







2017年5月31日18時25分に共同通信から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
国土交通省は31日、大規模災害の発生時にカーナビなどを通じて一般車両の走行データを集め、通行可能な道路を速やかに割り出すシステムの運用を始めると発表した。
東京23区で震度5強以上、それ以外の地域で震度6弱以上の地震が起きた時や大規模水害時などに稼働させ、人命救助や物資輸送に役立てる。
走行経路のデータを送信できるカーナビを搭載した個人用、業務用の民間車両は約4000万台ある。
これらの車両が被災地を走った場合、自動車メーカーなどでつくるNPO法人「ITS Japan」を通じ、通行できる経路の情報を匿名化して受け取る。
出典
『大災害時の車両走行データ収集へ 通れる道路、速やかに把握』
https://this.kiji.is/242579802597163014?c=39546741839462401
2017年5月31日11時56分に産経新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
埼玉県上尾市の島村市長は30日の定例会見で、同市が管理する水路で起きた事故をめぐり、被害者側に約575万円の損害賠償金を支払って和解する議案を6月議会に提出すると発表した。
同市によると、平成27年8月、水路のコンクリート製の蓋が落下し、蓋の上を歩いていた同市内の主婦=当時(76)=が転落して右足を折る大けがを負った。
蓋は、横150cm、縦50cm、厚さ5cm、重さ約120kg。
水路の両縁に7.5cmずつ乗り、重さで支えていたが、片側が縁から外れ、深さ約90cmの水路に落ちた。
落下の原因は不明だったが、同市は事故の責任を全面的に認め、主婦らに治療費など約575万円を支払うことで和解に合意した。
同市は、「歩いただけで蓋が落ちるとは思えず、事故前から少しずれていた可能性がある」と指摘。
事故後、再発防止のために、嘱託職員らが同市内約264kmの水路を巡回し点検している。
今後は、市民らが気づいた異常を通報するシステムの構築を検討する方針。
主婦は、約3カ月で入・通院を終えたが、現在もしびれなどの後遺障害が残っているという。
出典
『水路の蓋外れ主婦大けが 575万円支払いで和解 埼玉県上尾市』
http://www.sankei.com/affairs/news/170531/afr1705310012-n1.html
(ブログ者コメント)
〇ブログ者の住居前排水溝のコンクリート蓋は逆凸形となっており、ずれることはない。
今回水路の蓋は重さ120kgということで、そう簡単に動くようなものではなく、それゆえ逆凸形ではなく平板だったことも考えられる。
〇側溝の蓋が外れた事例ではないが、割れて怪我した事例は過去にもあった。
2016年9月20日掲載
[昔の事例の顛末] 2012年7月14日 千葉県我孫子市で市道側溝の上を歩行中に老朽化していたコンクリート製の蓋が割れ、転倒して頭部を強打し寝たきりになった男性に市は損害賠償
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/6297/
2017年5月31日6時0分に西日本新聞から、下記趣旨の記事が装置の写真付きでネット配信されていた。
大分県警は、6月1日から移動式の速度違反取り締まり装置を導入する。
固定式は、多くのドライバーが設置場所を知っており、そこだけスピードを落とす抜け穴が指摘されていた。
愛知、富山両県に次ぐ全国3番目の導入で、九州では初という。
移動式は、高さ約1.5m、重さ約20kgで、取り締まりポイントを変更できる。
固定式と同じように,レーザーで速度違反を検知すれば車のナンバーと運転手の顔をカメラで自動撮影し、後日、交通違反切符を切る。
通学路や生活道路は道幅が狭く、違反車両を止める場所が少ないため、警察官による取り締まりが難しかった。
移動式なら、その場で車を止める必要はなくなるため、こうした場所での取り締まりを強化する狙いもある。
県警交通指導課の井上課長補佐は、「これからは、どこで取り締まりをやっているのか分からなくなる。事故減少につなげたい」と話している。
出典
『スピード違反どこでも“パシャリ”移動式取り締まり装置 大分県警が
九州初導入』
https://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/332189/
(ブログ者コメント)
以下の情報と関連した動きなのかもしれない。
2013年12月30日掲載
『2013年12月27日報道 警察庁はスピード違反の取り締り方法を「ねずみ捕り」から生活道路などでの取り締まりに方針転換』
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/3562/
2017年5月31日付で中日新聞から、下記趣旨の記事が写真付きでネット配信されていた。
全国で唯一、岡崎市消防本部に配備されているが、これまで一度も出動実績のない全地形対応の消防車両「レッドサラマンダー」に、6月1日から5カ月間、県内で大雨・洪水警報が発令された場合に出動する任務が試験的に加わる。
“宝の持ち腐れ”とも言われかねない特殊車両を有効活用する狙い。
これまでは、全国で大規模災害が発生した時に消防庁から要請があれば出動する決まりだったが、2013年3月の配備以来、出動回数はゼロ。
新たな任務では、県内の市町村で大雨・洪水警報が発令された場合、県の要請を受けた上で、土砂災害などの被害が起きる前であっても現地へ向かい、警戒活動などに当たる。
消防庁、県、市などが5カ月間の活動実績を検証した上で、あらためて今後の活用方法を決める。
レッドサラマンダーは、深さ1.2mまでの水たまりや土砂、がれきの上も走行でき、通常の車両ではたどり着けない場所での負傷者の搬送や機材の運搬などが期待される。
消防庁がレッドサラマンダーの配備先を公募した際、岡崎市消防本部がこれに応じ、配備が決まった。
消防本部によると、愛知県は南海トラフ地震で被害が予想されること、日本列島の中心近くに位置するため全国各地に行きやすいこと、高速道路のインターチェンジが近いことなどが理由という。
出典
『出番がない…全地形対応消防車 全国で唯一、岡崎に配備』
http://www.chunichi.co.jp/article/aichi/20170531/CK2017053102000056.html
2017年5月31日8時0分に読売新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
愛知県と岡崎市は、大規模災害に備え全国で唯一、同市消防本部に配備されている全地形対応車「レッドサラマンダー」の活用策の検証を開始すると発表した。
2013年の配備以来、一度も出動の機会がなく、6月1日からは、県内に大雨・洪水警報が発令された時などにも出動させるという。
レッドサラマンダーは、2両の車体を前後につないだ形で、ゴム製の無限軌道により、壊れた家屋、地割れなどでずたずたになった地面や深さ1・2mまでの浸水も踏破し、10人までの救助隊員や負傷者、救助用資機材などを運ぶことができる。
11年の東日本大震災の教訓から、消防庁が搬送用トラックを含め9765万円で購入。
南海トラフ巨大地震など、緊急消防援助隊が出動する大規模災害が発生した場合、国内どこにでも駆けつけられるよう、日本の真ん中の岡崎に配備した。
