2015年10月13日18時54分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
海上自衛隊が艦船に配備している「膨張式救命胴衣」の状況を会計検査院が調べたところ、約6000着分の点検が不十分だったことが分かった。
海自が点検方法を定めた説明書を配布していなかったことが原因という。
検査院は、各部隊に説明書を配布し、適切な点検を指導するよう改善を求めた。
海自は、「速やかに対応したい」としている。
検査院によると、膨張式救命胴衣は、着用者が海中に落下したり作動レバーを引いたりすることで、ガスが出て膨らむ仕組み。
海自は、目視のほか、ガス漏れの有無を見る「漏えい試験」や、実際に作動させる「膨張試験」を行うと定めた説明書を作成していたが、配布していなかった。
そのため、艦船などの部隊に配備された膨張式救命胴衣の大部分に当たる6166着で、漏えい試験や膨張試験が全く行われていなかった。
こうした救命胴衣の帳簿上の価格は、計2億5626万円に上る。
海自によると、現在の膨張式救命胴衣の配備は1985年に始まっており、長年、点検が不十分だったとみられる。
実際の装備品の不具合は、確認されていない。
出典URL
http://mainichi.jp/select/news/20151014k0000m040029000c.html
10月13日17時6分にNHK NEWS WEBからも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
海上自衛隊が艦船に装備している救命胴衣について、全国の部隊に点検用のマニュアルの配布を怠ったため、20年以上にわたって必要な点検が行われず、緊急時に機能しないおそれがあることが、会計検査院の調べで分かった。
必要な点検が行われていなかったのは、横須賀など全国5つの海上自衛隊の地方総監部が管理している6100着余りの膨張式の救命胴衣。
艦船などに装備されるこの救命胴衣は、内蔵された炭酸ガスによって自動的に膨らむ仕組みになっていて、海上自衛隊は緊急時に機能するように、点検用のマニュアルで気密性の確認を3か月に1回、実際に膨張させる試験を1年に1回行うよう定めている。
ところが、会計検査院が調べたところ、海上自衛隊は、マニュアルを平成6年までに作ったものの、その後20年以上にわたって、艦船などの部隊に全く配布していなかったという。
この結果、各部隊はマニュアルの内容を把握できず、必要な点検が行われていなかったという。
会計検査院は、定期点検の重要性についての認識が欠けており、海中に転落するなどした隊員の命を守れないおそれがあるとして、改善を求めた。
これについて防衛省は、「これまでも、目視による点検などは行っていた。今後は、救命胴衣を適切に管理する体制を整えたい」としている。
出典URL
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151013/k10010268381000.html
(ブログ者コメント)
マニュアルについては、制定すべきものがちゃんと制定されているか?制定されたものが設備や作業方法の変更などによって現状にマッチしないものになっていないか?といった観点から、定期的に見直すことが大切だ。
社内で定期見直しをルール化している、あるいはISO監査などの機会に第三者にも確認してもらう、といったことを実施している企業も結構ある。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。