2020年12月12日に掲載した元記事がブログ運営会社の字数制限に抵触しましたので、ここに新情報を第2報修正1として掲載します。
第1報は下記参照。
https://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/11244/
(2020年12月20日 修正1 ;追記)
2020年12月12日20時48分に朝日新聞からは、水虫薬主成分の容器と睡眠導入剤成分の容器は大きさや形状がまったく違っていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
同社の説明では、水虫薬の主成分はドラム缶のような形の高さ1メートル弱の紙容器で保管する一方、睡眠導入剤成分は平たい缶に入れられ、容器には成分名も書かれている。
保管場所からの取り出しや調合などをする際、社内規定では作業員が2人1組でする決まりだが、1人になった時間帯があったとし、同社はその時間帯に混入が起きたとの見方を示した。
小林社長は、問題の薬がジェネリック医薬品だった点について、「ジェネリック医薬品の信頼度にも大きな影響を与えてしまった」と話した。
同社によると、11日時点で健康被害を訴える人は1人増え計134人。
服用の影響とみられる交通事故は、重複があったとして1件減って、計15件に修正した。
https://www.asahi.com/articles/ASNDD6K7TNDDPTIL008.html
12月13日付の読売新聞紙面には、両成分の保管容器に関する、より詳しい情報が、下記趣旨で掲載されていた。
K社幹部によると、有効成分を入れていたのは「高さ1メートル弱の大きな紙製のドラム缶」。
睡眠導入剤成分は「おかきが入っているような、小さく平たい缶」。
小林社長は、「一般的な感覚では間違えないレベル。本人が失念していたとしか考えられない」と、うなだれた。
12月12日20時43分に毎日新聞からは、別の工場ではバーコード管理していたが、少量生産するこの工場では行っていなかった、ミスした作業員は間違えた理由を覚えていないらしいなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
本社があるあわら市には複数の工場や研究所があり、問題の薬は市内の「矢地第1・第2工場」で製造された。
この工場では、別の工場で導入されている成分のバーコード管理はされず、すべて人の手によって管理されていた。
第1・第2工場では、今回の薬のように生産量が少ない薬を製造していたという。
同社の規定では、成分の取り出しや計量は2人1組で指をさしながら間違いがないかを確認することになっているが、今回は担当者が1人で作業をしていた。
この担当者は同社の内部調査に対し、「7月ごろの作業で、はっきりと覚えていない」と答えているという。
小林社長は「現場での指導のあり方やチェック体制に問題があった」と話した。
https://mainichi.jp/articles/20201212/k00/00m/040/118000c
12月13日8時5分にYAHOOニュース(福井新聞)からは、品質試験で異変を検出しながら厳密なチェックができていなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
K化工は12月12日、含有成分を確認する最終の品質試験で異変を検出しながら「厳密なチェックができていなかった」と明らかにした。
小林社長は「品質試験による確認を精査すると、(混入に気付くことができた)可能性がある。厳密なチェックができていなかった」と述べた。
同社は当初、同錠剤の品質試験の記録を確認したところ、本来はない成分の反応を検出していたが「通常では気にならない程度だった」と説明していた。
原料の継ぎ足しは、厚労省の承認を受けた製造の手順書にはない工程で、同社幹部は「管理側が現場の実態を把握できていなかった」とし、第三者を通じ調査するとした。
https://news.yahoo.co.jp/articles/0d6a74714219d2f3703cfaf8a5fad22760f7084b
12月15日付で毎日新聞東京版からは、品質試験時の異変のやや詳しい内容が、下記趣旨でネット配信されていた。
出荷前の7月、含有成分を調べる「液体クロマトグラフィー」と呼ばれる手法でサンプル調査した。
分析結果は、成分ごとに含有量が「波」の大きさで示される。
出荷前の調査では、通常では検出されるはずのない成分の混入を示す「波」が確認できた。
