







2017年3月12日20時40分に産経新聞westから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
3月12日19時44分にNHK和歌山から、3月13日付で毎日新聞東京版からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
12日午前9時15分ごろ、和歌山県白浜町のレジャー施設「アドベンチャーワールド」で、アジアゾウの体を洗っていたタイ国籍の飼育員マディさん(37)が、ゾウが振り回した鼻に当たり、救急搬送された病院で約1時間後に、脳挫傷による死亡が確認された。
警察が、当時の詳しい状況を調べている。
警察によると、ゾウは40歳の雌のラリー(約3.5トン、高さは3m近い)。
当時、マディさんは開園準備のため、別のタイ人男性飼育員(53)とともに、おりの中でラリーを含む2頭のゾウの体を洗っていたという。
マディさんがラリーの顔付近を洗っていたところ、ラリーが嫌がったため鼻が当たっておりの鉄柵に飛ばされ、たたきつけられた。
ラリーはさらに、マディさんに襲いかかり、鼻で体を押さえつけたため、男性飼育員が救助。
マディさんは病院搬送時、すでに意識がなかったという。
施設は開園前で、客はいなかった。
施設はこの日、通常より5分遅れでオープンしたが、13、14日は臨時休園する。
ラリーは昭和53年の開園当初からこの動物公園で暮らしているが、飼育員にけがをさせたことはなかったという。
亡くなったマディさんはタイで10年以上、ゾウを飼育した経験があり、平成27年から同施設に勤務していた。
出典
『アジアゾウに襲われ、タイ人の男性飼育員が死亡 和歌山・アドベンチャーワールド』
http://www.sankei.com/west/news/170312/wst1703120022-n1.html
『ゾウの鼻にあたり飼育員死亡』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/wakayama/2044663341.html?t=1489348635244
『飼育員死亡 洗体作業中、ゾウにたたかれ 脳挫傷で 和歌山』
http://mainichi.jp/articles/20170313/ddm/041/040/075000c
2人は、体を横たえたラリーに水をかけてブラシで洗っていたが、ラリーが急に立ってマディさんに鼻を当て、金属製のおりの柱(直径約15cm)に押しつけたという。
出典
『象の鼻に当たり飼育員死亡 アドベンチャーワールド』
http://www.asahi.com/articles/ASK3D3TP5K3DPXLB00D.html
3月12日20時22分に同じ産経新聞westから、過去の大型動物をめぐる主な事故のリスト付きで、下記趣旨の解説記事がネット配信されていた。
動物園やサファリパークなどで飼育員がライオンやゾウなど大型動物に襲われる事故は、近年、全国的に相次いでいる。
千葉県成田市の動物プロダクションでは、今年1月、飼育員の男女2人が雄の成獣のライオンに襲われ重傷。
翌月には長野県小諸市の市動物園で、20代の女性飼育員が雌ライオンに顔や足をかまれ、大けがを負った。
今回のアドベンチャーワールドと同様、ゾウが絡んだ事故もあり、平成24年にはラオス人の男性飼育員が雌のアジアゾウに胸などを踏まれて死亡。
ゾウは穏やかそうな外見とは対照的に飼育員との事故が多い動物とされ、千葉県市原市の「市原ぞうの国」の広報担当者は、「体が大きく、わずかな動作でも飼育員の大けがにつながりやすい。信頼関係がなければ近づいてはいけないが、人間とのコミュニケーションを求める性格もある」と、飼育の難しさを強調した。
動物の行動に詳しい岩手大学の出口善隆准教授も、「雌ゾウは、発情期や排卵が近づくと、外部との接触を嫌がる傾向にある」と指摘。
その上で、全国的に大型動物の飼育事故が相次いでいることについて、「飼育下の動物でも、野性的な面は完全には排除できない。施設は飼育員の経験に頼るだけではなく、緊急避難の方法など対策を考えていく必要がある」と話した。
出典
『ゾウの飼育員死亡 「飼育下でも野性的な面は排除できない」 専門家が警鐘』
http://www.sankei.com/west/news/170312/wst1703120043-n1.html
3月14日17時50分にNHK和歌山からは、施設は飼育方法を変更するという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
施設では臨時休園して、事故の再発防止策を検討してきた。
その結果、今後は原則として飼育員がゾウと同じスペースに入らずに、柵の外から餌やりや体の洗浄などを行い、掃除の際には前もってゾウを別の場所に移動させることになった。
これを受けて、今月17日から営業を再開するが、来園者がゾウの背中の上に乗ったり餌を与えたりする催しについては引き続き休止し、安全対策の検討を進めるとしている。
日本動物園水族館協会によると、国内では、同じ飼育スペースに入ってゾウの世話を行う施設が多いということだが、アメリカでは、トレーニングを重ねることで、柵の外からでも飼育や健康チェックを行えるようにしている施設が増えているという。
今回の事故を教訓に、誰もが安心できる飼育方法を検討することが、改めて求められている。
出典
『ゾウの事故で飼育方法を変更』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/wakayama/2044710691.html
(ブログ者コメント)
産経新聞westに掲載されている事故リスト中、いくつかの事例は本ブログでも紹介している。
2017年3月10日8時27分にNHK福岡NEWS WEBから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
九州大学の研究グループは、ドイツで開発されたものの、まだ広く普及していない鉄鋼材料が、動物の骨に似たしなやかな構造を持ち、金属疲労に強いことを発見したと発表した。
九州大学大学院の津崎兼彰教授や小山元道助教らのグループは、ドイツの研究所が2008年に発表したものの、まだ広く普及していない鉄鋼材料に注目し、金属疲労の進み具合について実験を繰り返した。
一般的な鉄鋼と比較したところ、比較的弱い負荷をかけた場合は大きな差がなかったのに、強い負荷をかけると、ドイツの鉄鋼材料は10倍以上の強さを示したという。
このため電子顕微鏡で調べたところ、動物の骨に似たしなやかな構造を持ち、金属疲労に特有の亀裂が生じても拡大しない特徴があることがわかったという。
津崎教授は会見で、「この鉄鋼を使えば金属疲労を防ぐことができ、より安全な飛行機や車を開発することが可能だ」と話している。
この研究成果は、アメリカの科学雑誌「サイエンス」に掲載されたという。
出典
『金属疲労に強い鉄鋼材料を発見』
http://www3.nhk.or.jp/fukuoka-news/20170310/4543481.html
(ブログ者コメント)
九州大学HPに3月10日付で、以下の記事が掲載されていた。
「サイエンス」に金属疲労関係の記事が掲載されるのは珍しいとのこと。
『骨のような壊れ方で、金属疲労に強いミクロ構造を、鉄鋼材料で発見 -安全安心に貢献する金属疲労研究の新展開-』
輸送機器や機械類の破壊事故の約8割は金属疲労が原因とされています。
このため、金属材料と金属部品の疲労特性を正しく理解し評価すること、また疲労特性に優れた金属材料を地道に開発し製造することは、地味な営みではありますが、安全安心な社会基盤の実現にとって重要です。
金属疲労破壊では、一度に加える力は小さくても何度も繰り返して加えることで、材料表面に微小なき裂が発生しそれが拡大伝ぱして次第に大きく広がり最終的な破壊に至ります。
九州大学大学院工学研究院機械工学部門の小山元道助教、野口博司教授、津﨑兼彰教授の研究グループは、この疲労き裂の発生と伝ぱを抑えるために、き裂先端部分での局所的な力学状態と金属ミクロ構造の関係に注目した研究を行いました。
き裂発生の抑制の為にき裂周囲の金属が膨張や硬化する構造、き裂伝ぱ抑制の為にき裂面同士の摩擦が起こる構造に着目して、画期的な疲労特性を示す鉄鋼を見出しました。
特に「層状形態を要素に含む階層性原子集団の金属ミクロ構造」によって、鉄鋼が動物の骨のような粘りのある壊れ方をするため、き裂伝ぱが抑えられて疲労寿命が格段に延びることを明らかにしました。
本成果は、応用面実用面への貢献はもちろん、疲労などの力学特性に優れた金属材料の開発に貢献する金属物理学、また鋭いき裂先端という特殊な力学状態を解析する破壊力学の両学問分野にとっても新展開をもたらすものとして期待されます。
本研究は米国・マサチューセッツ工科大学およびドイツ・マックスプランク鉄鋼研究所と連携して九州大学伊都キャンパスで実施され、その成果は平成29年3月9日(木)午後2時(米国東部時間)に米国科学誌ScienceにREPORT(筆頭著者:小山助教)として掲載されました。
また、本研究は日本学術振興会科学研究費補助金若手研究(B)(15K18235)および基盤研究(S)(16H06365)の支援により遂行されました。
[研究者からひとこと]
構造金属材料の疲労に関する論文がScience誌に掲載されたことは長い間ありませんでした。
本成果はそれほどに金属疲労研究として画期的であり、機械工学と材料科学の研究者がスクラムを組むことで初めて達成できました。
これを安全安心な社会基盤の構築にとって重要な金属疲労研究の活性化と新たな展開に繋げるために、今後も教育研究を続けます。
http://www.kyushu-u.ac.jp/ja/researches/view/97
2017年3月10日18時54分にNHK山口から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