シャープな前面のデザイン。真っ赤な塗装で、くねくねと地をはうトカゲのイメージから「レッドサラマンダー」と呼ばれ、ミニチュアカーが発売されるなど注目を集めてきたが、その後起きた鬼怒川の氾濫や広島の土砂災害などにも出動せず、宝の持ち腐れ状態だった。
同車は全長8m72cm、全幅2m26cm、全高2m66cmで、総重量は約12トン。
最高時速50kmで走り、最大60cmの段差を乗り越えることもでき、がれきが散乱し、津波で浸水した災害現場へ向かう能力が期待されている。
大村知事は29日の記者会見で、「せっかくこれだけのものを作ったのだから、出動回数を増やして、災害発生前から発生後までの効果的な運用のあり方を検証したい」と述べた。
検証では、県内で大雨・洪水警報などが発令されたときに県が出動を判断し、実際に運用を重ねて性能を生かす活用策を考える。
期間は、梅雨や台風による出水が予想される6月1日から10月31日まで。
消防庁広域応援室の佐藤課長補佐は、「一度も出動しなかった反省もあっての検証。愛知県でも毎年のように浸水被害が起きており、普通のポンプ車では対応できないケースも多い。警戒活動も含めて出動し、メリット、デメリットを試してみたい。使い勝手が悪ければ新しい車両のあり方を考える」と話す。
また、市消防本部消防課の半田副課長は、「これまで市民の目に触れる機会があまりなかったが、活躍する姿を見てほしい」と話している。
出典
『日本の真ん中に配備、災害対応車…でも出動ゼロ』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20170530-OYT1T50108.html
2017年5月31日18時50分に産経新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
31日午前11時ごろ、東京都品川区八潮のコンテナ置き場で、会社員の男性(45)が落下したコンテナの下敷きになった。
男性は都内の病院に運ばれたが、まもなく死亡が確認された。
警察によると、男性はコンテナの修繕作業中だった。
別の会社の作業員がフォークリフトで移動させていた空のコンテナが何らかの原因で落下し、男性が下敷きになった。
警察は、業務上過失致死の疑いも視野に状況を調べている。
コンテナは重さ約3840kg。
約3mの高さから落下した。
出典
『コンテナ落下で作業中の男性死亡 品川』
http://www.sankei.com/affairs/news/170531/afr1705310032-n1.html
2017年5月31日19時42分にNHK岐阜から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
5月31日午前9時前、岐阜市野一色にあるバス停で、岐阜バスの路線バスの運転席横の降車口から乗客の笠松町の48歳の男性が降りようとした際、突然ドアが閉まって後ろから押し出されるように転倒した。
この事故で、男性は腕や足などを打つ、軽いけがをした。
岐阜バスによると、降車口のドアは運転席のハンドルの右側にある2本のレバーで開けたり閉めたりする仕組みになっているという。
54歳の運転手は、すぐに開け閉めできるようレバーに手をかけていたということで、会社側の聞き取りに対し、「ドアを閉めるほうのレバーに指がひっかかってしまった」と話しているという。
岐阜バスは「お客様にけがをさせてしまい、大変申し訳なく、おわび致します」とコメントしている。
出典
『バス降車時にドア閉まり乗客転倒』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/gifu/3083864421.html
2017年4月14日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第5報修正7として掲載します。
第4報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/6997/
(2017年6月5日 修正7 ;追記)
2017年5月30日付で毎日新聞埼玉版から、複数の爆発音の正体に関し、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
2月16日の発生初日に倉庫2階であった爆発音は、火災の影響でベルトコンベヤーが落下した衝撃音とみられることが分かった。
このほど、東京都内で開かれた国の検討会で、総務省消防庁が調査結果として報告した。
同庁によると、2階部分の壁や柱などに爆風の痕跡はなく、爆風が発生したという消防隊員の証言もなかった。
また、発生4日目の2月19日に確認された爆発音については、「火災で崩れた屋根から空気が入り込み、強い燃焼が起きた」と指摘した。
一方、同20日に建物南側であった破裂音は、「2、3階に焼けたスプレー缶が散乱していたことなどから、保管されていた缶が破裂した可能性がある」とした。
今回の火災では、爆発音により消防隊が倉庫内に立ち入れず消火作業が難航し、鎮火まで12日間かかる要因となった。
検討会では、今後、こうした現場で専門家の知識も活用しながら消火作業にあたる体制作りが必要だとの対策案が示された。
出典
『三好のアスクル火災 爆発音はコンベヤー落下衝撃音 /埼玉』
http://mainichi.jp/articles/20170530/ddl/k11/040/185000c
(2017年7月31日 修正8 ;追記)
2017年7月28日23時29分に毎日新聞から、指定数量以上の危険物を専用保管場所以外の場所に保管していた理由などについて、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
埼玉県警は28日、無許可で基準を超える量の危険物を倉庫に保管していたとして、倉庫を管理する子会社の「アスクル ロジスト」(東京都江東区)と、当時、倉庫の責任者だった同社の元物流センター長の男性(44)を消防法違反容疑で書類送検した。
容疑は、火災が起きた2月16日、消毒用アルコールや芳香剤など同法の基準の約5倍に相当する危険物286品目、1万2185点を倉庫に保管していたとしている。
倉庫の外には許可を受けた危険物専用の保管施設があったが、危険物に該当する商品も倉庫内に保管していた。
動機について男性は、「出荷の際に倉庫へ商品を移し替えるのに人手も時間もかかる。出荷作業に支障を生じさせないためだった」と説明したという。
県警によると、出火場所は倉庫1階にある廃段ボールの集積室だった。
作業中のフォークリフトのエンジンルームに入った段ボールの紙片がエンジンの熱で着火。
床に落ちて段ボールに燃え移ったとみられる。
出典
『アスクル倉庫火災 子会社と当時の倉庫責任者を書類送検』
https://mainichi.jp/articles/20170729/k00/00m/040/097000c
7月28日と29日付で朝日新聞(聞蔵)からは、やや詳しい着火メカニズムが、下記趣旨でネット配信されていた。
端材室から段ボールを持ち出す際に使われていたフォークリフトを調べたところ、エンジンルーム内に段ボール片が混入していた。
県警が実験すると、エンジンと消音器をつなぐ接続部の温度が400℃以上になることが確認された。
県警は、段ボール片がこの接続部に付着した状態で作業員がエンジンをふかし、過熱して発火。
室内の他の段ボールに燃え移ったとみている。