異物混入の疑いを示唆するものだが、波が小さいことなどから気付かなかったという。
ただ、健康被害の報告を受けた後、このデータを再検証すると睡眠導入剤が混入している可能性があることが分かった。同社は「出荷前に詳しくデータ分析していれば混入に気付けたかもしれない」と話した。
https://mainichi.jp/articles/20201215/ddm/041/040/031000c
12月16日付で毎日新聞東京版からは、作業記録に睡眠導入剤を示す番号が記載されていた、作業を熟知していない従業員が誤投入した疑いがあるなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
従業員が製造過程で睡眠導入剤の成分を投入したことを記録していたことが15日、福井県と厚生労働省への取材で明らかになった。
投入されるはずのない成分が記録されていたことなどから、作業を熟知していない従業員が誤って投入し、その後の工程でも会社がチェックしていなかった疑いが出てきた。
作業記録に、この睡眠導入剤を示す番号が記載されていた。
成分の追加投入は今回の場合、医薬品の成分が均等に拡散されずに錠剤の濃度にばらつきが出る可能性があることから、厚労省が承認した製造手順では認められていない。
健康被害が12月に報告され、出荷前の7月にサンプル調査したデータを再検証したところ、睡眠導入剤の混入の可能性が浮上。
作業記録を確認して睡眠導入剤の誤投入が分かった。
https://mainichi.jp/articles/20201216/ddm/041/040/043000c
12月19日20時17分にYAHOOニュース(福井新聞)からは、最初に異変に気付いた医師の気付き時の状況などが下記趣旨でネット配信されていた。
「そちらで処方された薬をのんでいた人が意識消失で救急搬送されました」―。
11月27日、岐阜県高山市の久保医師(63)の元に、救急病院から連絡があった。
59歳の男性が車を運転中に意識を失い、溝に脱輪したという。
“異変”の始まりだった。
久保医師は、内科とアトピーの治療を専門とする有床診療所の院長。
59歳男性の救急搬送以後、入院患者4人についても普段と様子が違っていることに気が付いた。
朝食を食べたら夜まで寝ていたり、起こすと記憶を一部失っていたりすることがあった。
他の外来患者に関しても、12月2日の朝には30代女性が意識がもうろうとした状態になり、寝てしまった。
32歳の男性は配送の仕事中にトンネル内で意識がなくなり、センターラインのポールに衝突した。
本人は当時の記憶がなく、事故後も、もうろうとしたまま仕事を続けたという。
意識障害があった患者7人には共通点があった。
久保医師は「全てイトラコナゾールが原因だと確信した」と振り返る。
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診療所では、アトピー性皮膚炎に多いマラセチア毛包炎の治療に、数年前から経口抗真菌剤イトラコナゾール錠を用いていた。
服用はどの患者も1日1回2錠。
久保医師は、「副作用が少なく、安心して使っていた」と話す。
すぐに販売元の担当者を呼び、書面で患者の症状を伝え、販売を中止するよう申し入れた。
製造したのはジェネリック医薬品の中堅メーカー、K化工(本社福井県あわら市)。
久保医師の訴えが、多数の健康被害が発覚する端緒となった。
××
K化工によると、同錠剤による副作用の報告は、12月に入ってから1日に2人、2日に1人だった。
しかし、「医薬品の副作用の症例報告は毎日入っており、まだ(健康被害という)認識はなかった」と幹部は振り返る。
3日になって岐阜の久保医師から7人、他府県から2人の計9人の副作用の報告があり、事の重大さにようやく気が付いた。
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https://news.yahoo.co.jp/articles/34cc785f1c7844bb79674fe25fcea34d9d3bec03
(ブログ者コメント)
万一、ヒューマンエラーが起きても、それを事故につなげない・・・そのための対策が二重三重にとられていたが、それらをことごとくすり抜けたために事故が起きた。
(これら新情報に基づき、1報ともどもタイトルを変更した)
事故とはそんなものだと言えば、それまでなのだが・・・。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。