2017年4月23日7時0分に産経新聞westから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
今年2月、18歳の女性アイドルが「致死性不整脈」とされる死因で突然亡くなられたことが話題になりました。
日本では1年間で約7万人、1日に約200人、8分に1人が、このような心臓突然死で亡くなっています。
致死性不整脈の中の「心室細動」という不整脈が、心臓突然死の大半の原因です。
心室細動は、心臓に異常な電気刺激が生じて心臓が痙攣してしまい、血液を全身に送り出せなくなる不整脈です。
心室細動が起きると、約10秒で意識を失い、約5分で死に至ります。
心室細動が起きて自然に治ることは、ほとんどありません。
心室細動から5分で死に至る最大の原因は、脳の障害です。
心室細動が起きて脳への血流が途絶えると、脳の細胞に血液中の酸素やエネルギーなどが供給されなくなります。
約10秒で脳の細胞は酸欠になり、エネルギー源であるブドウ糖も5分と持ちません。
脳の細胞が死んでしまう時間が、この5分です。
身体の他の臓器の細胞は、酸素やブドウ糖が不足しても、脂肪を分解するなど他の方法でエネルギーを補えるので、短時間で死ぬことはありません。
このように、脳は生命の維持に極めて重要な臓器で、この脳への血流で救命率が決まります。
心室細動を正常な脈に戻すには、自動体外式除細動器(AED)を使い電気ショックを与え、心臓のけいれんを解除する「電気的除細動」を一刻も早く行う必要があります。
119番通報から救急車到着までの平均時間は8.6分といわれており、約5分で死に至る心室細動は、救急車の到着を待っていると救命できません。
よって、救命のためには、周囲の人たちが直ちに「BLS」といわれる一次救命措置を行う必要があります。
まずは大勢の助けを呼び、皆で手分けをしてAEDを探し、人工呼吸や心臓マッサージを始めます。
心臓マッサージは、胸の真ん中に両手のひらを置き、胸が5cm下がるくらいの強さで1分間に約100回の速さで圧迫します。
心臓マッサージで脳への血流を保ち、AEDが到着すれば直ちに電気的除細動を行って、正常の心拍の再開を試みます。
AEDは、機器自体が操作方法を音声で指示してくれます。
誤作動もありません。
心拍の再開、すなわち脳への十分な血流が再開されるまでの時間が短いほど、確実に救命率が上がります。
年間7万人の心臓突然死の中の約2万5千人が、心停止時に周囲に人がいたとされており、救急車到着までの適切なBLSで救命できた可能性があります。
最近、学校や自動車教習所など、色々なところでBLSを習う機会が増えています。
身近な方の突然死を防ぐために、積極的にBLSを習ってみてください。
(和歌山県立医科大学 救急集中治療医学・脳神経外科 講師 藤田浩二)
出典
『5分で死に至る心室細動…119番だけではダメ、脳血流を保つため一次救命措置が重要』
http://www.sankei.com/west/news/170423/wst1704230005-n1.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。