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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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201993070分に朝日新聞から、下記趣旨の記事が解説図付きでネット配信されていた。

 

日本の原子力施設で初めて被曝(ひばく)による死者を出した核燃料加工会社「ジェー・シー・オー(JCO)」の臨界事故から30日で20年。

 

事故の背景にあったのは、東京電力福島第一原発の事故にも通じる「安全神話」だった。

 

1999年9月30日午前10時35分ごろ、核燃料の原料をつくっていた茨城県東海村のJCO東海事業所で警報音が響いた。

 

社員の大内さん(男性、当時35歳)がタンクに差した漏斗を支え、上から篠原さん(男性、同39歳)がウラン溶液を注いでいた。

 

「青い光」が突然見えたとされる。

臨界が起きたことを示す現象だ。

 

臨界とは、核分裂の連鎖反応のこと。

ウランのような核燃料物質が核分裂を起こし、放出された中性子が、また別の核燃料物質にぶつかって核分裂が続く状態だ。

ごくわずかな量の反応で大量の放射線と熱が出る。

 

原子炉では意図的に臨界状態を保ち、放射線を閉じ込めながら大量の熱を取り出す。

 

だが、JCOのタンクは溶液をかきまぜるためのステンレス容器。

放射線を遮る対策はない。

目の前に突如、「裸の原子炉」が現れたようなものだった。

 

臨界は、一定量以上の核燃料物質がある程度密集するなど、条件がそろわないと起きない。

事故防止のため、国は1回に扱うウランの量に上限を設けていた。

 

社員らは本来、少量の溶液をつくる作業を何度も繰り返す必要があった。

だが、早く終わらせるため、出荷する量の溶液をまとめてタンクに入れ、濃度を均一化しようとした。

 

このときのウランは、高速実験炉「常陽」(茨城県大洗町)の燃料に使う濃縮度の高いものだった。

前日の段階で、タンクには上限の約4倍の溶液を入れていた。

 

事故当日、さらに溶液を注ぎ入れ、上限の約7倍に達したとき、臨界に至った。

 

タンクの周りにあった冷却水が中性子を反射させる形になり、臨海状態は継続した。

JCO社員たちが徹夜で冷却水の配管を壊すなどして水を抜き、約20時間後の10月1日午前6時15分ごろ、臨界はおさまった。

 

 

【事故から211日目、力尽きた】

 

2人はともにつなぎの作業服姿。

放射線の中でも特に人体への害が大きい中性子線を至近距離であびた。

 

大内さんの推定被曝(ひばく)線量は16~25シーベルト。

呼吸不全や腎不全などを併発し、事故から83日目に死亡した。

 

篠原さんは6~9シーベルトと推定され、事故から211日目に多臓器不全の状態で力尽きた。

 

臨界を起こしたタンクの前の工程でも、社員らはウランの粉末をステンレス製のバケツで溶かしていた。

本来は臨界が起きにくい細長い容器を使わなければならなかった。

 

日本原子力学会の調査委員会によると、JCOは臨界対策に着目した教育をしておらず、作業班のリーダーは「ウランは溶液では臨界にならない」と誤解していた。

 

当時の事業所長ら6人は業務上過失致死や原子炉等規制法違反などの罪で有罪判決を受けた。

 

国も、作業手順を定めた保安規定にウランの上限量が明記されていなかったのにチェックしていなかった。

 

事故の衝撃は世界に及んだ。

 

臨界事故は1950~60年代にロシアや英米で相次いで発生。

その後、量の制限などの対策が広がり、当時は「防ぎうる事故」とされていた。

 

米紙ニューヨーク・タイムズはこう報じた。

「唯一の被爆国として核問題への対応を政策の中心に据えてきた日本が、なぜここまでいい加減になったのか」

 

国や県は事故の正確な状況を把握できていなかった。

 

地元の東海村の村上村長(当時)は自らの判断で9月30日午後3時、周辺350メートルに住む住民約150人に避難要請を出した。

不安になった住民らは放射線測定を受けようと病院に列をつくった。

 

国のまとめでは、住民や社員ら計666人が被曝。

国の検証委員会は、被曝線量の少なさから健康影響が出る可能性は「極めて小さい」とした。

 

 

【今の基準で十分と言えるのか】

 

事故から20年を迎えるのを前に、東海村で今月、専門家らの講演会が開かれた。

 

原子力規制委員会の前委員長、田中俊一さんは「臨界事故と福島第一原発事故は、事業者の安全意識の欠如という面で共通する」と話した。

 

JCOは国の許可を無視して作業し、東電は過酷事故への備えが不十分だったことを挙げた。

 

電力会社や国はJCOの事故を「特殊な施設で起きた」と受け止め、教訓を学ぶ意識が薄かった、とも指摘した。

 

20年前、臨界事故を検証した旧原子力安全委員会の事故調査委員会は、事故は起きないという「安全神話」を捨てるよう原子力関係者に求めた。

 

だが、8年半前の福島の事故でも、電力会社や国は「安全神話」に陥っていたと厳しく批判された。

 

現在、福島の事故後にできた新規制基準のもとで5原発9基が再稼働した。

 

一方、規制委は今月、原子炉を冷やす機器が動作していたかなど、福島第一原発の事故調査を再開すると決めた。

 

原子力学会の臨界事故の調査にも加わった日本原子力研究開発機構の元上級研究主席の田辺文也さんは、現状に疑問を投げかける。

「調査が終わっていないのにどうしていまの基準で十分と言えるのか。原子力業界は、いまも安全神話にとりつかれているのではないか」

 

         ◇

 

元事業所長ら6人を有罪とした2003年3月の水戸地裁判決では、JCOが国の調査時に許可に反する設備を撤去していたことなどを挙げ、「全社的に許可を尊重する意識を欠いていた」と指摘。

 

法人としてのJCOに、原子炉等規制法違反などの罪で求刑通り罰金100万円を言い渡した。

 

https://digital.asahi.com/articles/ASM9F4D9ZM9FULBJ00N.html?rm=460

 

 

 

(ブログ者コメント)

 

朝日新聞以外、様々なメディアから特集記事が発信されていた。

以下は、ブログ者の目にとまった、その一部。

タイトルとURLのみ紹介する。

 

930631分 NHK茨城)

臨界事故20年 教訓どう伝える

https://www3.nhk.or.jp/lnews/mito/20190930/1070007500.html 

 

9301817分 NHK茨城)

臨界事故「安全第一徹底できず」 

https://www3.nhk.or.jp/lnews/mito/20190930/1070007504.html 

 

93068分 NHK NEWS WEB)

茨城臨界事故から20年 減る関係者 教訓いかに伝えるか

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190930/k10012104501000.html 

 

 

 

 

 

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化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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