7月29日8時56分に産経新聞からは、県警は業務上失火容疑での立件は見送ったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。を
出火原因をめぐっては、フォークリフトのエンジンルーム内に段ボール片が入り込み、エンジン付近の高温になる金属製の管に触れて発火、床にある他の段ボールに燃え移ったとみている。
火災が起きた端材室は、多量の段ボールが堆積。
高さ約3mもの段ボールが積み上がっていることもあったという。
県警は業務上失火容疑でも捜査していたが、
▽同型機種のフォークリフトで同様の事故が起きていない
▽エンジンルーム内に紙片が入ることが予想できない
▽フォークリフトを端材室に導入し火災が起きたケースがない
の3点から立件見送りを決めた。
一方、県警はフォークリフトが出火元になったとみられることから、フォークリフトの製造事業者らが参加する一般社団法人「日本産業車両協会」に火災の経緯について情報提供。
再発防止のための注意喚起を依頼した。
出典
『アスクル火災 「余分な労力かかる」 書類送検の男性供述 「効率化」重視し過ぎ、消防法違反』
http://www.sankei.com/affairs/news/170729/afr1707290002-n1.html
(2022年3月18日 修正9 ;追記)
※別火災事例に合わせ、報道されていた。
作業リーダーがメンバーを集め避難口まで誘導していた。
https://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/12359/
(2023年4月28日 修正10 ;追記)
2023年4月26日21時0分に毎日新聞からは、段ボールの上でフォークリフトの前進後退を繰り返していた業者に51億円の損害賠償命令が出たなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
火災は資源回収業者の過失が原因だとして、アスクルが業者側に約101億円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は26日、業者の「M」(愛知県清須市)に約51億円の賠償を命じた。
平城恭子裁判長は、宮崎の従業員が運転していたフォークリフトが車体に段ボールを巻き込み、出火したことが火災の原因と認定した。
判決によると、火災は17年2月16日午前9時ごろに発生。
12日後に鎮火し、3階建ての倉庫(延べ約7万1800平方メートル)の約60%を焼損した。
M社の従業員が段ボールが積まれた部屋でフォークリフトの前進と後退を繰り返したところ、床にあった段ボールが車体の隙間(すきま)に混入し、エンジンルームの排気管に接触して着火した。
M社側は「段ボールが混入して着火することは予見できなかった」と主張したが、判決はフォークリフトの取扱書に「燃えやすい物の上に車両を乗り入れてはいけない」などの注意事項が記載されていることから、火災発生を予見できたと結論付けた。
焼けた倉庫や商品などから損害額は約125億円と算定。
アスクルの従業員が誤作動と誤解して火災報知機のスイッチを切ったことなどを考慮し、2割を減じた約100億円の賠償責任を宮崎が負うとし、アスクルが受領した保険金約49億円を差し引いた。
https://mainichi.jp/articles/20230426/k00/00m/040/292000c
4月27日1時11分に産経新聞からは、業者とは再生資源の販売契約を結んでいたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
アスクルなどによると、業者と段ボールなどの再生資源の販売契約を結んでいた。
火災当時、業者の従業員がフォークリフトで作業をしていた。
(キーワード:熱面発火)
2017年5月30日付で毎日新聞東京版から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
全国の体育館で、本来避けるべき水拭きやワックス掛けによる清掃が一般的に行われ、事故の原因になっているとの報告書を、消費者安全調査委員会(消費者事故調)が29日、まとめた。
水拭きなどの水分で木製の床板が変形、木片が剥離して利用者の体に刺さる事故が起きていることから、事故調は文部科学省に対し、各施設に適切な管理方法を改めて周知するよう求めた。
事故調がこれまでに把握した重大な事故は7件。
バレーボールやフットサルをしていた利用者が床に滑り込んだ際、はがれた床板が体に刺さって大けがをした。
長さ30~40cmの木片が肺や胃を貫通する例もあった。
完成から2年の、新しい施設でも起きていた。
事故があった体育館を調べたところ、
▽水拭きやワックス掛けを行っている
▽雨漏りがある
▽湿気がこもりやすい
など、水の影響が確認された。
木は水分を吸収すると膨張し、乾くと収縮する。
この繰り返しにより、床板が反ったり割れたりし、はがれやすくなったと考えられる。
長期使用による老朽化が原因とみられるケースもあった。
木製板の体育館の水拭きやワックス掛けは、日本体育施設協会がガイドラインで禁止している。
一方、事故調が全国の学校と、学校外の公共体育館計2800施設(有効回答数2242施設)を対象にアンケートをしたところ、学校では半数近い46%、公共体育館の42%がワックス掛けをしていた。
定期点検を行っていない学校も20%、公共体育館は49%あった。
【体育館の床板による主な負傷事故】
2006年8月 岐阜市の県立高体育館
バレー部のレシーブ練習中、男子生徒の胸に刺さり、10日間入院
2011年7月 相模原市の中学校体育館
バレー部のレシーブ練習中、女子生徒の胸に刺さり、7日間入院
2013年 東京都内の中学校体育館
レシーブ練習中に生徒の腹部に刺さり、胃や腸を貫通し、27日間入院。手術後に腸閉塞(へいそく)発症
2013年5月 大阪市内の体育館
レシーブ練習中、社会人の男性の腹部に刺さり、4日間入院
2014年4月 宮崎県都城市の体育館
バレーの大会でレシーブをした高3の男子生徒の腹部に刺さり、12日間入院
2015年4月 富山県射水市の大学の体育館
フットサルの練習中、男子学生の背中に刺さり肺を貫通し、24日間入院
※事故調の報告書や過去の報道に基づき作成
出典
『体育館 床はがれ事故 水拭きやワックスがけダメ 内臓貫通も』
https://mainichi.jp/articles/20170530/ddm/012/040/081000c
5月29日20時22分に朝日新聞からも同趣旨の記事が、不具合の生じた床板の写真3枚付きでネット配信されていた。
学校や公共体育館を対象に16年に実施したアンケートでは、学校と公共の体育館それぞれ5%で日常的に水拭きをしていたという。
出典
『体育館、水拭きはしないで はがれた床材が刺さる事故も』
http://www.asahi.com/articles/ASK5Y4HN7K5YUTIL01N.html
(ブログ者コメント)
〇消費者事故調が調査を開始するという記事、ならびに毎日新聞に掲載された最近の事例のうち東京都以外の事例は、本ブログでも過去に紹介している。
〇この問題については、これで一段落した感があるので、今後は特段のものでないかぎり、掲載を割愛する。
2017年5月31日付で朝日新聞宮崎全県版(聞蔵)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
5月30日22時13分にNHK宮崎からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
