築に取り組む。
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/655778
10月31日15時31分に琉球新報からは、出火原因不明のまま警察も消防も調査を終えたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
首里城火災の出火元は電気系統設備が集中していた正殿北東側とみられているが、原因は不明のまま、県警も那覇市消防局も捜査・調査を終えた。
原因を解明できなかった理由として、火災が長時間続き、火元とみられる正殿北東が焼き尽くされたからだとされる。
県警と市消防は現場で採取した銅線などを検査機関で鑑定したが、有力な物証を得られなかった。
県警は正殿周辺の監視カメラ画像を確認したが、放火など人為的な要因は見つけられなかった。
結果、火災につながる重大な過失を確認できなかったとし、誰も刑事責任に問えないと判断した。
首里城火災の再発防止策を協議する第三者委員会「首里城火災に係る再発防止検討委員会」(委員長・阿波連光弁護士)は9月、中間報告をまとめた。
報告では、火災当日は深夜までイベントの準備作業が行われていたが、業者らは奉神門や南殿から電源を引いていたので、火災原因の可能性は低いとした。
その上で「(正殿北東にあった)配線またはコンセントなどからの出火、あるいは配電盤の老朽化などを原因とする漏電火災が考えられる。電気関係設備が出火原因の可能性は否定できない」と判断した。
報告では再発防止策として、ハード(建築物・設備)とソフト(管理・運用)が密接に連動した、総合的な防止策の検討などを求めた。
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1217526.html
(2021年4月1日 修正8 ;追記)
2021年3月31日7時9分に沖縄タイムスからは、城郭の内外で設置者が違うため防災体制が一本化されていなかったなどと指摘した最終報告書が提出されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
建築物の構造や施設の管理体制、日常の訓練や関係機関の連携など、さまざまなレベルの問題点が幾重にも重なって火災を拡大させ、正殿などの焼失を防げなかったことが、県の第三者委員会の調査で明らかになった。
首里城火災を受けて設置された再発防止検討委員会(委員長・阿波連光弁護士)は、最終報告書を県に提出した。
問題をややこしくしているのは、首里城公園の場合、城郭内と城郭外では公園の設置者が異なるため、設備が連関していないことだ。
出火当時、首里城公園には警備会社の警備員5人と設備会社の監視員2人の計7人が勤務していた。
警備員と監視員は、城郭内の国営公園にある中央監視室(モニター室)と、城郭外の首里杜館にある中央監視室、防災センターなど、4カ所に配置されていたという。
モニター室と防災センターで火災情報を自動的に伝達する仕組みはなかった。
出火してからしばらくの間、火災に気付かず、仮眠を取っていた監視員もいた。
指揮命令系統が不明確で、警備員および監視員の動きが統率されておらず、城郭内と城郭外の防災設備面の連携が取れていなかった、と報告書は指摘する。
首里城はもともと、建築物の構造上の特性や立地上の制約から、消火活動面で弱点を抱えていた。
短時間で火災が広がった大きな要因はそこにある。
その上に、さまざまなマイナス要因が重なり、延焼拡大を招いてしまったのである。
首里城公園は、管理体制も複雑だ。
正殿などのある城郭内の場合、国が県に管理を許可し、県が沖縄美ら島財団に指定管理を任せ、財団が常駐警備会社、遠隔警備会社、設備会社に、それぞれ業務を委託している。
管理体制が複雑で、一元化されていないため、責任の所在もあいまいになりがちだ。
人気のない夜間の消防計画については、施設の整備というハード面だけでなく、要員配置の在り方や教育訓練などソフト面の強化が欠かせない。
この際、県に提案したいのは、最終報告書の中でも触れられているが、防災センターの機能を一元化し、業務全体を統括する責任者を置くことである。
消防に電話連絡するのではなく、火災探知時の情報が自動火災通報装置によって瞬時に消防に届く仕組みが不可欠だ。
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/730230
3月30日16時51分にNHK沖縄からは、仮眠をとっていた監視員は出火後30分ぐらいして火災に気付いたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
最終報告によりますと、火災が起きた当時、警備員と監視員、合わせて7人は首里城公園の4か所に配置されていましたが、このうち防災センターの機能がある3か所の間で、火災の情報が相互に自動で伝達されるシステムになっていなかったということです。
この結果、火災の情報が7人の間で速やかに共有されず、出火から30分近くが経過した午前3時ごろまで火災に気づくことなく、仮眠をとっていた監視員がいたとしています。
こうしたことから最終報告では、防災センターの機能を一元化し、防災業務全体を統括する責任者を置くなど、管理体制を見直すよう求めています。
一方、出火原因は不明としながらも、「正殿1階北東側の分電盤につながっていた電気設備、または電気機器のいずれかによるトラブルの可能性が否定できない」と結論づけています。
第三者委員会の委員長を務める阿波連光弁護士は、記者会見で「首里城公園が、もともと国営部分と県営部分に分かれていたことが、すべての始まりで、管理体制をバラバラに構築したのがよくなかった。今後は、一元化した防災センターを整備して、取り組まないといけない」と述べました。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/okinawa/20210330/5090013653.html
3月30日19時23分に時事ドットコムからは、報告書には今後も消失リスクがあると記されているという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
「再築しても火災に弱い性格は基本的に同じで、今後も焼失リスクがある」として、再建後も継続して防災設備を強化するよう求める報告書をまとめた。
報告書は首里城正殿について、国内の他の城郭と違い、土壁やしっくいなど防火効果のある素材が使用されていない木造で、一度出火すると燃え広がりやすいと指摘。
「建築基準法や消防法を満たす(消火)設備があっても十分ではない」と強調した。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021033001085&g=soc
3月30日19時40分にFNN PRIME(沖縄テレビ)からは、警備会社を経由して119番通報されたため消防は詳細情報を得られなかったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
報告書では、出火元となった正殿内の火災報知器が「熱感知式」であったため、出火を感知するまでに一定の時間を要したことや、119番通報が現場の警備員ではなく警備会社を経由したため「どこから出火しているのか」消防が詳細な情報を得る事が出来なかったと指摘している。
https://www.fnn.jp/articles/-/162666
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。