2014年2月6日18時56分にNHK津から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
三重県四日市市の石油コンビナートの化学工場で18人が死傷した爆発事故を受けて、三重県と四日市市は県内のコンビナート企業に対し、事故が起きた「熱交換器」と呼ばれる設備の安全対策を徹底するよう文書で求めた。
先月、「三菱マテリアル」の四日市工場で熱交換器と呼ばれる設備のメンテナンス中に爆発事故が起き、5人が死亡、13人が重軽傷を負った。
これを受けて三重県防災対策部と四日市市消防本部は、コンビナートにある化学工場や石油精製工場など39の事業所に対し、安全対策の徹底を求める文書を送った。
文書では、すべての熱交換器をリストアップし、保守点検の方法に危険性がないか再点検するよう求めている。
県などは今後、点検の結果を踏まえて聞き取り調査を行う方針。
三重県防災対策部の大薮・コンビナート防災監は「今回の事故では、熱交換器のメンテナンス手順が事前に十分に決められていなかったとみられる。企業には危険性を踏まえた手順になっているか再度チェックしてもらいたい」と話していた。
出典URL
http://www.nhk.or.jp/lnews/tsu/3075046531.html?t=1391720007191
ちなみに、県などから出された要請文書は下記。
http://www.pref.mie.lg.jp/TOPICS/201402009220.pdf
当該文書中の要点は以下のとおり。
○同種事故の再発防止は極めて重要。そのためには清掃、保守点検時等非定常作業時の危険性や有害性について再評価し事前の対策(低減策)を講じる必要がある。
○消防法や高圧ガス保安法にかかわらず、熱交換器(不活性の流体及び熱冷媒を除く)についてリストアップ願う。
○熱交換器のリストアップ項目例
流体、熱媒種類、付着物の特定、保守点検清掃時の発生物質(反応して生成されるもの含む)、清掃等頻度、発生リスク、リスク低減対策、保守点検清掃時作業標準又は手順書、保守点検清掃作業前の安全確認のための評価方法(例:計測器を用いた客観的な評価、五感等)、過去の事故事例、ヒヤリハット事例等
(ブログ者コメント)
事例の横展開は大切なことだ。
本ブログ開設理由の一つも、そこにある。
ただ、どこまで横展開すればよいのか、その範囲を決めるのは非常に難しい。
範囲が狭ければ事例の教訓を活かしきれず同じような事故がまた起きるかもしれないし、かといって範囲を広げ過ぎると焦点がボヤけ、労多くして功少なし状態となり、肝心の部分が未対応のまま放置される恐れがあるからだ。
この点、今回出された文書では対象が「広く浅く」なっている感があり、どのような教訓を活かそうとしてのことか、ブログ者にはよく分らない。
ブログ者であれば、たとえば「自然発火性物質を含有する原材料、中間生成物、製品の入った設備(熱交換器に限らない)を開放する際の火災爆発防止対策が、現状どおりで問題ないか、再確認すること」といった具合に、的をグッと絞っていたところだが・・・。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。