2016年7月25日17時46分にNHK水戸から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
『廃液漏れ 界面活性剤が原因』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/mito/1074282051.html?t=1469482941511
ことし6月、東海村にある東海第2原子力発電所で、国の基準を超える放射性物質を含む廃液およそ650ℓが漏れた事故について、事業者の日本原子力発電は、洗剤の成分である界面活性剤がタンク内の廃液に混ざって泡立ち、排水設備を詰まらせたことが原因と推定されるという報告書を県に提出した。
この事故は、ことし6月、東海第2原発で「廃棄物処理棟」と呼ばれる建物の床に国の基準の40倍を超える放射性物質を含む廃液およそ650ℓが漏れたもの。
25日、日本原電の江口東海第2発電所長らが県庁を訪れ、事故原因などをまとめた報告書を提出した。
報告書では、事故の原因について、機器の洗浄などで使う洗剤の成分の界面活性剤がタンク内の廃液に混ざったことで泡立って排水の設備を詰まらせ、廃液が床にあふれたなどと推定している。
また、今後の対策については、廃液のタンク内に液体の泡立ちを検知できる装置を設置するほか、界面活性剤については、管理区域内での排水を禁止するなどとしている。
報告を受けた県の大高防災・危機管理局長は、「事故が起きたときの初動対応に関わる教育や訓練をすべての運転員に行って、迅速な初動体制を確保してほしい」と要請した。
日本原電東海第2発電所総務室の服部渉外・報道グループマネージャーは、「指摘を真摯に受け止めて、今後、機材の配備や訓練の見直しを進め、迅速な初動対応に務めたい」と話していた。
7月25日20時47分に日本経済新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
『東海第2原発の廃液漏れ、界面活性剤流入が原因 日本原電』
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG25H81_V20C16A7CR8000/
原電によると、廃液が泡状になって液面が上昇。空気だけを通す配管から漏れた。
泡に付着した固体で床の排水溝がつまり、廃液がたまるトラブルにつながった。
活性剤がどのように流入したかは、特定できなかった。
(ブログ者コメント)
○日本原電HPに掲載されている資料は下記(全8ページ)。発生日は6月2日だった。
『東海第二発電所 管理区域内での放射性廃液の漏れについて(原因・対策) 平成28年 7月25日 』
http://www.japc.co.jp/news/press/2016/pdf/280725.pdf
○資料を読んだが、経緯がちょっと分かりにくい。
報告書の内容を整理すると、以下のようになるだろうか・・・。
・どこからか特定できなかったが、系内に界面活性剤が混入した。
・タンク内には廃液を均一に攪拌するため、底部から空気が吹き込まれていた。
・その空気により、界面活性剤が泡だった。
・泡の中に、廃液中に含まれる固形分が付着した。
・固形分を含んだ泡は、スラリー状となって、タンクのベント配管に入った。
・ベント配管下流には空気を除湿するための冷却器があり、空気は排気ダクトに、廃液はドレンピットに排出されているが、スラリー状になった泡は、そのドレンピットにつながる集合升に入りこみ、升を詰まらせた。
・升が詰まったため排水できなくなり、廃液が床にあふれた。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。