2020年3月13日11時50分に朝日新聞から、下記趣旨の記事が写真付きでネット配信されていた。
昨年9月に台風15号が千葉県内を直撃してから半年が過ぎた。
県内では約7万4400棟の住宅が損壊し、今でも屋根を吹き飛ばされるなどした多くの家がブルーシートで覆われている。
業者不足で、まだ修理が手つかずの住宅もある中で、「シュリンクフィルム」という、耐久性のある特殊なフィルムで屋根をすっぽり覆う技術が注目を集めている。
「シュリンク」は英語で「縮む」という意味で、「シュリンクフィルム」は熱を加えると収縮する特性がある。
様々な素材のものがあるが、建物を保護できるフィルムは厚さ0・15ミリ~約0・22ミリの難燃性ポリエステル製。
大きいものでは1辺の長さが90メートルのものもあり、フィルムを接着していけば、巨大な建造物などもすっぽりと覆うことができる。
覆った後にバーナーで熱すると対象物の形に密着。
船や車、大型機械の梱包(こんぽう)や保護、ビル解体時にアスベストの飛散防止などに使われている。
シュリンクフィルムを施工するプロテクションサービス(川崎市)の津野健司社長(45)は、2016年4月の熊本地震や、18年の西日本豪雨で崩れた建物の応急処置にブルーシートが使われているのを見て、「シュリンクフィルムの方が、有効に使える」と思っていた。
だが、社員は自分を含めて3人しかおらず、遠くの被災地に行く余裕はなかった。
千葉県内では、昨年9月9日に上陸した台風15号の強風により、多くの家の屋根が損壊した。
津野さんが「技術を役立てたい」と思っていたところ、屋根を吹き飛ばされた同県富津市にある築230年の古民家カフェ「えどもんず」の報道を見た。
店主の青山清和さん(62)がブルーシートで応急処置をしたものの、すぐに強風などではがれ、その後の台風19号や21号に伴う豪雨で、家の中は「プールのような状態になった」という。
津野さんは「大きな建物ほどシュリンクフィルムの出番だ」と、ボランティアで施工に駆けつけた。
岐阜県の白川郷から60年ほど前に移築された合掌造りは、高さが約12メートルあり、屋根が大きい特殊な構造。
早く処置するために、フィルムを張るためのハリを屋根の構造の外側に木材でつくり、上辺約15メートル、底辺約20メートル、高さ約9メートルの屋根を、約1週間かけて白いフィルムで覆った。
青山さんは、「屋根の修理は数カ月待ちと言われていた。台風後の強風や雨にも耐えてくれて、一息つけた」と喜ぶ。
今月上旬に本格修理を始めるために撤去するまで、安心して雨風をしのげたという。
フィルムは、飛散物などで傷がつかない限り、破れる心配は少なく、約2年はもつ。
工費は1平方メートル1500円ほどで、一般的な家屋であれば、工事は半日ほどで終わるという。
「ブルーシートを張り替える手間や費用を考えれば、フィルムの方が安上がりだし、安心感が違う」と津野さん。
今後は、自治体や団体などに周知して災害への活用を働きかけ、施工技術者の育成に力を入れたいという。
津野さんは、「技術が広がり、多くの家に施工できれば、安心が広がる」と話す。
https://www.asahi.com/articles/ASN3D74ZWN3CUDCB005.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
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