30日午前9時35分ごろ、日向市のH製錬所の制御室でモニター監視中の作業員が、ベルトコンベヤー上を流れる石炭に混ざった金属を取り除く磁選機の異常を示す信号に気付いて現場に駆け付けたところ、同社員のHさん(男性、42歳)が磁選機と鉄製の防護柵の間に挟まれていた。
Hさんは胸を強く圧迫され、意識不明の状態で救急車で市内の病院に運ばれ手当てを受けていたが、およそ9時間後の30日午後7時前、死亡した。
磁選機(約1m四方、厚さ60cm)は鉄製で、天井から床上125cmの高さに吊られ、防護柵(高さ約1m)の内側のベルトコンベヤーと垂直の方向に動いていたという。
警察によると、Hさんは当時、見回りの途中だったということで、警察が当時の詳しい状況を調べている。
出典
『工場で機械に挟まれ従業員死亡』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/miyazaki/5063837642.html
2017年5月29日18時59分に産経新聞westから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
津市が発注した道路の工事中に建設会社従業員の男性(51)が左足を切断するけがを負ったのは、市が工事の安全を確保する義務を怠ったのが原因として、男性が約1億300万円の損害賠償を市に求めた訴訟の判決で、津地裁は29日、8900万円の支払いを命じた。
岡田裁判長は判決理由で、工事を監督する津市の職員は、現場にあった石積みの擁壁が崩落し、作業員の安全が脅かされる危険性を認識できたと指摘。
「安全が確保されるまで工事の一時中止を指示すべき義務を怠った」と結論付けた。
判決などによると、男性は平成24年3月、深さ約1.4mの側溝の中で掘削作業に当たり、掘削で支えを失ったため近くにあった高さ約1mの石積みの擁壁が崩れ、左足を切断するけがを負った。
津市の前葉市長は、「主張が認められず誠に遺憾。市の工事監督は適切だったと考えており、控訴も含め適切に対応する」とのコメントを出した。
出典
『工事中に足切断、津市に8900万円賠償命令 津地裁』
http://www.sankei.com/west/news/170529/wst1705290058-n1.html
5月29日20時14分に時事通信からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
津市発注の道路整備工事の際、石壁の崩落で左足を切断した作業員の男性(51)が、市に計約1億300万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が29日、津地裁であった。
岡裁判長は市の安全配慮義務違反を認め、計約8900万円の支払いを命じた。
岡田裁判長は、工事を監督していた市職員が安全対策や工事の一時中止を指示しなかったと認定した。
市は、安全確保義務は受注した施工業者が一義的に果たすべきだと主張したが、同裁判長は退けた。
判決によると、男性は2012年3月16日、道路工事の掘削作業中に、斜面が崩れないように積まれた石の崩落に巻き込まれ、大けがのため左足を切断した。
出典
『津市に8900万円賠償命令=発注工事で労災事故-津地裁』
http://www.jiji.com/jc/article?k=2017052900961&g=soc
5月30日付で毎日新聞三重版からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
津市発注の道路工事で建設会社従業員として作業し、左足を切断するけがをした津市の男性(51)が、市は安全確保を怠ったとして約1億300万円の損害賠償を市に求めた訴訟で、津地裁(岡田裁判長)は29日、男性の主張をおおむね認め、市に約8900万円の支払いを命じた。
判決によると、津市美杉町下之川の側溝工事で、市から受注したS建設(津市)従業員として働いた男性が2012年3月、崩れた石積みと地面の間に挟まれて左足を切断するけがをした。
判決は、現場監督の市職員が崩落の危険性を認識できたと認定。
市は、「作業員の安全確保義務は施工業者が果たすべきで、事故発生の責めを負わない」と主張したが、岡田裁判長は、「市は作業員の安全確保の具体的な対策を指示し、確保されるまで工事の一時中止を指示する義務を負う」と退けた。
判決を受け、前葉市長は「市の主張が認められず遺憾。工事監督は適切に行ったものと考えており、内容を精査して控訴も含めて対応する」とのコメントを発表した。
出典
『津の道路工事事故 市に8900万円賠償命令 地裁判決 /三重』
https://mainichi.jp/articles/20170530/ddl/k24/040/201000c
5月30日付で朝日新聞三重全県版(聞蔵)からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
男性は、崩れた壁と溝の壁面に左足の太ももを挟まれて骨折し、足を切断した。
市の担当者は、壁の地中の根入れが浅く、掘削を続ければ崩れる危険があると認識していたにもかかわらず、男性が所属する建設会社に安全策を指示しないまま工事を続けさせた。
市の主張に対し、判決は「具体的な危険があるにもかかわらず、建設会社が漫然と工事を進める場合にこそ、市が事故回避のため、具体的な指示を出すべきだ」と退けた。
(2017年6月11日 修正1 ;追記)
2017年6月6日付で朝日新聞三重全県版(聞蔵)からは、市が控訴したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
市は5日、判決を不服として控訴した。
市は、「市職員が安全対策を指示したにもかかわらず、受注業者が具体的な対策をせずに工事を続けたことで事故が発生したもので、市が責任を負うものではない」と主張している。
2017年5月30日20時12分にNHK岩手から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
29日午後6時すぎ、盛岡市上田にある岩手大学理工学部のキャンパスにある「地域連携推進センター」の2階にある共同実験スペースで爆発が起きた。
施設は、産学官の連携の一環として、岩手大学と中小企業が共同研究を行う場所。
実験室の机の上には、化学実験で使う「電子計量器」や壊れた薬品の容器などの破片が散乱していた。
この事故で、盛岡市で硫黄化合物などの製造や販売を行う「I化学研究所」の30代の男性社員が左手と顔にけがをした。
この事故を受けて警察と消防は、30日午前中、およそ20人体制で現場検証を行った。
警察は現場の状況などから、男性社員が1人で薬品を使った実験中に、使っていたガラスの容器が爆発の衝撃で割れて飛び散り、けがをしたとみて詳しく調べている。
また、男性社員が勤める「I化学研究所」の森社長は、「地域住民や大学にも多大なご迷惑をおかけした。けがをした社員や家族には誠意をもって対応するとともに、警察や大学などによる事故の調査結果をもとに今後の対策を考えたい」とコメントしている。
出典
『爆発でガラス容器飛び散りけがか』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/morioka/6043814781.html
5月30日付で河北新報からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