3月10日付で日テレNEWS24(山口放送)から、3月10日22時26分に産経新聞westからも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
10日午後3時半すぎ、宇部市の「ときわ遊園地」の従業員から「遊具が燃えている」と消防に通報があった。
ときわ公園管理課によると、火が出たのは「スカイダンボ」という、遊園地の上空をゴンドラに乗って1周する懸垂式モノレールの乗り場で、この遊具は点検期間中で営業していなかったが、一時、煙が激しく上がったため、園内にいた20人ほどの客を外に避難させたという。
消防と警察によると、火はおよそ30分後に消し止められたが、鉄骨の建物の2階部分にある乗り場と1階の遊園地を管理する会社の事務所、合わせて323m2が全焼した。
この火事でけが人はいなかった。
ときわ公園管理課によると、当時、乗り場の床を補修するため男性従業員が溶接していたということで、警察は、溶接の火花が飛び散って下にある事務所に火が燃え移った可能性があるとみて、詳しい状況を調べている。
下関地方気象台によると、宇部市では午後3時半ごろ、最大瞬間風速8.7mの風が吹いており、山口県全域に乾燥注意報が出ていた。
宇部市によると、この火事の影響で「ときわ遊園地」は12日まで休園するという。
出典
『ときわ遊園地で火事 客避難』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/yamaguchi/4064630921.html?t=1489173422726
『遊園地で遊具の建物が燃える火事(山口県)』
http://www.news24.jp/nnn/news8708832.html
『遊園地で火災、けが人なし 山口・宇部』
http://www.sankei.com/west/news/170310/wst1703100094-n1.html
2016年12月15日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第2報修正3として掲載します。
第1報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/6575/
(2017年3月17日 修正3 ;追記)
2017年3月9日20時46分にNHK松江から、結露のほか取り込まれた外気の水分や塩分などがダクトの内面に付着し腐食が起きたらしいという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
島根原発2号機で中央制御室の換気用のダクトに腐食によるとみられる穴が相次いで見つかった問題について、中国電力は、ダクトに取り込まれた外気の水分や塩分などが付着し腐食が起きたことが原因と推定されるとした上で、点検を強化することを盛り込んだ報告書をまとめ、原子力規制委員会などに提出した。
松江市にある島根原発2号機では、去年12月、中央制御室の換気装置の金属製のダクトに腐食によるとみられる縦およそ30cm、横およそ1mの穴があいているのが見つかったほか、その後の点検で、ほかにも18個の穴が確認された。
この問題で中国電力は、原因と再発防止策を報告書にまとめ、原子力規制委員会と島根県に提出するとともに、松江市で記者会見した。
それによると、穴があいた原因については、結露のほか、取り込まれた外気の水分や塩分などがダクトの内面に付着し腐食が起きたものと推定され、これまでの点検計画では、こうした腐食を考慮していなかったとしている。
その上で、再発防止策として点検の強化を盛り込み、具体的にはダクトの点検の頻度を増やすとともに腐食が起きやすいか所は必要に応じダクトを覆う保温材を取り外して点検を行うとしている。
記者会見した中国電力島根原子力本部の広報部長は、「再発防止策を着実に実施して、安全性の向上に努めたい」と述べた。
出典
『島根原発ダクト問題で報告書』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/matsue/4034589971.html?t=1489089845802
(ブログ者コメント)
中国電量HPに掲載されている報道資料中のポイント部分は下記。
4.推定原因
(1)腐食の発生原因
点検調査の結果,腐食孔等が外気取入れラインに確認されることおよび腐食が内面を起点として進行していることから,腐食の発生原因は,ダクト内面に発生した結露および外気とともにダクト内に取り込まれた水分や海塩粒子が,ダクト内の構造物や気流の方向が変わる箇所でダクト内面に付着し,腐食を発生させたことによるものと推定した。
外気取入れラインについて,雨水や霧,水分および海塩粒子が取り込まれ,内面から腐食が進行する可能性があることを考慮した点検の計画になっていなかったため,腐食孔に至る前に劣化状況を把握することができなかった。
5.再発防止対策
原因調査および推定原因の結果から,保守点検を見直して適切な保全を行うことが再発防止に有効であることから,再発防止対策として保守点検の内容の見直しを行う。
加えて,ダクト内への水分および海塩粒子の取り込み量の低減ならびに劣化状況の把握性向上の観点から,更なる対策を実施する。
(1)保守点検の見直し
a.内面点検
既設の点検口等からの内面点検に加え,新たに外気取入れラインに追加設置する点検口からも内面点検を実施する。
点検の頻度は,外気取入れラインは1C,外気取入れライン以外は6Cとする。
なお,外気取入れ部についても3Cから1Cに見直す。
b.外面点検
外面点検も引き続き実施することとする。
外気取入れラインの内面の腐食が起きやすい箇所は,念のため,代表箇所の保温材を取り外して,外面点検を実施する。
外気取入れライン以外については,必要に応じて代表箇所の保温材を取り外して,外面点検を実施する。
点検の頻度は,10Cから6Cに見直す。
出典
『島根原子力発電所2号機 中央制御室空調換気系ダクト腐食事象に係る報告書の提出について』
http://www.energia.co.jp/atom_info/press/2017/9919.html
(2017年11月30日 修正4 ;追記)
2017年11月27日21時17分にNHK島根から、3月に提出した報告書に具体的な再発防止策を盛り込み再提出したという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
去年、島根原発2号機で原発の制御を行う「中央制御室」の換気用のダクトに腐食による穴が相次いで見つかった問題で、中国電力は、具体的な再発防止策などを盛り込んだ報告書を改めて国の原子力規制委員会に提出した。
松江市にある島根原発2号機では、去年12月、事故の際に外気を遮断する必要がある「中央制御室」で、換気用ダクトの一部が腐食して穴が開いているのが相次いで見つかり、穴はこれまでに65個見つかっている。
中国電力はことし3月、原因や再発防止策をまとめた報告書を国の原子力規制委員会に提出したが、規制委員会から、より具体的な防止策などを求められたため、27日、新たな報告書を提出した。
報告書では、これまでのダクトは角張った形状をしていて、外気に含まれる水分が角にたまりやすかったことから、丸みを帯びた形状のダクトに取り替えることや、腐食している場所を目視の点検ですぐに見つけられるように、材質をステンレスから炭素鋼に変えることなどの対策が盛り込まれている。
中国電力は、提出した再発防止策が規制委員会に了承されれば、この問題についての住民向けの説明会を、再度、開きたいとしている。
出典
『原発ダクト問題で具体的防止策』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/matsue/4033073511.html
2017年3月4日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第2報修正1として掲載します。(新情報に基づき、第1報ともどもタイトルも修正した)
第1報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/6841/
(2017年3月17日 修正1 :追記)
2017年2月26日付と2月27日付の中日新聞紙面に、元請けは有機溶剤入り塗料の使用を認めたなど、下記趣旨の記事が掲載されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)
消防の担当者によると、3人が倒れていたのは、地下を延びてきた農水管が安藤川をまたぐため、地上に垂直に折れ曲がるL字形の底の部分。
垂直部分の高さは4.5mあり、救急隊員が中に入った時には、管内の上方から縄ばしごが掛かっていた。
管への出入り口は、そこから川へ向かって27m延びたところにあり、近くに換気のための送排風機が置いてあった。
管の内部は塗料のシンナーの臭いが強くしたため、先行した隊員が酸素ボンベ3本を開放。
酸素濃度や可燃性ガスの有無を調べてから、救助にあたった。
また、現場に止まっていた工事車両の荷台に有機溶剤入りの塗料が積んであり、元請け業者に確かめたところ、設計通りの塗料を使っていなかったことを認めた。
(2017年7月28日 修正2 ;追記)
2017年7月25日付で毎日新聞中部版から、乾燥が早いトルエン含有塗料を勝手に使っていたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
県警西尾署は25日、工事の元請け会社の社員で現場監督の男(58)=西尾市=を業務上過失致死傷容疑で書類送検した。
また、作業主任でトルエン中毒で死亡した下請け会社の男=名古屋市南区、当時61歳=も業務上過失傷害容疑で書類送検した。
送検容疑は2月25日、県が発注した西尾市小島町での農業用水管の塗装工事で、作業効率を上げるため、人体に有害なトルエン含有の塗料を適切な届け出や安全対策を取らずに使い、トルエン中毒で男性作業員1人を死亡させ、2人に軽傷を負わせたとしている。
