2021年7月2日13時4分に日本経済新聞から下記趣旨の記事が、台が落下した立体駐車場の写真付きでネット配信されていた。
マンションの機械式立体駐車場で車を載せる台が落下する事故が相次いでいる。
多くは機械の老朽化が原因とみられ、負傷者が出た事故もあった。
マンションの管理組合が部品の交換を先送りするケースがあったほか、現行の定期点検では劣化状況が判明しにくい実態も明らかになった。
国は安全対策の強化を検討している。
あるマンションの立体駐車場で2019年3月、車を載せた台が地上から地下に落下した。
運転手は右手首と右肩を負傷。
車も、ドアが外れるなど、大きく破損した。
事故後の調査で、台を昇降させるモーターの不具合が原因と判明した。
国土交通省によると、21年3月までの4年間で、マンションで立体駐車場の台が落下する事故は各地で15件起きている。
載っていた車が台ごと落下して破損するといった被害が出た。
いまのところ大きな人的被害は出ていないものの、落下に巻き込まれれば命に関わる恐れもある。
17~19年度に起きた3件の事故の原因や背景について、住民からの申し立てを受け、消費者庁の消費者安全調査委員会(消費者事故調)が調査したところ、交換すべき期間を過ぎて機器を使い続けていた実態が浮かび上がった。
利用者が負傷した19年3月の事故は、10年での交換を推奨されていたモーターを14年超使用していた。
台をつり下げるワイヤロープが破断した別の事故は、5年で交換すべきワイヤロープを15年超にわたり使い続けていた。
消費者事故調によると、3件の事故では、いずれのマンションの管理組合も部品の定期交換を推奨されていたが、交換を見送っていた。
立体駐車場の改修には多額の費用がかかる一方、メーカーなどから具体的な事故リスクについて説明はなく、後回しにされたとみられる。
点検方法の課題も浮上した。
立体駐車場は、国交省の指針に基づき、3カ月に1回の保守点検が求められている。
3件の事故では、いずれも定期点検が行われていたが、点検方法は動作確認が中心で、異常は報告されていなかった。
消費者事故調は21年2月にまとめた報告書で、モーターやワイヤロープなどの老朽化が命に関わる重大事故を起こしかねないとして、立体駐車場のメーカーが管理組合に事故リスクを説明し、積極的に定期交換を促す必要があると指摘。
また、「モーターのブレーキ機能の劣化状況などは目視点検による発見が難しい」として、点検方法の見直しも求めた。
国交省は指摘を踏まえ、リスクの周知や点検のあり方を見直す。
同省によると、マンションの立体駐車場は17年度時点で全国に約10万基あるという。
同省は現在、立体駐車場を巡り死亡・重傷に至った事故は公表しているが、物損事故は公表していない。
早稲田大の小松原明哲教授(安全人間工学)は、「立体駐車場は気候など周辺環境によって劣化の程度が大きく変わる。管理組合も劣化の危険性を正しく認識する必要がある」としたうえで、メーカーの技術開発や、管理組合などによる保守点検の水準を高めるためにも「事故情報を公表し、事故の経緯を調べられるような仕組みづくりも望ましい」と指摘した。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE117K30R10C21A6000000/?n_cid=NMAIL007_20210702_H&unlock=1
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。