29日午後6時5分ごろ、盛岡市上田4丁目、岩手大理工学部の地域連携推進センター棟実験室で爆発事故があった。
硫黄化合物製造「I化学研究所」(盛岡市)の30代の男性研究員が顔と左手にけがをした。
消防によると、研究員は1人で実験しており、薬品を混ぜていたところ、突然爆発したという。
出典
『岩手大実験室で爆発、男性研究員負傷』
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201705/20170530_33035.html
(2017年6月13日 修正1 ;追記)
2017年5月31日付の岩手日報紙面に、刺激で爆発する可能性のある物質を精製していた可能性があるという、下記趣旨の記事が掲載されていた。
男性は、飛び散ったガラス片で顔や手などに大けがを負ったとみられることが、消防などへの取材で分かった。
男性がフラスコを持って実験中に爆発した可能性があり、フラスコには白い粉が残っていた。
消防によると、男性は先週、2種類以上の物質を分子レベルで、低コストで結合させる実験を行っていた。
この技術で生成した化合物は、何らかの刺激で爆発する可能性があり、29日もこの化合物を使って実験したか調べている。
岩手大は29日、全教職員に対し、化学物質を取り扱う実験への注意を促す文書をメールで通知した。
2017年5月29日23時56分に産経新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
29日午後3時25分ごろ、茨城県日立市国分町にある日立製作所の工場内で、高所作業台が高さ約8m付近で横転、乗っていたテント関連会社の作業員3人が転落し、このうち東京都渋谷区のNさん(男性、64歳)が死亡、48歳と53歳の男性が手首骨折などの重傷を負った。
警察は、安全管理が適切だったかなど、事故の経緯を詳しく調べている。
警察によると、3人は可動式の作業台に乗り、天井に取り付けられている空調用の開閉式テントを途中まで下ろして修理していた。
テントと作業台はロープでくくり付けられており、修理が終わった後、地上にいた別の男性作業員(72)がスイッチ操作でテントを引き上げたところ、ロープが引っ張られて作業台がバランスを崩し、横転したとみられる。
出典
『作業員3人が転落し死傷 茨城、日立製作所の工場内で作業台が横転』
http://www.sankei.com/affairs/news/170529/afr1705290034-n1.html
5月30日6時23分にNHK首都圏からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
29日午後3時20分ごろ、日立市国分町にある日立製作所の変圧器を製造している工場で、天井の一部を開閉して空気を入れ換える空調装置の修理に使用していた高さおよそ8mの高所作業車が倒れた。
この事故で、高所作業車に乗って作業していた東京・渋谷区のNさん(男性、64歳)が病院に運ばれたが、体を強く打つなどして1時間半後に死亡した。
また、Nさんと一緒に高所作業車に乗って作業をしていた作業員の男性2人が、手の骨を折るなどの大けがをした。
警察によると、当時は高所作業車と天井の空調装置をロープで結んで作業をしていたということで、作業が終わり、別の作業員が誤って装置を動かしたところ、高所作業車が倒れたという。
警察は、高所作業車がバランスを崩して倒れたとみて、事故の詳しい原因を調べている。
出典
『高所作業車倒れ1人死亡2人けが』
http://www.nhk.or.jp/shutoken-news/20170530/3821801.html
2017年5月30日付で毎日新聞千葉版紙面に、下記趣旨の記事が掲載されていた。
5月30日10時24分に千葉日報からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
29日午前11時ごろ、千葉市美浜区の全農関連会社の食品加工業「P社」工場で、40代女性従業員が水洗い清掃していたミキサーに上半身を巻き込まれた。
女性は意識不明の重体。
警察によると、ミキサーはポテトサラダ製造用で直径約80cm、深さ約90cmで、中でプラスチックのへらが回転する仕組み。
悲鳴を聞いた同僚が119番した。
警察が、安全管理に問題がなかったか調べている。
出典
『ミキサーに挟まれ重体 千葉市の工場従業員』
https://www.chibanippo.co.jp/news/national/411816
2017年5月31日付で伊勢新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
鳥羽水族館(鳥羽市鳥羽三丁目)が運営する飲食店「B」で、小麦と乳製品が使われたカレーを食べた2歳の女児が食物アレルギーを発症していたことが、30日、水族館への取材で分かった。
アレルギーに配慮していることを示す「アレルギー対応」とメニューに表示していたにも関わらず、アレルギーの一部原因となる小麦と乳製品がカレーに含まれていた。
女児は一時的な呼吸困難となったが,現在は落ち着いているという。
同館によると、女児は今月28日、愛知県から母親と2人で来館。
昼食にカレーを食べて、アレルギーを発症したという。
女児は呼吸困難やじんましん、顔の腫れなどの症状があり、母親が伊勢市内の病院に搬送した。
女児の呼吸は落ち着いたものの、顔の腫れや下痢などの症状が残っているという。
女児が食べたのは「ワニカレー」というメニュー名のカレー。
同館では、春の大型連休(ゴールデンウイーク)まで、このカレーについては低アレルギーのルーを使用していたが、今月8日から小麦や乳製品を含む通常のルーに切り替えたという。
しかし、「アレルギー対応」の表示は残したままだった。
同館は成分を確認するため、このカレーの販売を中止している。
同館は29日に母親に直接謝罪した。
公式ホームページで経緯などを掲載。
担当者は、「ご迷惑をおかけし、深くお詫び申し上げます。今後、アレルギー物質や対応を学ぶ教育を徹底し、販売と管理体制を強化していく」としている。
出典
『カレー食べ、アレルギー発症 2歳女児、メニュー誤表記 鳥羽水族館』
http://www.isenp.co.jp/2017/05/31/3864/
5月31日11時52分に中日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
三重県鳥羽市の鳥羽水族館は、館内の直営レストランが提供したカレーの食物アレルギーに関する表示を誤り、これを食べた愛知県内の女児(2つ)が呼吸困難や下痢、顔の腫れなど、小麦粉や乳製品に対するアレルギーを発症したことを明らかにした。
30日にホームページで発表した。
同館によると、女児は28日昼ごろ、母親と「ワニカレー」を食べ、アレルギー症状が出たため、三重県伊勢市内の救急外来で治療を受けた。
現在も下痢の症状が残っている。
「アレルギー対応」だったカレーのルーを8日に「アレルギー非対応」に切り替えたが、店内の表示変更を怠っていた。
同館は、連絡を受けた28日午後3時すぎにカレーの提供を中止したが、既に96食を販売しており、注意を呼び掛けている。
今回の問題を受け、同館が直営2店のメニューをチェックした結果、材料に7大アレルゲンを含むメニュー5点も「アレルギー対応」と誤った表示で提供していたため、販売をやめた。
同館は「販売や管理体制を強化し、再発防止に努めたい」と話している。
