2016年9月28日付で毎日新聞宮崎版から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
9月28日19時6分に読売新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
県内を直撃した台風16号により各地で被害が発生してから、27日で1週間がたった。
冠水した延岡市北川町の川坂地区では、川の水が堤防の地下を通り地表に噴き出す「パイピング」とみられる現象が発生。
放置すると堤防が決壊するおそれもあることから、県は対策を検討している。
県によると「パイピング」とは、堤防下に川の水が染みこんでパイプ状の水の通り道ができ、地表に砂と水が噴き出す現象。
水田などに穴が開いているのを、地域住民らが発見した。
県が調査したところ、川沿い約700mの範囲に24カ所の穴が開いていることを確認した。
穴は直径約10cm〜2mで、周りに水や砂が噴き出した跡があったという。
このまま水の通り道が広がれば地盤が沈下し、再び大雨が降った場合には堤防が決壊する恐れもあるため、県は地盤を調べるボーリング調査を実施し、対策を検討する。
対策としては、堤防の根元に鉄板を打ち込み、水の通り道になる可能性がある砂の層を遮断するなどが考えられるという。
福岡県の矢部川の堤防が決壊し、周辺の1800戸が床上・床下浸水した九州北部豪雨(2012年)でも、パイピング現象による地盤陥没が堤防の決壊につながったとみられている。
出典
『台風16号 1週間 農業被害8億円 川水が地表へ噴出「パイピング現象」も 延岡・北川町 /宮崎』
http://mainichi.jp/articles/20160928/ddl/k45/040/517000c
『堤防、空洞化の恐れ…宮崎で「パイピング現象」』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20160928-OYT1T50027.html
9月26日21時36分にNHK NEWS WEBからも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
堤防の下の地盤は水を通しやすい砂や砂利の層でできているということで、県は、川の水位が上昇して圧力が上昇した結果、堤防の下に水の通り道ができて外側に噴き出す「パイピング」という現象が起きたと見ている。
出典
『台風16号で浸水 パイピング現象か 宮崎 延岡』
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160926/k10010707651000.html
10月1日19時38分にNHK宮崎からは、台風18号の接近に備え対策実施という、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
延岡市北川町の川坂地区では、地区を流れる北川の堤防近くの水田などで水や砂が噴き出した穴が31か所あることが、宮崎県の調査で確認されている。
これらの穴は、先月下旬の台風16号の大雨で川の水位が上昇して水圧が高まった結果、堤防の下に水の通り道ができて、堤防の外側で水が噴き出す「パイピング」という現象が起きて出来たものとみられている。
繰り返し水や砂が噴き出すと地盤が弱まり、堤防が壊れる危険があるということで、台風18号の接近に備えて、宮崎県は、直径1mを超える6か所の穴について、1日から2日にかけて緊急の工事を行うことにした。
このうち、直径2m、深さ1mの穴があいた畑では、穴を囲むように土のうを積む作業が行われた。
県によると、土のうを積むことによって台風の雨水がたまりやすいようにして、その水圧によって穴から水や砂が噴き出るのを抑える狙いがあるという。
出典
『台風前に噴出対策の緊急工事』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/miyazaki/5063139441.html?t=1475352192660
10月4日18時13分にNHK宮崎からは、都城市でも高台の畑から下の道路に向けてパイピング現象が起きていたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
先月の台風16号の影響で、都城市の畑で縦30mの巨大な穴が開いているのが見つかり、市などでは、地下に水の通り道ができる「パイピング」という現象が起きたとみて、今後、詳しい調査を行うことにしている。
巨大な穴が見つかったのは、高台になっている都城市五十町の畑。
市によると、台風16号が通過したあとの9月20日、縦30m、横10m、深さ7mにわたって巨大な穴が開いているのが見つかった。
一方、高台になっている穴のおよそ200m下では、宮崎県が管理する自動車専用道路ののり面から大量の土砂が噴き出し、1500m3の土砂が道路をふさいだ。
これについて都城市や宮崎県では、畑に大量の雨がしみこんだ結果、地下に水の通り道ができて、のり面から土砂が噴き出す「パイピング」という現象が起きたものとみて、今後、詳しい調査を行うことにしている。
巨大な穴が開いた畑は、市が立ち入り禁止としているほか、台風18号の接近に伴って、県は、土砂が噴き出したのり面をシートで覆ったり土のうを積んだりして、備えている。
出典
『畑に巨大な穴 パイピング現象か』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/miyazaki/5063225341.html?t=1475611038038
(ブログ者コメント)
NHKの映像によると、台風18号に備えた対策工事として、穴の周囲に土嚢を2~3段、積み上げていた。
パイピング現象は、昨年の鬼怒川堤防決壊時にも起きていた可能性がある。状況は下記記事参照。
2016年9月25日掲載
2015年9月10日11日 数10年か数100年に1度といわれる東日本豪雨により常総市と大崎市で川の堤防が決壊して甚大な被害、避難指示遅れなど教訓多数あり (第2報 ;修正3)
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/5238/
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。