2015年6月10日付で朝日新聞静岡版(聞蔵)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
9日午後0時35分ごろ、磐田市の「S社」工場で爆発があり、工場の屋根の一部が吹き飛んだほか、気分が悪くなった男性従業員(32)が病院に搬送された。
周りの家屋や道路に油状のものが飛び散ったが、延焼はなかった。
警察が原因を調べている。
警察によると、スレート製の屋根が約30m2分、破損した。
工場内にある円筒タンク(高さ約4.5m、直径2m)で化学物質を合成していたところ、何らかの原因で温度が上がって内部の圧力が高まり、爆発したらしい。
工場では、当時、17人が働いていたという。
工場の担当者は朝日新聞の取材に、「潤滑油を造る過程で温度のコントロールが利かなくなり、タンクから吹きこぼれた」と話した。
この事故で、工場から東側約70mにある道路や住宅に異臭のする油状のものが飛び散った。
工場の従業員らが、油を吸い取るシートを広げて回収作業に追われた。
近くに住む女性(62)は、「トラック同士がぶつかったような『ドカン』という大きな音がした。外に出たら異臭がし、目やのど、鼻が痛くなった」と話した。
2015年6月9日19時11分にNHK静岡からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
9日午後1時前、磐田市にある「S社」の工場で、ナタネ油を原料にして工業用の潤滑油をつくるタンクから油が噴き出した。
この事故で、タンクの近くにいた30代の男性作業員が油と一緒に吹き出たとみられる水蒸気を吸い込み、気分が悪くなって病院に運ばれたが、命に別状はないという。
会社によると、タンクは油を熱するために使っていて、高さ3m、容量が7トンあり、ふだんは70℃から80℃で油を熱しているということだが、9日は何らかの原因で油の温度が上がり、タンクの中の圧力が高くなったのではと話している。
また、吹き出した油は屋根の一部を吹き飛ばして、工場の東側の住宅や道路に数10mの範囲にわたって降り注いだ。
このため、工場の従業員が出て、住宅や道路を洗剤やモップを使って油を取り除く作業を行った。
警察と消防でも、作業員から話を聞くなどして、なぜ事故が起きたか調べることにしている。
S社は、「周囲の皆さんを驚かせてしまい申し訳なく思う。原因を明らかにして再発防止に努めたい」と陳謝した。
出典URL
http://www3.nhk.or.jp/lnews/shizuoka/3035429331.html?t=1433884404322
6月9日19時32分に静岡第一テレビからは、若干ニュアンスの異なる下記趣旨の記事がネット配信されていた。
9日昼過ぎ、磐田市の化学工場で爆発事故があり、従業員の男性が煙を吸って病院へ搬送された。
爆発事故があったのは磐田市の「S社」工場で、午後0時50分ごろ、付近の人から「ドーンという音がした」と警察に通報があった。
爆発したのは植物油を取り扱う化学工場で、爆発によってスレートの屋根の一部が吹き飛んだ。
この事故で道路に油が飛び散るなど、付近への影響も出た。
従業員の男性1人が煙を吸って病院へ搬送されたが、命に別状はないという。
化学反応をさせる炉の温度管理を行っていた従業員が目を離したすきに爆発したということで、警察では、水蒸気爆発を起こしたとみて原因を調べている。
出典URL
http://www.tv-sdt.co.jp/nnn/news8808468.html
(ブログ者コメント)
NHKは、「爆発」という言葉を使っていない。
報道内容全般から考えると、「油が激しく噴出した」程度の現象だったのかもしれない。
(2015年6月21日 修正1 ;追記)
2015年6月10日付の静岡新聞に、下記趣旨の補足的記事が掲載されていた。
警察によると、爆発したのはプラスチックに柔軟性を与える「エポキシ系可塑剤」を製造していたタンク。
脂肪酸などの材料を化学反応させた際、タンク内の温度が上昇し、内圧が上がって爆発が起きたとみられる。
従業員の1人は、「70℃に保たれるはずが、気が付いたら制御できなくなっていた」と話しているという。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。