出典
『鳥羽水族館がアレルギー誤表示 カレー食べた2歳児発症』
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2017053190115239.html
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2017年5月26日15時3分にNHK NEWS WEBから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
去年、宮崎市で、市が所有する土地の草刈りを行ったあとマダニが媒介するウイルスの感染症で死亡した60代の嘱託職員の男性について、市は「公務災害」に当たるとして、遺族への一時金などの支給を決めた。
公務災害が認められたのは、宮崎市高岡総合支所の嘱託職員だった60代の男性。
宮崎市によると、この男性は去年9月、業務として市が所有する土地の草刈りを行い、翌月になってマダニが媒介するウイルスによる感染症、SFTS=「重症熱性血小板減少症候群」で死亡した。
男性の体にダニにかまれた痕があったことや、発症した時期などから、市は、草刈り中にマダニにかまれてSFTSを発症したと判断し、今月15日付けで公務災害に認定した。
今後、市は、男性の遺族に一時金と遺族補償年金を支給することにしている。
宮崎市は、「このような公務災害が起きないよう、安全管理をさらに徹底したい」としている。
出典
『ダニ媒介の感染症で死亡の職員に公務災害認定 宮崎市』
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170526/k10010995821000.html
5月26日14時52分に産経新聞westからも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
宮崎市の嘱託職員の60代男性が昨年、市有地の草刈り中にマダニにかまれてウイルス感染して死亡し、公務災害と認定されたことが、26日、分かった。
遺族には一時金計2200万円などが支払われる。
市によると、男性は昨年9月、市有地で草刈りした後、腰痛や発熱の症状が出た。
10月に入院先の病院で死亡し、マダニが媒介するウイルス感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」と診断された。
右足首にマダニにかまれた痕があり、症状が出た時期などから草刈り業務中にかまれたと推測され、市が今月15日付で公務災害と認定した。
出典
『マダニ感染死は「公務災害」宮崎市職員、草刈り中にかまれる』
http://www.sankei.com/west/news/170526/wst1705260054-n1.html
(ブログ者コメント)
マダニの危険性については、今月、本ブログで紹介したばかり。
その後も何件か死亡事故が報道されている。
2017年5月26日12時8分にNHK大分から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
5月27日付で毎日新聞大分版からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
26日午前0時40分ごろ、大分市西ノ洲にある新日鉄住金大分製鉄所から「コークス炉付近で炎があがっている」と消防に通報があった。
消防と製鉄所の自衛消防隊が消火にあたった結果、火はおよそ2時間後に消し止められた。
この火事によるけが人はいなかった。
燃えたのは、石炭を無人で炉に運ぶための軌道用車両「装入車」(縦・横およそ13m、高さがおよそ6m)の運転室などで、警察と消防は26日朝から現地を訪れ、出火原因を詳しく調べた。
同製鉄所によると、午前0時25分ごろ、設備故障のアラームを聞いた社員が工場内を確認し、火災に気づいたという。
「コークス炉」は、石炭を燃やして鉄の生産に必要な「コークス」を作るための設備で、この火事の影響で大分製鉄所は、5つあるコークス炉のうち1つの操業を停止している。
同製鉄所では、ことし1月に造船用などの鋼材を生産する主力工場の1つが燃えるなど、火事が相次ぎ、ことしに入って火事は今回で5回目。
同製鉄所は、「火災が続き、近隣住民や関係者の皆様にご迷惑をおかけして申し訳ありません。原因を明らかにして再発防止に努めます」とコメントしている。
出典
『新日鉄 ことし5回目の火災』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/oita/5073729192.html
『火災 新日鉄住金大分、軌道用車両焼く /大分』
http://mainichi.jp/articles/20170527/ddl/k44/040/357000c
5月27日付で朝日新聞大分全県版(聞蔵)からは、事故原因に関する、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
火災があったのは、5つあるコークス炉のうちの3号炉。
一つの炉に「炭化室」と呼ばれる穴が並び、装入車が線路上から石炭を投入する。
石炭を入れる際に炭化室の蓋が開き、投入時以外は閉じている。
捜査関係者によると、当時、炭化室の蓋が開いたままだったことなどから、炭化室から吹き上げた熱風で装入車が焼けた可能性もあるとみて調べている。
5月26日14時15分に日本経済新聞からは、下記趣旨の解説的叱咤記事がネット配信されていた。
新日鉄住金の大分製鉄所で火災が相次いでいる。
26日未明、鉄鋼原料の石炭を蒸し焼きにする「コークス炉」付近から炎があがった。
生産設備には大きな被害がない模様だが、現時点で稼働再開のメドはたっていない。
大分製鉄所では、今年1月に造船向けなどに使う厚板工場で大規模な火災が発生するなど、今年に入ってからの火災は6件目。
信頼回復に向け、抜本的な再発防止が求められている。
26日午前0時半すぎ。大分製鉄所の作業者から市消防局に「119番」通報が入った。
火災が発生したのは、5つあるコークス炉の1つ「第3コークス炉」近くの無人運搬車。
人的被害はなく、約2時間後に鎮火したという。
消防と警察は朝から出火状況や原因の調査に入っており、同製鉄所は「生産設備そのものに被害はないが、原因究明のため設備を止めている」としている。
今年1月5日発生した大分製鉄所の厚板工場での大規模火災。
厚板を伸ばす機械を制御する電気盤に内蔵された機器が異常な動作を起こし、発火。
その後、燃え広がった。
初動対応が遅れたこともあり、鎮火までに要した時間は1日半。
設備の損傷が激しく、復旧は8月になる見通しだ。
設備の更新や他拠点への振り替え生産などで、18年3月期まで約280億円の減益要因になるなど、経営への打撃も大きい。
大分製鉄所では、消防に通報する事態になった火災が、今年になってから合計で5件発生。
着衣の火災など小さなものもあるが、半年弱の期間に1つの製鉄所で6件も火災が発生するのは異常な事態と言える。
それぞれの原因は異なるが、26日の火災を受け、鉄鋼業界関係者からは驚きの声が広がった。
「これだけの短期間に連続する火災は聞いたことがない。現場の緊張感が保てていないと思わざるを得ない」との厳しい声も聞こえてくる。
鉄鋼大手3社では2016年に9件の死亡事故が発生し、このうちの7件が新日鉄住金だった。
相次ぐ合併で、多くの工場を抱えているとはいえ、労災の多さは業界で突出している。