同署によると、県は塗料について人体に無害なものの使用を指示していたが、男2人は乾燥の早いトルエン含有のものに勝手に変更していたという。
事故当時、作業員3人は地下3mの管の内部で作業中だったが、換気設備を設けていなかった。
出典
『愛知・西尾の用水管死亡事故 現場監督らを書類送検 業過致死傷容疑』
https://mainichi.jp/articles/20170725/ddh/041/040/008000c
7月26日付で朝日新聞(聞蔵)からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
現場監督は塗料の変更を了承し、適切な届出と労働者の安全管理を怠った疑いがあり、死亡した作業員は塗料の変更を申し出て現場監督から了承を得たものの、換気設備の設置などの安全対策を怠ったとして、業務上過失傷害の疑いが持たれている。
現場監督は容疑を認めているという。
2017年3月9日11時0分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
3月9日12時46分に北海道文化放送から、3月9日17時0分に北海道新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
札幌市厚別区のH病院で、医療用麻薬を管理する帳簿が2年分なくなっており、30数品目の麻薬の在庫が書類上の数量と一致しないことが、9日、関係者への取材で分かった。
病院の管理がずさんだったとして、北海道厚生局麻薬取締部が、麻薬取締法違反の疑いで捜査している。
関係者によると、昨年11月に病院側から「在庫の数が合わない」と保健所に連絡があった。
同月に北海道や麻薬取締部が立ち入り検査したところ、2013年10月から2年分の帳簿がなく、他の書類との照合から、鎮痛用麻薬フェンタニルなど約30種類の錠剤やアンプル、計数100個の在庫が足りなくなっている可能性が浮上した。
道は、管理態勢の改善を指導したが、今年1月の立ち入り検査でも改善されていないことが分かり、麻薬取締部が2月に捜査を開始。
現時点で転売などは確認されておらず、麻薬取締部は、帳簿に記録せずに廃棄した可能性も含め、当時の帳簿管理者など、既に退職した複数の職員らに事情を聴き、詳しい経緯を調べている。
病院などによると、2016年8月、医療用麻薬を管理する帳簿が紛失している事が分かり、詳しく調べたところ、一部の麻薬の在庫が、保管しているはずの数より少なくなっていることがわかった。
出典
『麻薬帳簿 札幌の病院で紛失 在庫数合わず、麻取が捜査』
http://mainichi.jp/articles/20170309/k00/00e/040/235000c
『病院の医療用"麻薬" 帳簿紛失 麻薬も"消えた"…ずさん管理か 札幌市』
『医療用麻薬ずさん管理 札幌の病院 帳簿なし、道厚生局捜査』
http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/society/society/1-0376976.html
3月9日19時55分にNHK札幌からも、同趣旨の解説的記事がネット配信されていた。
医療用麻薬は、がんの痛みを和らげる効果があるとして医療現場で使われている一方で、ずさんな管理が行われると、ほかの目的で使用されたり、犯罪につながったりするおそれがある。
このため医療現場では、麻薬はカギのかかる場所に保管し、資格を得た医師や薬剤師などだけが、品目ごとに数量を帳簿に記載するほか、廃棄する際も必ず別の職員の立ち会いのもとで行うなど、厳重に管理することが義務づけられている。
また、年に1度は、取り扱ったすべての麻薬の在庫量を都道府県に書類で届け出る必要がある。
こうしたなかで、札幌市厚別区にある医療法人「J会」が運営する「H病院」では、3年ほど前から、がんの痛みを和らげるフェンタニルやオキシコドンなど30数品目の麻薬の在庫が、帳簿に記載された数量とあわなくなっていた。
麻薬取締部は、道と合同で、これまで2度にわたって病院に立ち入り検査を行い、その結果、管理を担当していた複数の薬剤師が帳簿に記載しないまま麻薬を廃棄した可能性もあるという。
麻薬取締部は、当時の薬剤師などから事情を聴いて、麻薬の管理の状況について詳しく調べている。
【厳格管理の病院では】
札幌市手稲区の病院では、手術時の麻酔やがんの痛みの緩和などの目的で、34品目の医療用麻薬を扱っている。
麻薬はすべてカギのかかった金庫に保管され、知事に申請して資格を受けた麻薬管理者がカギを管理する。
また、患者ごとに持ち出した麻薬の数や使わなかった数量なども、『麻薬注射液施用票』と呼ばれる伝票に細かく記録する。
そして、この伝票をもとに、麻薬の品目ごとに分けて、納入した数量や使用した数量などを、毎日、帳簿に記載する。
病院では、帳簿と伝票など複数の書類で二重三重にチェックしているため、在庫が帳簿とあわなくなる問題は起きないと考えている。
【行政のチェックに?も】
今回の医療用麻薬の在庫と帳簿の数量があわない問題では、特定の病院のずさんな管理の実態が浮き彫りになった形だが、行政側のチェックの甘さを指摘する声もある。
北海道の場合、麻薬を扱う医療機関には、行政が2年に1度のペースで立ち入り検査を行っている。
しかし、国で決められた、麻薬の在庫状況を帳簿と照合する作業は行っていなかったという。
厚労省の担当者は、「在庫と帳簿のチェックをきちんと行えば、行政が見抜けないことはありえない」と話していて、今回の問題で、行政側のチェックの甘さを指摘している。
【今後の影響は】
医療用麻薬をめぐっては、数年前に規制が緩和され、がんの痛みを緩和する目的で、入院患者が自分で管理できるようになった。
こうした規制が緩和されたのも、病院側が徹底した管理を行うことが前提だったが、今回のような問題が起きると規制が再び厳しくなるおそれもあり、麻薬を必要とする患者にも影響が出かねない。
札幌市内の病院で麻薬管理を担当する薬剤師からは、「もし、医療用麻薬の管理の方法がいま以上に厳しくなってしまうと、麻薬を必要としている患者に速やかにお届けできないということにつながってしまうのではないか」といった声も聞かれている。
その一方で、ここ数年、各地では、病院の医師や看護師などが自分で使う目的で医療用麻薬を不正に所持していた問題が相次いでいる。
厳格な管理のもとで適切に使用されるべき医療用麻薬。
ずさんな管理の発覚は、今後、さまざまな形で波紋を広げていきそうだ。
出典
『医療麻薬ずさん管理 現状と今後』
http://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20170309/4548021.html
2017年3月10日付で毎日新聞東京版から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
3月10日0時43分に朝日新聞から、3月10日0時57分に共同通信からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。3月10日付の毎日新聞東京版夕刊紙面にも、同趣旨の記事が掲載されていた。
9日午後4時35分ごろ、東京都八王子市北野台5の民家で、生後10カ月の女児が大型犬のゴールデンレトリバー(4歳オス、体重約37kg)に頭をかまれ、約2時間後に搬送先の病院で死亡した。
警察によると、現場は女児の母親の実家。
母親は、この日、保育園に女児を預けて出勤したが、女児が発熱したため、祖父母が自宅に引き取って世話していた。
当時は祖父母と3人で1階のリビングで遊んでいたが、ハイハイしていた女児に、近くにいた飼い犬が、突然、かみついたという。
近くにいた祖母が「だめ」と怒ると、犬はすぐにおとなしくなったという。
リビングには犬用のケージがあるが、普段から放し飼いにしていたという。
女児は、祖父母宅をしばしば訪れていた。
祖父母は警察に「ほえたりかんだりしない、臆病でおとなしい犬だった」と説明しているという。
現場は、京王線北野駅の南約1.5kmの閑静な住宅街。
日本警察犬協会のホームページによると、ゴールデンレトリバーは従順で忍耐強く、温和な性格。
体高は標準で約50~60cm。
シェパードなどと同様、警察犬指定犬種になっている。
環境省によると、犬のかみつき事故(2015年度)は全国で4373件で、98%が飼い犬だった。
15年には北海道の住宅で、女性(52)が知人の飼い犬にかまれて死亡。
14年には大分県で、集団登校をしていた小学生ら7人が首輪をつけた中型犬にかみつかれ、けがをする事故が起きている。
出典
『乳児死亡 犬にかまれ 預け先の祖父宅飼育 東京・八王子』
http://mainichi.jp/articles/20170310/ddm/041/040/141000c
『10カ月の女児、飼い犬にかまれ死亡 東京・八王子』
http://www.asahi.com/articles/ASK397GRMK39UTIL06V.html
『乳児、飼い犬にかまれ死亡 東京・八王子、祖父母宅』
https://this.kiji.is/212581762460532738?c=39546741839462401
3月14日5時0分に朝日新聞からは、下記趣旨の解説的記事が最近のかみつき事故の一覧表付きでネット配信されていた。
飼い犬のゴールデンレトリバーに生後10カ月の女児がかまれて亡くなるという、痛ましい事故があった。
家族同様に慣れ親しんだおとなしい犬でも、人をかむことがあるのか。
どうすれば防げるのか。
国内で血統証明書を発行する一般社団法人「ジャパンケネルクラブ」(東京)によると、ゴールデンレトリバーは英国原産。
温和な性格とされ、古くは狩りで撃ち落とした鳥類をくわえて運ぶ「鳥猟犬」だった。
利口で人と行動することを好むため、警察犬や介助犬、災害救助犬として活躍することが多い。
では、なぜ、いきなり女児をかんだのか。
犬の問題行動やしつけについて出張指導する「Doggy Labo(ドギー・ラボ)」(東京)代表の中西典子さんによると、犬がかみつくのは、怖い時、不快感がある時、何かを制止したい時が主だという。
