2020年6月4日19時5分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
福岡県内の元看護師の女性(79)が中皮腫を発症したのは、医療用のゴム手袋を再利用する作業でアスベスト(石綿)を吸入したのが原因だとして、久留米労働基準監督署が労災認定していたことが4日、関係者への取材で判明した。
支援団体「中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会」によると、同様の作業で医療従事者が労災認定されるのは全国で3例目。
医療用手袋は、かつて医療現場で広く再利用されていた。
一方、アスベストの関連疾患は潜伏期間が平均で35~40年と長く、同会は「今後、被害が広がる恐れがある」と注意を呼びかけている。
女性は1961~87年、福岡県内の病院に勤めていた際、1日約100枚、医療用のゴム手袋を再利用する作業を担当。
手袋を滅菌した後、手袋をくっつきにくくするため「タルク」と呼ばれる打ち粉をまぶす作業で、打ち粉に含まれるアスベストを吸い込んだとみられる。
タルクは粉末状の鉱石で、工業製品の製造やベビーパウダーなどにも使用されていたが、石そのものにアスベストが混入していることが発覚し、社会問題化。
2006年以降は、アスベスト含有量0・1%超のタルクは製造や使用が禁止されている。
厚生労働省によると、アスベストを含むタルクなどが原因で労災を認定された労働者は47人に上る。
製造業など40人、建設業7人で、ほとんどが中皮腫を発症したという。
女性は01年に定年退職。
17年10月、せきが止まらなくなり、中皮腫と判明した。
19年10月に労災申請し、今年2月、労災認定の知らせを受けた。
女性は、「同様の症状に苦しんでいる患者がいたら、早く被害に気づいてほしい」と話す。
相談窓口は支援団体「中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会福岡支部」(092・409・1963)。
https://mainichi.jp/articles/20200604/k00/00m/040/259000c
6月4日18時57分にNHK福岡からは、全国3例目ではなく4例目だという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
福岡県内に住む元看護師の女性が、がんの一種、「中皮腫」になったのは、手術用の手袋を再利用する際、アスベストが含まれるタルクという粉末をまぶす作業を長年行っていたからだとして、国から労災の認定を受けていたことが分かりました。
医療従事者がタルクによるアスベスト被害で労災認定を受けたのは全国で4件目で、九州沖縄では初めてだということです。
労災が認められたのは、福岡県内に住む79歳の元看護師の女性です。
女性は、昭和36年からあわせて23年間にわたり、県内の病院で手術用のゴム手袋を再利用するため、洗ったあとにタルクとよばれる粉末をまぶしてはめやすくする作業も行っていました。
当時、多いときには1日に100枚程度、作業をしていたということです。
女性は、3年前、アスベストが引きおこすがんの一種、「中皮腫」を発症したのち、タルクにアスベストが含まれていたことを知り、労災を申請したということで、ことし1月、国から労災を認められました。
アスベストによる患者を支援する「中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会」によりますと、医療従事者がタルクによるアスベスト被害で労災認定を受けたのは全国で4件目で、九州沖縄では初めてです。
支援団体は、かつて多くの医療現場でタルクをまぶす作業が行われていたため、関係者のアスベスト被害が懸念されるとして、注意を呼びかけています。
https://www3.nhk.or.jp/fukuoka-news/20200604/5010008157.html
(ブログ者コメント)
〇以下は、毎日新聞に掲載されていた作業再現動画の3コマ。
①タルクをパッドにとり、
②そこから小袋に詰め、
③その小袋で再利用手袋をはたき、タルクをまぶしていた。
〇本件、初認定は防府市の元准看護師、2例目は東大阪市の元看護師だ。
ともに本ブログで紹介スミ。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。