新日鉄住金の進藤社長は17年を「安全体質特別強化年」と位置付けていたが、事態打開に向けて早くも正念場を迎えている。
「ハインリッヒの法則」――。
1つの重大事故の背後には29の軽微な事故があり、さらにその陰には300の異常事態があると言われる。
軽微な異常やトラブルを見逃さず、教訓として重大事故を回避するため、多くの製造業で参考にしてきた考え方だが、新日鉄住金は小さなトラブルをつぶし切れていない。
設備の老朽化、団塊世代の大量退職…。
災害の発生の原因は複雑に絡まっているが、鉄鋼盟主として、いま一度、全拠点の生産設備や生産工程の総点検が必要だ。
出典
『大分で今年6度目の火災 新日鉄住金に必要な「総点検」』
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ26HIH_W7A520C1000000/?n_cid=NMAIL002
(ブログ者コメント)
〇本ブログでは今年に入ってからの火災3件を紹介スミ。
残る1件は上記記事にある着衣火災と思われる。
1月 5日 厚板工場で大規模火災
2月28日 石炭を運ぶベルトコンベヤーで石炭がくすぶる
3月 8日 溶接時の火の粉が保温材に入り発煙
〇続く時には続くことがある産業界の事故。
同じ製鉄業界では、2015年に千葉市のJFEで人身事故や火災などの事故が続発した。(本ブログ掲載スミ)
2017年5月25日8時50分に山形新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
公立置賜総合病院(川西町)は24日、昨年6月に患者の60代男性から採血した際、重度のやけどを負わせたことを明らかにした。
医療従事者の過失により、予定外の治療を要する中程度の「レベル3b」の医療事故として、院内の基準に基づき公表した。
同病院によると、男性は脳梗塞で左半身がまひしており、看護師が採血しやすいよう手や手首の甲に温めたタオルを置いて血管を広げる「温罨(おんあん)法」を行った際、まひのある左手に重度のやけどを負った。
当初は、まひのない右手に温罨法を行ったが、採血がうまくいかなかったため、通常は好ましくないまひした部位に施した。
さらに、タオルの温度がガイドラインに定められている40℃前後より高かった可能性があるという。
これを受け、同病院は
▽温罨法を実施する際は温度確認を徹底する
▽患部がまひしているなど意思表示ができない患者への処置には、一層慎重を期す
といった改善策を講じた。
同病院は、患者への影響の程度によって、医療事故をレベル0~5の8段階に分類。
公表基準に基づき、死亡や障害が残るなど「5」「4」該当の重大事故は個別に明らかにし、「3b」は年度ごとに一括公表している。
出典
『採血時、やけど負わせる 置賜総合病院で昨年6月、中程度事故』
http://yamagata-np.jp/news/201705/25/kj_2017052500528.php
2017年5月26日19時36分に大分放送から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
5月26日18時32分にNHK大分からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
25日午後7時半頃、中津市の港に停泊していた砂利運搬船の浮力を調整するタンクの中で、いずれも福岡市の会社員、MさんとTさん(いずれも60代の男性)が心肺停止の状態で見つかり、搬送先の病院で死亡が確認された。
当時、タンク内を消防が調べたところ、通常より酸素濃度が低下していて、検死の結果、死因は酸素不足による窒息死だったことが分かった。
警察によると、2人は運搬船から砂利を下ろす作業を行った後、船体が沈んだままの状態に感じたため、船底に水がたまっていないかを確認していたという。
警察は、運搬船に乗っていた同僚3人から当時の状況を聴くなどして、詳しい経緯や、安全管理体制に問題がなかったかを調べている。
出典
『砂利運搬船で死亡の作業員2人は窒息死』
http://www.e-obs.com/news/detail.php?id=05260037607&day=20170526#news
『砂利運搬船 2人死亡は窒息死』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/oita/5073728802.html
2017年5月26日15時1分にNHK首都圏から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
全国のエレベーターで、整備不良などによる事故があとを絶たないことを受けて、建物の所有者や管理者を対象にした維持管理のための国の初めての説明会が開かれ、11年前のエレベーター事故で息子を亡くした母親が保守点検の重要性を訴えた。
この説明会は、国土交通省が25日と26日開き、自治体やマンション管理会社の担当者などが参加した。
説明会には、11年前の平成18年、東京・港区のマンションでシンドラーエレベータ社のエレベーターが扉が開いたまま突然上昇した事故で、当時高校2年生だった市川さん(男性、当時16歳)を亡くした母親が講演した。
11年前の事故は、設計上の問題に加えて、維持管理が不十分だったことも事故の要因だったと指摘されていて、市川さんの母親は、製造会社がエレベーターの保守会社に点検のマニュアルを渡していなかったと説明した上で、
「十分な情報で保守点検をしていたら防げた事故だと思います。夢も希望もすべて奪われてしまった憤り、悔しさ、悲しみ、無念の思いは絶対に消えることはありません。」
「エレベーターの維持管理は、製造者、保守業者、管理業者、それに所有者すべてにとっての問題だと考えています。今後、維持管理の重要性が広く浸透するように願っています。」
と述べて、適切な維持管理の重要性を訴えた。
国交省によると、平成18年以降、国の調査部会が重大事故として報告書をまとめた17件のエレベーター事故のうち15件で、部品の欠陥などに加えて、維持管理にも問題があったと指摘されたという。
国交省の担当者は、新たに作成した維持管理の解説書をもとに、エレベーターの計画的な修繕予定を作っておくことや、マンションの管理組合も保守管理会社との契約内容を把握しておくことが重要だと指摘した。
11年前に東京・港区で起きたエレベーター事故を受けて、国交省は平成21年に法律を改正し、新たに設置するエレベーターについては、ブレーキの二重化や、扉が開いたまま動き出した場合に自動的に止まる装置の設置を義務づけた。
また、数100項目の法定点検の際の基準を具体的に定めて、ブレーキの摩耗状況や不具合の写真の報告なども義務付けた。
しかし、その後もエレベーター事故は全国で相次ぎ、11年前の東京・港区の事故を含めて、国の調査部会が重大な事故として報告書をまとめた事故は17件に上り、あわせて4人が死亡、6人がけがをしている。
国交省によると、このうち15件は、設計上の問題などに加えて、維持管理にも何らかの問題があったと指摘されているという。
6年前の平成23年7月に東京メトロ有楽町線の平和台駅で起きたエレベーターの落下事故では、ロープのさびが進んで断線していたにも関わらず、点検の際に交換せず、使い続けていたことが主な要因だと指摘された。
