2014年2月8日付で毎日新聞岡山版から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
倉敷市のJX日鉱日石エネルギー水島製油所の海底トンネルが崩落し作業員5人が死亡した事故は7日、発生から2年を迎えた。
県警などが詳しい事故原因の解明を急ぐ一方、工事会社の鹿島は東京・品川区内で昨秋、海底トンネルを、事故後初めてシールド工法を使って貫通させた。
「想定外を想定した」という新たな安全対策の内容や、現場で掘削した作業員に話を聞いた。
県警などは昨年、海底の土砂などを取り除き、トンネルを覆う壁面ブロックや、大型掘削機を引き揚げ、実況見分を終えた。
業務上過失致死傷容疑での立件も視野に入れている。
だが、ある捜査幹部は「作業中の人が亡くなり、目撃証言がないのが厳しい」と打ち明ける。
一方、鹿島は、建設大手の大林組と、事故後に予定されていた同様のシールド工法による海底トンネル工事で、新たな安全対策を実施した。
工事は品川区内の国道357号海底トンネル。都心部の慢性的な渋滞緩和などが目的。全長約1.9kmで、トンネル部分は長さ1.47km、内径10.4m。
事故が起きたトンネルの横穴(内径4.8m、長さ160m)よりも規模は大きいが、工程や工法は同じだ。
倉敷での事故を教訓に、鹿島などは、国交省のトンネル技術検討委の指導を受け、
○壁面ブロックを組む時の停電に備えた非常用発電機の設置
○掘削機と壁面ブロックの隙間を埋めるテールシール(止水弁)を3段から4段に増やす
○3カ所の監視カメラに24時間の録画機能を付加
といった対策を取った。
鹿島広報室は「今後も安全管理を徹底し、再発防止に努める」としている。
工事を指揮した大綱建設(東京都渋谷区)の表野・工務部長(53)は、JX事故について「全く想像できなかった」と話した。
シールド工法では、掘削先端部が土と接して密閉状態になるため、大量出水は考えられないとされていたからだ。
不安を覚える作業員もいたが、新たな安全対策を聞き、工事を引き受けた。
一昨年10月ごろから作業員約30人態勢で、約1年で掘削作業を完了させた。
これまで約30年間で20本以上のトンネルを掘ってきた表野さんは「後ろにしか逃げ道がないシールド工法の恐さを常に持ちながらやっている」と打ち明ける。
それでも、トンネルが貫通した瞬間の喜びがやりがいだという。
「今後も対策を重ね、自信を持って掘り続ける」と力を込めた。
また、海底トンネル事故現場では7日、事故発生時間とほぼ同時刻の午後0時15分ごろ、関係者らが現場付近を訪れ、犠牲者の冥福を祈る献花式を開いた。
献花式には、鹿島の田代・副社長ら幹部約20人。鹿島広報室によると、作業員の遺族の参加はなかったという。
出典URL
http://mainichi.jp/area/okayama/news/20140208ddlk33040469000c.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。