女児は最近、ハイハイを始めたばかりだった。
「ゴールデンレトリバーが赤ちゃんをかんだというのは、ほとんど聞いたことがないが、人が何とも思わない行動でも、犬がどう受けとめるのか、わからない。予期せぬこともあると理解し、乳児と一緒のときは目を離さないようにしてほしい」
東京大学大学院獣医動物行動学研究室の武内ゆかり准教授(動物行動学)は、別の理由を示唆する。
「赤ん坊のミルクの匂いを食べ物と勘違いした可能性が考えられる。小さな体は獲物と認識しやすく、しつけられていても、犬の本能が働くことがある」。
小型犬であっても、室内で赤ちゃんと犬のみにするのは危険だと指摘する。
室内で放し飼いの犬は多いが、小さな子どもがいる場合、武内さんは、口元を覆う「バスケットマズル」という犬用の口輪を薦める。
口輪には、ほえないよう強く固定するものもあるが、バスケットマズルは籠状で、比較的空間が確保されている。
「見た目がかわいそうという飼い主もいますが、犬にストレスはありません。ほえることもでき、慣れれば首輪と同じです」と話す。
環境省によると、犬のかみつき事故は全国で4373件発生(2015年度)。
野犬による被害が減る一方で、飼い犬による事故が95%以上を占める。
被害者の状況別では「通行中」が最多で、「配達、訪問などの際」が続くという。
同省動物愛護管理室は、「どんな種類の大型犬でも小型犬でも、かみつきのリスクはある。『うちの犬は大丈夫』と過信しないでほしい」と呼びかけている。
出典
『温和なのに、どうして…犬が人をかむ事故、防ぐ方法は?』
http://digital.asahi.com/articles/ASK3F31X2K3FUTIL007.html?rm=759
(ブログ者コメント)
この事例も、想定外の事故の一つということか・・・。
しかし考えてみれば、いくら従順温和といっても、犬のルーツはオオカミだ。
危険は封じ込められていると過信することは禁物。
これは、産業安全全般にもいえることだ。
2017年3月9日20時55分に産経新聞westから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
9日午後3時10分ごろ、大阪府東大阪市加納のT自動車整備工場で、男性作業員(38)が大型トラックの底部に入って整備作業をしていたところ、突然エンジンがかかって車体が下がり、頭などを挟まれた。
男性は病院に搬送されたが、間もなく死亡が確認された。
大阪府警河内署は同日、車体の下に男性がいるのに確認せずエンジンを始動させたとして、業務上過失傷害の疑いで、同僚の男(38)を現行犯逮捕した。
容疑を認めており、同署は過失致死容疑に切り替え、詳しい経緯を調べている。
同署によると、このトラックは、エンジンを始動させると車体が下がる仕組みだった。
男は電気系統の点検をするため、エンジンをかけたという。
出典
『大型トラック整備中に下敷き…38歳作業員死亡 東大阪、確認怠った疑いで同僚逮捕』
http://www.sankei.com/west/news/170309/wst1703090095-n1.html
2017年3月9日12時0分にNHK札幌から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
航空自衛隊のパイロットが、飛行中のトラブルで海でボートに乗って漂流した際に、救助が来るまでの間、寒さに耐える訓練が千歳市で行われた。
この訓練は、航空自衛隊千歳基地が毎年冬に行い、9日は、F15戦闘機のパイロットや救難隊員など20人が参加した。
想定は、航空機の飛行中にトラブルがあり、海に脱出したパイロットが漂流したというもので、訓練はパイロットが小さなボートに乗り込んで始まった。
訓練では、荒波を想定して、救難隊員がパイロットにバケツで水をかけ続け、時折ボートを揺すって転覆させるなどして行われ、パイロットは、水と風を防ぐゴム製のまくで身を覆いながら、水温2℃の川の中で訓練時間の30分を耐えていた。
訓練に参加したF15戦闘機のパイロットの荒船2等空尉は、「手と足の感覚が無くなるほど寒かったです。初めての体験でしたが、実際にトラブルがあった時は訓練を生かせると思います」と話していた。
出典
『空自パイロットが漂流耐える訓練』
http://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20170309/4515051.html
(ブログ者コメント)
〇映像によれば、訓練は、膝ほどある水深の川で行われた。
〇荒船空尉はインタビューの中で「体験しないとわからないことが多いので、実際にこういった状況に遭遇した時、『前にやったことあるな』と思い出し、少しは経験になり、いい方向につながると思う」といった趣旨のことを話していた。
〇先日、日光の湖で「海猿」が氷の張った湖に潜って訓練しているという情報を提供したが、それと同じような訓練が他の組織でも行われていると知ったので、参考までに紹介する。
2017年3月8日18時17分にNHK札幌から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
3月8日22時35分に毎日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
片側1車線の対面通行の高速道路で、車が対向車線にはみ出す事故を減らそうと、センターラインに金属製のロープを張ってはみ出しを防ぐ対策の効果を検証する実験が、苫小牧市で行われた。
ロープは、自動車事故の防止策に取り組む国の研究機関「寒地土木研究所」(札幌市)の寒地交通チームが開発し、苫小牧市にある研究所の試験道路を使って、効果を検証する実験が行われた。
実験は、道路のセンターラインに5本のワイヤーロープを張って行われ、スタントマンが大型トラックを時速50km以上の速さで斜めの角度からロープにぶつけ、衝突の度合いを確かめた。
実験の結果、バリバリという音と共にロープを支える金属製の支柱は根元から倒れたものの、ワイヤロープは切れず、ワイヤロープに沿って進んだ車両は左前方のバンパーを少し損傷し、30mほど進んだところで停止した。
車体は、反対車線に40cmあまりしかはみ出さなかった。
また、運転手への衝撃も緩和され、フロントガラスが割れるなど、車体への影響もなかった。
トラックを運転した男性は、「ロープがあれば、ぶつかっても安全に止まれそうだ」と話していた。
高速道路会社では、来月以降、道央道と道東道のあわせて5か所、距離にして26kmの区間に、このワイヤーロープを試行的に設置することにしている。
いずれも片側1車線の対面通行の区間だが、実は、道内ではこうした対面通行の区間が高速道路全体の6割を占め、およそ400kmに及ぶ。
道警のまとめでは、去年1年間に中央分離帯のある区間では71件の事故が起き、死亡した人はいなかった。
一方、対面通行の区間で起きた事故は17件と、件数は相対的に少ないものの、死亡した人は7人にのぼった。
対面通行の多くの区間では、センターラインは軟らかい樹脂製のポールで区切られているだけで、今回のロープの設置で安全性が高まることが期待される。
一方、費用の面では課題もあり、ロープを開発した寒地土木研究所によると、設置にかかる費用は、1kmあたり2800万円あまりにのぼるという。
こうした費用面などの課題をクリアして、対面通行の区間へのロープの設置が進むのか、注目される。
出典
『命守る“高速道ロープ”の試み』
http://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20170308/4392181.html
『高速道事故防止 ワイヤロープ有効かの衝突実験 苫小牧』
http://mainichi.jp/articles/20170309/k00/00m/040/037000c
(ブログ者コメント)
〇以下は、研究チームの技術レポート。
『ワイヤーロープ式防護柵の開発 ~2車線道路における緩衝分離構造~』
http://rmec.or.jp/wp-content/uploads/2016/03/vol30-16-19.pdf
〇本件、2016年12月27日2時25分に毎日新聞から、国交省は2017年春から全国の高速道路12路線でワイヤーロープを設置する方針だという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
2016年12月26日17時42分に朝日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
報道の時期と内容から考え、北海道での実験結果を待って12路線に設置する、ということかもしれない。
高速道路の暫定2車線区間の事故防止対策として、国交省は、道路中央部にワイヤロープを設置する方針を固めた。
来春から、道東道、道央道、秋田道、日東道、磐越道、東海環状道、舞鶴若狭道、紀勢道、山陰道、浜田道、松山道、東九州道の全国12路線の一部区間計約100kmで試験的に実施する。
有効性が確認されれば、本格的に導入する。
国交省によると、暫定2車線区間は、高速道路を早く開通させるために、4車線化までの一時的な措置として整備された区間で、有料の高速道路約9300kmのうち約2500kmを占める。
このうち、既に4車線化に向けた作業が始まった区間などを除き、完全に片側1車線の対面通行となっている区間が約1700kmあり、大半は、道路中央部に目印としてゴム製の柱が設置されている。
しかし、対向車線への飛び出し事故が後を絶たず、昨年は334件発生し、うち73件は死傷者が出た。
道路中央部に柱を立ててワイヤロープを張る方式だと、車両の飛び出しが防止でき、わずかなスペースに設置できるという。
国交省は、事故防止の効果のほか維持管理面なども検証して、本格導入するか決める。
出典
『高速道路 暫定2車線にワイヤロープ』
http://mainichi.jp/articles/20161227/k00/00m/040/031000c
『対面の高速、中央線にワイヤロープ 飛び出し防止、検証』