全国におよそ73万台あるエレベーターのうち、ブレーキの二重化などの装置が備わっているのは、およそ15万台にとどまっていて、国交省建築指導課の深井昇降機等事故調査室長は、「11年前の事故のあとも、維持管理の面で適切でないことが原因で重大な事故が起きている。ビルの所有者やマンションの管理組合も、保守管理会社にどういうことを依頼し、どういう責任で維持管理をやってもらうのか明確にしておくことが重要だ」と話している。
一方で、エレベーターの維持管理を行っている企業でも、11年前の事故以降、さまざまな技術開発を進めている。
都内に本社がある大手ビルメンテナンス会社では、従来の点検に加えて、エレベーターのドアの開閉やブレーキの動作状況を遠隔で監視し、閉じ込めなどに対応するシステムを導入している。
さらに、おととしからは、エレベーターの各部品の状態をリアルタイムで送って、維持管理する新たなシステムを開発した。
例えば、ドアを開閉させるベルトの緩みを0.1mm単位で把握し、ドアのレールにゴミがたまっているといった故障につながる状況も把握できるという。
さらに、維持管理している全国のおよそ13万6000台のエレベーターから送られてくる大量のデータ=ビッグデータを活用して、エレベーターのロープの交換時期を事前に算出するなど、人による見逃しやミスの防止にもつなげようとしている。
日立ビルシステムの狩野保全技術部長は、「痛ましいエレベーターの事故は絶対に起こしてはいけないと考えており、今後は人工知能=AIも活用し、安全にエレベーターに乗って頂けるよう、高度な維持管理を実現したい」と話している。
出典
『エレベーター維持管理初の説明会』
http://www.nhk.or.jp/shutoken-news/20170526/3702381.html
2017年5月25日21時54分に日テレNEWS24から、岡谷市事例に関し、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
25日午後2時半ごろ、岡谷市湊の岡谷南部中学校で理科の実験を行っていた2年生の男女12人が喉の痛みなどを訴えて、病院に運ばれた。
実験は、鉄と硫黄を混ぜてアルミホイルで包んだ後、ガスバーナーで加熱するもので、生徒たちは発生した気体を吸い込んだ。
搬送された生徒全員が経過観察のため入院しているが、軽症。
長野県内では、19日に塩尻市の中学校で2年生3人が硫化水素を発生させる実験の後、体調不良を訴え、病院に運ばれている。
この事故を受け、中学校は教員に注意を呼び掛けていたという。
出典
『岡谷市の中学校で理科実験中に12人搬送』
http://www.news24.jp/articles/2017/05/25/07362501.html
5月25日20時7分に朝日新聞から、5月25日20時25分にNHK信州からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
記者会見した岡谷市教委の説明によると、授業は5時限目で、鉄と硫黄をアルミホイルに包んで加熱、硫化鉄を生成させる実験をしていた。
36人が参加したが、実験途中でせき込む生徒が出た。
岡谷南部中学校の小松亨校長は、「安全には万全を期していたが、このようなことになってしまい、体調を悪くした生徒には申し訳なく思っている。決められた手順に従って実験を行ったと聞いていて、現段階では、なぜ煙が出たのかわからない」と話している。
病院に搬送された女子生徒の母親は、「午後3時ごろ、『子どもが救急車で病院に運ばれる』と学校から電話があり驚いた。病院で娘は『(実験中に)煙が出て吸い込み、せきが出た』と話し、乾いた感じのせきをしていた」と語った。
出典
『理科実験中に体調不良、生徒12人搬送 長野』
http://www.asahi.com/articles/ASK5T5V0LK5TUOOB017.html
『理科の実験中12人のどの痛み』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/nagano/1013713762.html
5月25日19時53分にNHK埼玉からは、川口市事例に関し、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
25日午後4時前、川口市立戸塚西中学校から「理科の実験中に生徒が体調不良を訴えた」と消防に通報があった。
2年生の男子生徒と女子生徒、合わせて5人が、のどの痛みや頭痛などを訴え病院に搬送されたという。
市の教育委員会によると、このうち2人は治療を終えて帰宅しているほか、ほかの3人も会話ができ、症状は軽いとみられるという。
5人は同じクラスの生徒で、6時間目の理科の授業で鉄と硫黄を混ぜて加熱したものに塩酸を加えて硫化水素を発生させる実験をしていたという。
警察が、学校から話を聞くなどして当時の状況を調べている。
出典
『理科実験中に5人体調不良で搬送』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/saitama/1106080271.html
5月31日21時32分に日テレNEWS24からは、長野市事例に関し、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
5月31日17時57分にNHK信州からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
31日午前10時半すぎ、長野市青木島町の更北中学校で、理科の実験後2年生の男女30人のうち、男子3人が体調不良を訴えた。
学校は、この3人を保健室で休ませていたが、念のため、正午ごろ病院に搬送しようとしたところ、さらに男女8人が体調不良を訴えたという。
11人は長野市内の病院に搬送されたが、このうち4人が経過観察のため入院している。
全員、症状は軽いとみられている。
学校によると、授業では鉄と硫黄をアルミホイルで包んで加熱して「硫化鉄」を作る実験を行っていて、窓ガラスを開けるなどの対策をしていたという。
5月に入り、県内では、塩尻市と岡谷市の中学校でも同じような理科の実験で生徒が体調不良を訴えて病院に搬送されている。
長野県教育委員会では、29日付けで、実験の際には十分な換気を行うとともに、教師がしっかり状況を確認するなど、事故防止を求める通知を出していたという。
31日のケースを含めると、硫化鉄の実験で生徒が体調不良を訴えるのは3件目で、教育委員会は通知の内容を徹底するよう、市町村を通じて各学校に改めて周知することにしている。
出典
『中学校で理科実験後に体調不良 11人搬送』
http://www.news24.jp/articles/2017/05/31/07363017.html
『理科実験後に中学生11人搬送』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/nagano/1013870181.html
(ブログ者コメント)
〇塩尻市の事例は下記参照。
当該記事中、今後は特段の事例でないかぎり掲載割愛と書いたばかりなのだが・・・。
2017年5月25日掲載
2017年5月19日 長野県塩尻市の中学校で鉄と硫黄を混ぜた後に塩酸を入れて硫化鉄を作る理科の実験終了後、3人が体調不良を訴え病院へ、全員軽症
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/7153/
〇5月31日の日テレNEWS24では、どのような実験か、
映像で紹介されている。


















その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。