2018年5月15日15時15分に日本経済新聞電子版から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
国交省は、機械式駐車場の管理者向けに、設備の点検項目をリスト化した維持管理の指針案をまとめた。
巻き込まれなどによる重大事故が発生していることを踏まえ、人の進入を検知する装置や警報の点検強化を求める。
200項目に及ぶチェックリストの導入で、故障や不備を見つけやすくする。
国交省によると、機械式駐車場では、17年3月までの10年間に、少なくとも36件の死亡・重傷事故が発生した。
14年に愛知県稲沢市で起きた事故は、女性が機械式駐車場のトレーの下敷きになって死亡。
人を検知して機械を止める「人感センサー」が故障で作動せず、女性が出庫を終えていないのに、従業員が機械を操作したことが原因だった。
機械式駐車場は、都市部のマンションや商業施設で導入が進み、設置台数が増加している。
駐車施設の管理については、駐車場法などに定めがあるが、機械式駐車場の設置後の点検方法を具体的に示した規定はない。
管理者は、業者と契約を結んで保守点検を行うのが一般的だが、点検の項目や頻度は業者によって違い、精度にばらつきがあった。
同省がまとめた「機械式駐車設備の適切な維持管理に関する指針案」は、安全装置や遠隔監視、搬送台車など、装置ごとに計200の点検項目を挙げた。
それぞれについて、「年1回」「年2回」「年4回」「毎回(毎月か隔月)」などと、実施間隔の目安も記載。
事故防止で重要な人感センサーや非常停止ボタン、警報などの安全設備については、作動状況を1~2カ月ごとに確かめるよう求める。
国交省は、管理者が業者と契約する際、保守・点検の内容を指針案のリストと見比べてもらうことで、業者のサービスが適正な水準に達しているかを判断する材料になるとみている。
同省は17年9月に作業部会を設置し、機械式駐車装置の安全確保について議論。
同年12月のとりまとめを受け、今回の案を作成した。
5月までに行ったパブリックコメントの結果を踏まえ、年内にも指針として公表する方針だ。
出典
『機械式駐車場の事故防止でチェックリスト 国交省』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO30523390V10C18A5CR8000/?n_cid=NMAIL007
(ブログ者コメント)
稲沢市の事例を含め、機械式駐車場での事故を、本ブログでは過去に何件か紹介している。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。