http://www.asahi.com/articles/ASJDV4D6ZJDVUTIL01P.html
2017年3月9日20時49分にFNNニュースから、ダミーを使った再現実験などの映像付きで、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
3月10日付で毎日新聞東京版から、3月9日11時56分に読売新聞から、3月9日9時30分に産経新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
小学2年生の男子児童が車のトランクで動けなくなっているのが見つかり、その後、死亡が確認された。
事故が起きたのは人気の軽ワゴン。
いったい何があったのか?
思わぬ危険を検証した。
8日午後7時すぎ、埼玉・川口市の住宅に止めてあった車の後部座席の後ろで、この家に住む小学2年生の男児(8歳)が動けなくなっているのを兄が発見、祖父(63)を通じて119番通報した。
男児は、トランクの下にある収納スペース「サブトランク」(縦約45cm、横約90cm、深さ約30cm)と呼ばれる場所に置かれていたバスケットボールを取ろうとしたのか、サブトランクに頭を突っ込んだ状態で発見され、救急搬送されたが、その後、死亡が確認された。
警察によると、同日午後6時20分ごろから、男児がいないことに気付いた母親が祖父らと探していた
警察によると、車後部のハッチバック式ドアと後部座席との間は約20cm。
発見時、腹部にもたれかかっていたサブトランクの蓋と後部座席の間に、サブトランクに入れていたバスケットボールが挟まっていた。
警察は、男児が後部座席から身を乗り出してボールを取り出そうとし、誤ってサブトランクに頭が入り、身動きが取れず、首に体重がかかって窒息した可能性があるとみて調べている。
軽自動車内で起きた予期せぬ事故。
車内で何があったのだろうか。
バックドアを開けてトランクがあり、さらにそのトランクの底にあるのがサブトランク。
警察によると、男児は車内で何かを探しているうちに首が曲がった状態となり、身動きが取れなくなって窒息した可能性があるという。
取材班は、事故が起きた車両と同型の車で検証した。
後部座席からトランクの方を見ると、サブトランクのふたには手が届く。
ただ、中のものは、大人でも取るのは難しい。
サブトランクの底から後部座席の上までを測ると、およそ1mあることがわかる。
発見時、運転席側の後部座席のドアが開いていたといい、男児は、後部座席からサブトランクのボールを取ろうと、車に乗りこんだとみられている。
車は家の壁ぎりぎりに車両後部を寄せて止めており、バックドアは開かない状態だった。
サブトランクの中には普段、バスケットボールなどの遊具が入っており、男児は、玄関に置いてあるカギで横のドアから車内に入ってボールを取り出すことがよくあったという。
小学生の身長を想定した人形を使って見てみると、頭から肩の辺りまでは、すっぽりとサブトランク内に収まっている。
事故が起きた車のメーカーは、「通常、サブトランクの使用はバックドアを開けて使用することを想定している」とコメントしているが、車の壁ギリギリのところに止めてあり、バックドアは開かない状態だった可能性がある。
街で話を聞くと、子どもを持つドライバーは、「(子どもが)後ろの座席をすり抜けて、トランクに行って下に入ったりする」、「急ブレーキを踏んで(子どもが)前に出て、ぶつかったことはある」などと話した。
JAF(日本自動車連盟)が、12歳未満の子どもが車内でけがをしたり、危険な目に遭った経験についてアンケートを実施したところ、およそ3割が「ある」と回答した。
最も多かったのが、ブレーキ時に転落し、頭や体を強打。
2番目が、ドアに手や足を挟んだこと。
そして、3番目に多いのが、パワーウインドーによる事故。
2016年11月、新潟・上越市のスーパーで20歳代の母親が買い物をしている間に、軽自動車の後部座席に残されていた2歳の男の子がパワーウインドーに首を挟まれ意識不明の重体になった。
挟み込み防止機能がないパワーウインドーは、物を挟んだまま閉まり続ける。
消費者庁では、子どもがスイッチに触っても開閉できないように、パワーウインドーのロックを習慣づけることや、子どもだけを車内に残さないなど、注意を呼びかけている。
子どもたちを事故から守るには、家族のさらなる注意が必要となる。
出典
『人気の軽ワゴン車内で8歳男児死亡 川口市』
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00351987.html
『小2男児死亡 車トランク、頭から入り窒息か 埼玉・川口』
http://mainichi.jp/articles/20170310/ddm/012/040/035000c
『軽ワゴンの収納スペースに頭突っ込み、小2死亡』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20170309-OYT1T50047.html
『ボール取ろうとしてトランクに転落? 軽自動車内で小2男児死亡 埼玉・川口』
http://www.sankei.com/affairs/news/170309/afr1703090007-n1.html
2017年3月8日20時55分にNHK長野から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
3月9日1時36分に日テレNEWS24から、3月9日5時54分にテレビ朝日から、3月8日20時35分に毎日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
8日午後6時20分ごろ、長野市松岡にあるパチンコ店「Ⅴ店」で、従業員から「店の壁が崩れて客が下敷きになった」という通報があった。
消防によると、ベニヤ板に鏡を張り付けてある高さ3.2mの店舗の壁が幅25mにわたって倒れたという。
壁際の椅子に座っていた男性客4人が一時、壁の一部の下敷きになったということだが、自力で脱出し、いずれもけがの程度は軽いという。
また、男性1人が壁の破片が首に当たり軽傷。
このパチンコ店はホームセンターだった建物を改装し、今月3日にオープンしたばかりだったということで、事故当時、1000人を超える客が詰め掛けていたという。
オープンに合わせて福岡市から訪れたという30代の男性は、「突然、『ドーン』という大きな音がした。地震が起きたか、車が店に突っ込んだかと思うぐらいだった。すぐ近くにいたので、危なかった」と話していた。
警察が、当時の詳しい状況を調べている。
出典
『パチンコ店の壁崩れ 4人軽傷』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/nagano/1014568731.html?t=1489001198874
『今月開店のパチンコ店で壁崩れる、5人軽傷』
http://www.news24.jp/articles/2017/03/09/07356003.html
『パチンコ店の壁が崩落 男性客4人がけが 長野市』
http://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000096011.html
『長野・パチンコ店 内壁が崩れ4人が顔や腰に軽傷』
http://mainichi.jp/articles/20170309/k00/00m/050/077000c
2017年3月9日9時1分にNHK松山から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
8日午後4時40分ごろ、愛媛県新居浜市のガラス店経営Sさん(男性、78歳)の店舗兼住宅から火が出ていると、近くに住む人から警察に通報があった。
この火事で、鉄筋コンクリート2階建ての店舗兼住宅のうち、2階の住居部分およそ150m2が焼けた。
焼け跡の2階からは1人が遺体で見つかり、警察によると、亡くなったのはSさんだと確認されたという。
この家にはSさんと妻の2人がいて、妻は外へ避難して無事だったが、Sさんは逃げ遅れたとみられ、警察によると、Sさんの妻は、「2階のストーブから火が出て、夫が火を消そうと室内に残った」と話しているという。
現場は新居浜港近くの住宅が密集する地域で、警察と消防が火事の詳しい原因を調べている。
出典
『新居浜で火事 1人死亡』
http://www3.nhk.or.jp/matsuyama-news/20170309/4571621.html
3月10日18時52分にNHK松山からは、ストーブからガソリン成分が検出されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
新居浜市で店舗を兼ねた住宅の一部が焼け、住人の男性が死亡した火事で、火元の灯油ストーブの焼け跡からガソリンとみられる成分が検出されたことが、警察と消防の調べでわかった。
警察と消防は、誤ってストーブにガソリンを給油したことが出火原因となった可能性があるとみて、詳しく調べている。
出火当時の状況について、同居していたSさんの妻は「ストーブから火が出た」と話したことから、警察と消防は、2階においてあった灯油ストーブが火元とみて、現場検証を行った。
その結果、ストーブの焼け跡からガソリンとみられる成分が検出されたことが、警察と消防の調べでわかった。
また、消防によると、妻の証言などから、出火したのはストーブに給油した後だったという。
警察と消防は、灯油ストーブに誤ってガソリンを給油したことが出火原因となった可能性があるとみて、詳しく調べるとともに、室内の灯油タンクに残っていた液体の分析を進めることにしている。
出典
『新居浜火災、ガソリンか』
http://www3.nhk.or.jp/matsuyama-news/20170310/4619361.html
(ブログ者コメント)
本ブログでもしばしば紹介している、「ガソリンスタンドで灯油と間違えガソリンを販売」したことによる事故だろうか?
