2017年11月28日18時11分にNHK宮崎から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
東九州自動車道など対面通行の高速道路で今年から設置が始まった金属製のワイヤーロープについての調査結果がまとまり、対向車線に飛び出す事故がほぼなくなるなど、事故防止に大きな効果が出ていることがわかった。
金属製のワイヤーロープは、片側1車線の対面通行の高速道路で車が対向車線に飛び出す事故が相次いだことを受けて、国交省が今年4月から試行的な設置を始めたもので、現在、東九州自動車道をはじめ、全国12の路線のおよそ100kmに設置されている。
国交省がこのほどまとめた調査結果によると、この区間では先月までのあいだに、ワイヤーロープに接触する事故が112件起きたが、車が対向車線に飛び出したのは1件にとどまり、ほとんどのケースでワイヤーロープが衝撃を受け止めていた。
ワイヤーロープがなかった去年1年間では、対向車線に飛び出す事故が同じ区間で45件起き、このうち7件では死亡事故につながっていて、事故を減らし被害を小さくするうえで、大きな効果が認められたという。
県内でワイヤーロープが設置された東九州自動車道の合わせて11km余りの区間でも、対向車線に飛び出す事故は起きていない。
一方、いったん事故が起きると、7割のケースで上下線の通行止めが必要になり、ワイヤーを張り直す作業に時間がかかるため、通行止めを解除するまで、平均で3時間かかっているという。
対面通行の高速道路では県内でも重大な事故が相次いでいて、4年前には、対向車線に飛び出した車がワゴン車に衝突し、ワゴン車に乗っていた3歳の女の子など2人が死亡している。
対策が済んでいない県内およそ80km、全国で1600km余りの対面通行の区間について、国交省は「今回見えた課題を改善し、本格的な設置に向けて検証を続けていきたい」としている。
(以下は、事故映像中のナレーション)
今年、国内の高速道路で起きた事故の映像です。
画面奥から走ってくる2台目の白い車。
上下線の間に張られたワイヤーロープが車体を受け止め、対向車線に飛び出すのを防ぎました。
こちらのケースでは、バスが正面衝突に巻き込まれるのを、間一髪で防いでいます。
出典
『高速道ワイヤーロープ大きな効果』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/miyazaki/5063054621.html
12月3日10時57分にNHK宮崎からは、下記趣旨の補足的記事がネット配信されていた。
上下線を区切る金属製のワイヤーロープについて、ドライバーの半数がこれまでよりも安心して走行できると感じていることが国の調査でわかった。
アンケートは、国交省がことし7月から8月にかけて行ったもので、この区間を走行したドライバーおよそ1000人を対象に、樹脂製のポールで上下線を区切っている従来の区間に比べて、走行時の感覚がどう変わったか尋ねた。
その結果、「ワイヤーロープの区間の方が安心を感じた」という人が49%を占めた一方、「不安を感じた」は18%、「どちらでもなかった」は33%で、ドライバーの半数がこれまでよりも安心して走行できると感じていることがわかった。
一方、ワイヤーロープの区間では、走行する車の位置が平均で13cm路肩側に寄っていたということで、高速道路会社からは、「点検などで路肩を歩く際、以前よりも危険を感じるようになった」という声も寄せられているという。
国交省では、今回の結果も参考に、本格的な設置に向けた検証を続けていくことにしている。
出典
『「ワイヤーロープで安心感」半数』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/miyazaki/5063188211.html
12月1日付で毎日新聞北海道版からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
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高速道路の暫定2車線区間では、近距離ですれ違う対向車と正面衝突する事故が起こりやすく、ワイヤロープ方式の防護柵に期待は大きい。
ただ地元自治体などは、対向車線を完全に分離する4車線化の早期実現を求めている。
そのため、安全対策強化が、交通量の少ない区間での2車線運用の長期化につながることへの警戒感もある。
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出典
『高速道路 ロープ柵で事故激減 道東道の夕張-むかわ穂別にも設置
国交省、1200キロで導入へ /北海道』
http://mainichi.jp/articles/20171201/ddl/k01/040/115000c
(ブログ者コメント)
○本件、過去にも何点か情報を紹介スミ。
○国交省から提供された事故時の映像は、11月28日付でユーチューブ配信?されたテレビ朝日の報道で見ることができる。
『ワイヤロープ効果 対向車線への飛び出し事故激減』
https://www.youtube.com/watch?v=JHWAhrFNBbQ
映像によれば、車は、ワイヤーロープに右前方を何回かぶつけて止まり、破片などが対向車線にも飛散したが、車本体がはみ出すことはなかった。
対抗車線には数台の車が走っており、ワイヤーロープがなければ正面衝突した可能性があった。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。