2019年11月25日23時31分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
爆発性のある劇物や放射性物質を違法に所持したとして名古屋市の会社員の男が愛知県警に逮捕された事件で、男が市販されている薬品を購入し、自宅で劇物を生成していたことが捜査関係者への取材で分かった。
名古屋地検は25日、男を毒劇物取締法違反などの罪で起訴した。
起訴状などによると、男は市川容疑者(34)。
自宅アパートで4月、劇物「塩素酸カリウム」157グラムと、放射性物質「アメリシウム241」が密封された容器8個を無許可で所持したとされる。
捜査関係者によると、市川容疑者は市販されている塩化カリウムを購入し、電気分解して塩素酸カリウムを生成したという。
アメリシウムは海外から輸入したとみられている。
市川容疑者のものとみられるツイッターアカウントには2018年1月、人に危害を加えることを示唆するような投稿がされた。
県警の調べに対し、塩素酸カリウムなどを所持した動機を黙秘しているという。
原料の塩化カリウムは薬品や工業製品、肥料などに使われており、薬店などで入手できる。
横浜国立大学の三宅淳巳教授(安全工学)は、「一律規制は産業界に影響が出て難しい。販売する際、不審な点があれば警察に情報を提供するなど、対策を進めることが必要だ」と話した。
https://digital.asahi.com/articles/ASMCT4K3FMCTOIPE00Y.html?pn=4
※2019年11月5日18時38分にNHK NEWS WEBからは、本件発覚に至った経緯などが下記趣旨でネット配信されていた。
放射性物質の「アメリシウム241」を自宅に隠し持っていたとして、名古屋市の34歳の会社員が逮捕されました。
名古屋市で元大学生が爆発物などを製造した罪で実刑判決を受けた事件の関係先として捜索したところ見つかったということで、警察が入手ルートなどを調べています。
逮捕されたのは、名古屋市守山区の会社員、市川容疑者(34)です。
警察によりますと、ことし4月、自宅アパートで、放射性物質の「アメリシウム241」が入った容器8個を国の許可を得ずに隠し持っていたほか、爆発物の原料となる「塩素酸カリウム」およそ157グラムを保管していたとして、放射線障害防止法違反などの疑いが持たれています。
名古屋市で、元大学生が高い殺傷力がある爆発物「過酸化アセトン」などを製造したとして、3月に実刑判決を受けた事件の関係先として、警察が市川容疑者の自宅を捜索したところ、見つかったということです。
調べに対し、アメリシウム241については容疑を認める一方、「塩化カリウムを電気分解したが、塩素酸カリウムができたという認識はない」と供述しているということです。
アメリシウム241は「煙感知器」に使われることがある人工の放射性物質で、体内に取り込まれると内部被ばくするおそれがあるということで、警察が入手ルートなどを調べています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191105/k10012165211000.html
※2019年11月5日16時0分に中日新聞からは、アメリシウムの入手方法に関し、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
被ばくの恐れがある放射性物質「アメリシウム」を無許可で所持した疑いが強まったとして、愛知県警は5日、名古屋市守山区の会社員の男(34)を放射線障害防止法違反容疑などで逮捕した。
爆薬や拳銃、覚醒剤の製造で有罪判決を受けた同市緑区の元大学生の男(20)とインターネット上で交流があったといい、関連を調べる。
捜査関係者への取材で分かった。
捜査関係者によると、会社員は今年4月、守山区の自宅アパートで、許可なくアメリシウムを所持した疑いなどが持たれている。
会社員の関係先を捜索した際に発見、押収された。
アメリシウムは煙感知器に使われることがあり、会社員は煙感知器の部品を海外からネットで個人輸入し、入手したとみられる。
化学分野に強い関心を持っていたという。
周囲で健康被害は確認されていない。
元大学生とは会員制交流サイト(SNS)で情報交換していたことが、県警の捜査で判明。
元大学生は高い殺傷力のある爆薬「過酸化アセトン」や3Dプリンター製の拳銃、覚醒剤を製造したとして爆発物取締罰則違反罪などに問われ、3月に名古屋地裁で懲役3年以上5年以下の不定期刑を言い渡され、確定した。
放射線障害防止法は放射性同位元素等規制法に改正され9月に施行されたが、会社員が4月に所持していたため、県警は旧法を適用した。
<アメリシウム>
原子力発電所の使用済み燃料棒に生じるプルトニウムから生成される人工放射性元素。
人体に害が大きいアルファ線を出し、体内に取り込まれると内部被ばくする恐れがある。
米カリフォルニア大学の研究チームがプルトニウムに中性子を照射することで発見し、1945年に公表した。
原子番号は95。
銀白色の金属で、米国の国名にちなんで名付けられた。
https://www.chunichi.co.jp/s/article/2019110590160042.html
(ブログ者コメント)
事故ではなく事件なのだが、塩化カリウムの電気分解など、ブログ者には思いもつかない方法で爆発物の原料を作った事例だったので、参考までに紹介する。
こういった方法は闇サイトから入手?
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。