もしそうだとすると、過去にも同じような事例が起きている。
2011年12月26日掲載
2011年12月21日 高知市のGSで灯油と間違ってガソリンを販売したためストーブ点火時?に発火、2人が軽いやけど
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/1155/
2011年11月12日掲載
[昔の事例の顛末] 2010年3月 千曲市のGSで灯油購入者にガソリンを販売しストーブ使用時に住宅が全焼した事故でGS役員等を書類送検 (修正1)
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/971/
また、実害はなかったが、タンクやの在庫チェックや購入者からの異臭連絡で事前に混入を知り対処した事例も、何件か紹介している。(個別事例紹介省略)
2017年3月8日16時28分に共同通信から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
3月8日16時46分にNHK首都圏NEWS WEBから、3月8日17時0分に時事ドットコムからも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
8日午後0時半ごろ、東京都世田谷区三宿2丁目、都道拡張の工事現場で大型クレーン車が右前方に傾き、約21.6mのアーム部が電線に引っ掛かった。
付近の約1100世帯が、およそ3時間ほど停電。けが人はなかった。
警察によると、クレーン車は、道路延伸に伴い、地下に共同溝を埋設するための工事を行っていた。
50代の男性作業員がクレーン車で、重さ約5トンの升状のコンクリートを吊って地中の穴に移していたところ、車両を固定する「アウトリガー」と呼ばれる支柱4本のうちの1本が地中に沈み込み、傾いたという。
電線とクレーン車は、約10m離れていた。
現場は、東急田園都市線池尻大橋駅から北西約700mの住宅街。
東京電力によると、停電は三宿2丁目と同区池尻4丁目で発生した。
出典
『1100世帯停電、東京 クレーン車傾き電線に接触』
https://this.kiji.is/212099080444823030?c=39546741839462401
『世田谷でクレーン傾き一時停電』
http://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20170308/4562461.html
『クレーン倒れ電線接触=一時停電、けが人なし-東京・世田谷』
http://www.jiji.com/jc/article?k=2017030800970&g=soc
2017年3月9日付で大分合同新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
3月8日18時27分に大分放送から、3月9日6時0分に西日本新聞から、3月9日付で朝日新聞大分全県版(聞蔵)からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
8日午前10時25分ごろ、大分市西ノ洲の新日鉄住金大分製鉄所の防災センターから「焼結工場の防炎シート付近から煙が出ている」と、消防に通報があった。
消防車両約10台が消火活動に当たり、午前11時半までに火の勢いは収まったという。
けが人はいない。
工場は製鉄所内の西側にあり、粉状の鉄鉱石を焼き固め、鉄の原料となる焼結鉱を製造している。
警察によると、この工場では1月ごろにガス処理設備の活性炭吸着塔に腐食で穴が開き、補修工事を今月6日から進めていた。
溶接作業中に出た火の粉が、鉄鉱石を焼き固める際に発生するガスを流すパイプに取り付けられた保温材に燃え移った可能性が高いという。
同製鉄所では1月に厚板工場の電気室から出火し、消し止めるのに約35時間かかる大規模な火災が起きたばかり。
2月28日夜には石炭を運ぶベルトコンベヤー周辺で石炭がくすぶり、製鉄所の自衛消防団が消し止めるぼやも起きている。
相次ぐ火災を受けて大分消防局は、8日、同製鉄所に対し、原因究明の徹底とともに管理体制を強化するよう指導した。
出典
『新日鉄住金でまた火災』
https://www.oita-press.co.jp/1010000000/2017/03/08/132332520
『新日鉄住金大分製鉄所でまた火災発生』
http://www.e-obs.com/news/detail.php?id=03080036810&day=20170308
『新日鉄住金大分でまた火災 今年3件目』
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/313260
(ブログ者コメント)
1月の事例は、本ブログでも紹介済。
2017年1月5日 大分市の新日鉄住金製鉄所で厚板工場の主電気室から出火、地下のケーブルにも延焼して消火が難航し水没消火で35時間後に鎮火
第1報 (2017年1月11日掲載)
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/6644/
第2報 (2017年1月21日掲載)
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/6678/
2017年3月9日8時29分に福島民友から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
3月9日付と3月11日付で朝日新聞福島中会版(聞蔵)からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
8日午前9時50分ごろ、福島市のG食品笹谷工場から、「釜が爆発し、男性1人が負傷している」と119番通報があった。
警察や同社によると、50代の男性従業員が死亡、30代の女性従業員が搬送されたが、けがはなかった。
男性の遺体の損傷が激しく、警察は9日、福島医大で司法解剖し、身元の特定を進め死因を調べる。
業務上過失致死の疑いもあるとみて、爆発した釜のメーカー担当者の立ち会いで、現場検証も実施する。
警察などによると、爆発で鉄骨平屋の工場の壁などが吹き飛んだ。
男性も工場の外まで飛ばされ、福島北署は9日、死因について、爆発によって飛んだ物が頭に強くぶつかったためと発表した。
消防は、スポンジケーキなどを焼くガスオーブン釜からガスが漏れ、引火した可能性があるとみて、原因を調べる。
同社によると、釜は高さ約2.5m、幅約3.0m、長さ約6.0m。
工場では通常、6~7人が作業しており、主に洋菓子を製造していた。
事故当時、女性4人と男性1人の計5人が勤務。
30代の女性従業員が午前8時ごろ、釜に火を入れようとしたが着火せず、ガスの臭いがしたため、作業を一時中断したという。
1時間ほど換気した後、女性従業員が再び点火しようとした際、爆発が起きた。
男性は、釜の前で別の作業をしていたという。
出典
『福島の食品工場「爆発」...釜のガス漏れか 男性従業員が死亡』
http://www.minyu-net.com/news/news/FM20170309-154894.php
(ブログ者コメント)
なぜガス臭がしたのか、その原因について調査したのだろうか?
また、換気が終了したと、誰がどのような根拠で判断したのだろうか?
