2017年5月12日付で中日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
愛知県一宮市の県道で、9日、同市の無職女性(72)の軽乗用車がガードレールの支柱にぶつかり、同乗していたひ孫の男児(2)と友人女性(78)が死亡した事故で、運転していた女性が警察の調べに、「男児は事故当時、助手席の友人女性のひざの上にいた。シートベルトは2人で一緒に着けていた」と話していることが、捜査関係者への取材で分かった。
警察は、2人が一緒に助手席へ座ったため、エアバッグやシートベルトが正しく機能せず、過度な衝撃や圧力が加わった可能性もあるとみている。
安全策が不十分として、運転女性を自動車運転処罰法違反(過失致死)の疑いで調べる方針。
事故は9日午後2時35分ごろ発生。
車は中央線を越え、対向車線のガードレールの支柱へぶつかった。
運転席と助手席のエアバッグは事故の衝撃で作動した。
警察によると、男児は肝臓損傷、友人女性は心臓破裂が死因で、いずれも胸や腹に強い衝撃を受けたことが原因とみられる。
外部の出血はなく、ガラスなどに衝突した形跡もなかった。
運転女性は、あばら骨を折る重傷で入院中。
チャイルドシートは車内になく、非着用だったとみられる。
事故直後の目撃者によると、運転していた女性は、対向車線にはみ出した理由を「覚えてない」と話していたという。
【安全装備、正しく使って】
事故の際に命を守るシートベルトやエアバッグだが、正しく使わなければ、凶器になる場合もある。
国交省自動車局などによると、シートベルトは、本来、腰や胸など骨がある部位に沿って着用する。
助手席に幼児を抱え、その上からシートベルトを着けると、ベルトが幼児の腹部にかかるため、事故時は必要以上の圧力で幼児の内臓を締め付け、危険という。
今回の事故で死亡した男児には、外傷がほぼなかった。
同局審査・リコール課の田辺ユーザー情報企画調整官は、「男児がシートベルトに過度に圧迫された可能性はある」と話す。
日本自動車連盟(JAF)愛知支部(名古屋市昭和区)で事故分析などをする風岡さんは、2人で座っていたため、双方がエアバッグに圧迫された可能性も指摘。
「衝突時は1秒に満たないスピードで膨らむ。適切にシートベルトで体を固定していなければ、かえって危険」と話す。
「シートベルトもエアバッグも、大人の利用を想定している。幼児は絶対に、後部座席でチャイルドシートに座らせてあげて」と呼び掛けている。
出典
『2人一緒にベルト、エアバッグ圧迫か 一宮、助手席の女性と2歳児死亡』
http://www.chunichi.co.jp/article/front/list/CK2017051202000068.html
(ブログ者コメント)
乗り方にもよるのだが、事故時に身を守るはずのエアバッグが事故の拡大原因になってしまった事例を、本ブログでは数件掲載している。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。