2016年6月7日20時9分にNHK京都から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
熊本地震の被災地で、住民が車の中で寝泊まりする、いわゆる「車中泊」が多く見られたことを踏まえ、京都府は、大型の商業施設や公共施設などの駐車場をあらかじめ屋外の避難所として指定するための検討を進めていることを明らかにした。
これは7日、京都府庁で開かれた行政機関やライフライン事業者などで作る京都府の防災会議で、京都府が明らかにした。
会議では、京大防災研究所の牧紀男教授が熊本地震を踏まえた提言を行い、「車中泊」への対策として、あらかじめ行政が大規模な駐車場の位置を把握したり、救援物資を確実に届けるための方法を検討したりしておくべきだなどと指摘した。
これを受けて京都府の担当者は、大型の商業施設や公共施設などの駐車場のうち、屋外の避難所として利用できるところがどの程度あるか、現在、調査を進めていて、今後、避難所としてあらかじめ指定できないか、事業者や市町村と調整を行うと報告した。
熊本地震の被災地では、避難所などに入らず、車中泊を行う人が多く見られ、救援物資が届けられなかったり、健康状態の把握などが課題となった。
山田啓二知事は、「熊本で起きた問題は人ごとではなく、京都でいつ起きてもおかしくない状況だと思う。皆さんと危機感を共有し、対策を進めていきたい」と話していた。
出典
『車中泊対応で駐車場を避難所に』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/kyoto/2015859051.html?t=1465333482525
2016年5月12日付で毎日新聞東京版夕刊からは、政府も車中泊避難に関する新たな指針を策定すべく検討中だという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
政府は、熊本地震で課題となった「車中泊避難」について、新たな指針などを策定する検討に入った。
国の防災基本計画や避難所運営ガイドラインは車中泊対策に触れておらず、自治体の地域防災計画にも盛り込まれていないケースが多い。
今後、地域防災計画などを修正する際の参考となるよう、対策を講じる。
熊本地震は大きな余震が続き、「屋内が怖い」と、車で寝泊まりする被災者が相次いだ。
長時間の車内避難生活はエコノミークラス症候群(肺塞栓症など)の原因となり、死に至る場合もある。
車中泊が原因とみられる震災関連死は2004年の新潟県中越地震などで注目され、熊本地震でも犠牲者が出て問題化した。
政府は、「まずは避難所の整備が重要。車中泊での避難は好ましいとは言えず、計画などに盛り込むと車中泊が肯定される可能性がある」(内閣府の防災担当者)として、二の足を踏んできた。
具体的には、
▽指定避難所の駐車可能台数をリスト化
▽避難所以外で車中泊する被災者を把握できるよう、大型駐車場の場所を事前に把握
▽エコノミークラス症候群を防ぐ効果がある弾性ストッキングを備蓄
▽車中泊の被災者に速やかに避難所に移ってもらうよう働きかける
などの対策を検討している。
出典
『熊本地震 「車中泊避難」に指針 地震対応で政府が策定検討』
http://mainichi.jp/articles/20160512/dde/001/040/069000c
(ブログ者コメント)
○本件、京都府以外にも、全国各地の自治体で同様な検討が行われていることと思うが、その代表例として紹介する。
○熊本地震時における車中泊避難の様子は、下記記事参照。
2016年5月14日掲載
熊本地震の情報や教訓を明日に活かす⑥ 余震への不安などで車中泊する人が多く駐車場不足が問題化、エコノミー症候群で死者も (1/2)
(1/2)
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/5912/
(2/2)
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/5911/
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。