(2017年6月13日 修正1 ;追記)
2017年3月10日付の福島民報紙面に、下記趣旨の補足的記事が掲載されていた。
福島北署は9日、爆発に巻き込まれて亡くなった男性は、工場内にあった物が爆風で飛んで頭にぶつかったことが死因だったと発表した。
ガスオーブンは、プロパンガスを使用していた。
屋外のガスボンベとガスオーブンを鉄製のガス管でつないでいたという。
工場内には、ガス検知器が設置されていた。
警察と消防は、ガス検知器が正常に作動していたかどうかも調べている。
(2019年3月8日 修正2 ;追記)
2019年3月7日21時10分にNHK福島から、爆発原因に関する下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)
警察は7日、当時の工場長ら2人を業務上過失致死の疑いで書類送検した。
書類送検されたのは、福島市笹谷の食品メーカー「G食品」の当時の工場長の男(37)と従業員の女(36)の2人。
警察によると、爆発の原因は、オーブンが故障し燃料のガスが漏れ出して引火したことだとわかったが、その後の調べで、元工場長は、爆発の前からオーブンが故障していると知りながら従業員に使わせていたという。
また、従業員の女は、爆発の当日、オーブンのスイッチを入れたあと、内部が燃焼していない異常を確認しなかったという。
警察は、2人が爆発を十分に予見できたなどとして、7日、業務上過失致死の容疑で書類送検した。
警察の調べに対し、2人は容疑を認めているという。
出典
『食品工場事故で2人を書類送検』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/fukushima/20190307/6050004649.html
3月7日17時28分にFNN PRIME(福島テレビ)からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
その後の調べで、ガスを供給する安全装置が壊れていたにもかかわらず、必要な措置を講じずにオーブンを使用して爆発が起きたという。
出典
『元工場長ら男女2人を書類送検 工場の爆発事故で1人死亡』
https://www.fnn.jp/posts/00071810FTV
(2019年10月11日 修正3 ;追記)
2019年10月8日20時19分にNHK福島からは、工場長は事故の2年前にオーブンのガス検知器が故障したという報告を受けていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
福島地方検察庁は、ガス検知器が故障していたのに注意喚起を怠ってオーブンを使い続けたなどとして、当時の工場長を先月18日、業務上過失致死などの罪で在宅起訴しました。
在宅起訴されたのは、福島市笹谷の食品メーカー「G食品」の当時の工場長、中尾被告(男性、38歳)です。
福島地方検察庁によりますと、中尾工場長は、事故の2年前の平成27年11月にオーブンのガス検知器が故障したという報告を受けていたのに、注意喚起を怠ってオーブンを使い続けた結果、おととし3月の爆発事故により50歳の男性従業員を死亡させたとして、業務上過失致死と労働安全衛生法違反の罪に問われています。
事故が発生した日は、およそ1時間15分間、ガス漏れが続き、オーブンの点火作業により火花が引火して爆発したということです。
また、工場の佐藤従業員(女性、38歳)も、オーブンの中にガスを出し続けたあと点火作業をしたとして業務上過失致死の罪で略式起訴され、今月1日に罰金30万円の略式命令を受けました。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/fukushima/20191008/6050007185.html
2017年3月9日14時20分に産経新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
3月8日18時25分にテレビ山梨からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
8日午前7時35分ごろ、山梨県身延町帯金の中部横断自動車道の建設現場で、会社員のOさん(男性、48歳)のダンプカーが、工事用の仮設道路から約35m下の沢に転落した。
Oさんは頭など全身を強く打ち、意識不明の状態で救出され、県防災ヘリで町内の病院に搬送されたが、死亡が確認された。
警察などによると、仮設道路は幅約6m。
当時、6台のダンプカーが現場から出た土砂の運搬作業をしていた。
Oさんはダンプカーに1人で乗車。
道路脇の転落防止用の鉄柵を突き破り、転落した。
現場は、新設予定の下部温泉早川インターチェンジ(IC)~身延山IC間。
警察が、詳しい原因を調べている。
国交省甲府河川国道事務所は、同日、「原因は調査中だが、各工事現場の緊急点検を実施し、再発防止を徹底したい」とするコメントを発表した。
ダンプカーが転落したのは、県道から工事現場に向かうため、鉄骨をやぐらのように組んだ幅6mの仮設道路を登りきった険しい傾斜地だ。
同事務所によると、ダンプカーは、工事で発生した約4.5m3の土砂を積載。
仮設道路の手前でブレーキテストをした後、左カーブを経て、12%の下り坂を制限時速10kmで下りていく。
警察によると、仮設道路を下り始めて数mの場所で転落したという。
土砂の重さは、ダンプの積載満量の10トン弱だという。
同事務所や工事関係者によると、事故当時、Oさんのダンプカーが出発直後に激しい音が響き渡り、転落に気づいたという。
「少し速度が速かった」という証言もある。
ダンプカーは運転台がぺしゃんこになり、荷台も形を失った状態。傾斜に、外れた車輪が横たわる。
鉄柵は、法令の85cmを満たした1mの高さだが、工事関係者は「土砂満量のダンプが衝突したら支えられないだろう」と話した。
Oさんは「経験20年のベテランで、運転は慎重だった」(工事関係者)という。
同事務所によると、県内の中部横断道の調査・工事現場で、関係者の死亡は4人目となった。
平成26年6月に身延町で伐採中の木材が直撃し、30代男性が死亡。
27年9月には、身延町の山中を調査中の50代男性が、尾根から転落死した。
28年2月にも南部町で、清掃中の管から吹き出したコンクリートに直撃され、40代男性が死亡している。
出典
『中部横断道建設現場でダンプカー35メートル転落、運転手死亡 山梨 3年間で死者4人』
http://www.sankei.com/affairs/news/170309/afr1703090024-n1.html
『中部横断道工事、ダンプカーが35m転落』
http://www.uty.co.jp/news/20170308/2296/
(ブログ者コメント)
写真を見ると、ジェットコースターかと思うほどの高さにやぐらが組まれ、その上に設置された仮設道路。
いくら幅が6mあるといっても、平均台の上を走る感じではないだろうか?
山間部での工事の苦労の一端が垣間見えた。
2017年3月7日19時2分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がシミュレーション図付きでネット配信されていた。
原発の重大事故で、西日本の大半が避難を余儀なくされる。
そんな計算結果が、ひそかに関心を集めている。
日本の原発が舞台ではない。
海を挟んだ隣国、韓国での原発事故を想定した話だ。
シミュレーションをしたのは、韓国人の核物理学者で、現在、米ワシントンのシンクタンク「天然資源防衛委員会」(NRDC)の上級研究員を務める姜政敏(カン・ジョンミン)博士(51)ら。
カン博士が昨年10月末に韓国で発表し、その後も、日韓での核問題関連の集会で警鐘を鳴らしている。
国際会議で来日したカン博士に話を聞いた。
カン博士らがシミュレーションの舞台に選んだのは、韓国南東部、釜山市の海沿いにある古里(コリ)原発だ。
古里は、軍出身の朴正熙(パク・チョンヒ)独裁政権時代の1978年に1号機が完成した、韓国最古の原発。
韓国内で商業運転する25基のうち7基が海沿いに並ぶ、韓国最大規模の「原発銀座」だ。
ここでは、原発の運転で生じる「使用済み核燃料」を、各原子炉に隣接する貯蔵プールで冷却、保管している。
しかし、使用済み核燃料はどんどん増えており、間隔を詰めて「密集貯蔵」している。
このうち古里3号機には、韓国の原子炉別では最も多い818トン分の使用済み核燃料(2015年末)が貯蔵されている、とされる。
貯蔵プールが手狭になった1、2号機の使用済み核燃料も移送され、3号機で保管しているためだという。
カン博士は、こうした貯蔵方法の危険性を指摘する。
もし、災害やテロなど、何らかの原因で電源が喪失し、使用済み核燃料を冷やす機能が失われ、温度の急上昇で火災が起きたらどうなるのか。
博士らは、この3号機の使用済み核燃料プールで冷却機能が失われ、燃料プールの水位の低下で使用済み核燃料がむき出しになって火災が起き、さらに建屋内に水素ガスが充満して爆発した事態を想定。
使用済み核燃料に含まれる放射性物質セシウム137が次々と気体化して大気中に放出された場合、どのように拡散するかを検討することにした。
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その結果、明らかになったのは、最も大きな被害が予想されるのは、原発事故の当事国である韓国ではなく、日本になるということだ。
韓国では、最大54000km2が避難対象地域になり、最大2430万人が避難を余儀なくされる。
これに対し、日本では最大67000km2が避難対象地域になり、最大2830万人が避難を迫られる、というシミュレーション結果が出た。
被害は、南北軍事境界線を挟んだ北朝鮮や中国など広範囲に及ぶ。
セシウム137の半減期である30年が過ぎても、引き続き避難したままとなるのは、最悪の場合、韓国では1900万人、日本は1840万人、との計算結果が出た。
このような最悪の事態を起こしてはならないが、カン博士は「これまでは幸いにもこうした事故が起きていないが、早めに対策をとる必要がある」と主張する。
カン博士の今回のシミュレーションは、使用済み核燃料を想定対象としたが、古里原発を含めて、韓国の原発のうち19基は、日本海側の海沿いに並んでいる。
こうした原発で放射性物質が漏れ出すような事故が起きた場合、西から東へと吹く偏西風の影響によって、放射性物質は風に運ばれて海を越え、日本列島の広範囲に及ぶおそれがあるという。
カン博士は、原発を動かせば必ず生じる使用済み核燃料の危険性に気づいて欲しいと、このようなシミュレーションを試みた。
原発推進策をとる韓国だが、使用済み核燃料の最終処分方法は定まらない一方、原子炉ごとの使用済み核燃料プールは、どんどん余裕がなくなっている。
カン博士によると、プールで貯蔵する使用済み核燃料棒の間隔の幅を少しでも広げることで、火災発生の危険性を下げられるという。
そのため、「5年ほどは使用済み核燃料の熱をさげるために貯蔵プールで冷却し、その後は専用の密閉容器の中で空気で冷却する『乾式貯蔵』をとりいれるべきだ」と提案する。
さらに、カン博士が何よりも訴えたいことは、核の惨事において東アジアは「運命共同体」であるという点だ。
日本、中国、韓国とも、国策として原発の稼働や増設を推進し、商業炉は日中韓で計約100基に達する。
核実験を繰り返す北朝鮮の寧辺(ニョンビョン)にも、核開発関連施設が集まる。
地球儀を眺めれば、私たちが暮らす東アジアは、世界的にもまれな核施設の「密集地域」と言える、というのだ。
もし核の惨事が起きれば、その被害は、気象条件によっては東アジアの広範囲に及ぶおそれがある。
韓国で起きれば日本へ、中国で起きれば韓国、日本へと、被害地域は偏西風の流れに沿って東側に広がる可能性が高い。
カン博士は、「だからこそ、自国だけでなく隣国の核問題にも関心を持たなければならないし、使用済み核燃料をはじめ、核施設の安全管理の面で日中韓が協力しなければならない」と指摘する。
原発から出る使用済み核燃料をめぐっては、日本政府はこれを再処理してプルトニウムを取り出し、ウランと混ぜたMOX燃料にして再び原発の燃料にするという「核燃料サイクル」政策を維持している。
だが、日本のプルトニウムの保有量は約47.9トン(2015年末、国内外)に達する半面、政府が描いた核燃料サイクルは、うまく機能していない。
日本のプルトニウム保有量が「核兵器約6000発分」に匹敵する膨大な量であることから、関係国の核専門家らは、「日本は潜在的な核武装能力を保持しようとしているのではないか」と懸念している。
ただ、こうした日本の核政策は、韓国の核推進論者の間で格好の「模範」とされ、「韓国でも使用済み核燃料の再処理の実施を」という主張を後押ししている。
核政策も、海を越えて、互いに影響を与えあっているのだ。
カン博士は、「日本でさらにプルトニウムの量が増えれば、地域の緊張を高め、周辺国にプルトニウム保有の口実を与えるだけだ」と警告する。
チェルノブイリや福島の原発事故を通して、私たちは、核惨事の被害に「国境」はないことを学んだ。
重大な事故が起きれば、隣国や周辺国に取り返しのつかない甚大な被害を与えるおそれがある。
福島の原発から6年。
私たちは、もう一度、教訓を思い起こし、日本はもちろん、近隣国の原発・核問題にも関心を持ち続けなければならない。
出典
『韓国の原発銀座で惨事なら 「西日本の大半避難」の推定』
http://www.asahi.com/articles/ASK36451LK36PLZU002.html?iref=com_rnavi_arank_nr04
2017年3月7日16時13分にNHK新潟から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
3月7日16時14分に時事ドットコムからも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
おととし8月、湯沢町土樽の魚野川で、川遊びをしていた当時、東京の小学1年生だった男の子が、倒れてきた岩(高さ180cm、幅70cm、厚さ60cm)に挟まれ、死亡した。
男の子は、大手予備校「K」の系列の東京にある学習塾が開いた「野外教室」に参加していて、警察は、塾の関係者などから事情を聞くなどして、事故の状況や原因を調べていた。
その結果、当時、野外教室を企画し事故があった当日、30人余りの子どもたちを引率していた59歳と53歳の2人の塾の職員が、事前に現場の下見をしていなかったことがわかったという。
警察は、十分な安全確認をせずに子どもたちを危険な場所で遊ばせていたとして、2人の職員を業務上過失致死の疑いで7日、書類送検した。
2人は容疑を認めているという。
岩は前日までの雨で不安定な状態になっていたという。
野外教室を企画した「KGD」は、「児童やご遺族の方に大変申し訳なく、おわびのしようもない。二度とこのようなことが起きないよう、安全対策の見直しを進めていきたい」とコメントしている。
出典
『小学生死亡 引率者を書類送検』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/niigata/1034516712.html
『引率男性2人を書類送検=川遊びの小1死亡で-新潟県警』
http://www.jiji.com/jc/article?k=2017030700951&g=soc
(ブログ者コメント)
NHKの映像を見ると、河原には一抱えもありそうな石がゴロゴロしており、その一角に横になった大きな岩が1個、アップで映されていた。
その岩が倒れてきて挟まれたのかもしれない。
また、横になった岩と同程度の大きさの岩がまとまって数個、縦とか斜めとかに立っている様子も映されていた。
そういった場所にあった岩が倒れたのかもしれない。
(2018年8月7日 修正1 ;追記)
2018年8月6日19時26分にNHK新潟から、一旦は不起訴になったが再捜査中など、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
男の子の両親が会社に対し、損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こした。
訴えを起こしたのは、平成27年8月、新潟県湯沢町の魚野川で川遊びをしていて、倒れてきた岩に挟まれて死亡した小学1年生の男の子の両親。
死亡した男の子は、大手予備校のグループ会社「KG」が企画した2泊3日の野外教室に参加していた。
訴えによると、両親は引率する職員らが現場の下見をしておらず、川で遊んでいる子どもが何人いるかも把握していなかったなど、事故を避ける義務を怠ったとして、「KG」に4億5000万円余りの賠償を求める訴えを、6日までに東京地裁に起こしたという。
この事故をめぐっては、引率していた男性職員2人が業務上過失致死の疑いで書類送検され、その後、嫌疑不十分で不起訴になったが、先月、長岡検察審査会が「不起訴は不当だ」と議決し、検察が改めて捜査している。
「KG」は、「現時点で訴状が届いていないため、コメントは差し控えます。誠実に対応していきます」としている。
出典
『野外教室死亡事故で賠償求め提訴』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/niigata/20180806/1030004322.html
(2019年4月10日 修正2 ;追記)
2019年4月9日19時11分にNHK新潟から、再捜査結果でも不起訴になったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)
平成27年8月、湯沢町で行われた野外教室で、川遊びをしていた東京の小学1年生の男の子が倒れてきた岩に挟まれて死亡し、警察は、野外教室を企画し、子どもたちを引率していた学習塾の男性職員2人を業務上過失致死の疑いで書類送検した。
新潟地検長岡支部は嫌疑不十分として2人を不起訴としたが、死亡した男の子の父親が検察の判断は不当だとして長岡検察審査会に審査を申し立て、審査会は去年7月、「事前に現場調査を行っていれば、河原の石が崩落する危険性を把握することは可能だった」などとして、不起訴不当の議決をした。
この議決を受けて検察は再び、この事故について捜査を進めた結果、9日付けで不起訴とした。
これについて新潟地検は、「捜査した結果、犯罪を証明する証拠が不十分であった」としている。
一方、小学生の遺族の代理人の佐川弁護士は、「岩が落ちてくることは予測できたと思っているので納得できず、民事裁判で訴えていきたい」としている。
出典
『野外教室死亡事故 再び不起訴に』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/niigata/20190409/1030007399.html


















その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。