2018年8月10日2時33分に北海道新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
9日午後2時半ごろ、旭川市パルプ町2の5、日本製紙北海道工場旭川事業所から、「工場の塩素ガスが漏れ、従業員が吸い込んだ」と119番があった。
消防によると、従業員14人が市内の病院に運ばれ、うち1人が自力で歩けず重症。
13人は、いずれも軽症という。
同事業所によると、同日午後2時10分ごろ、工場3階の作業室(約70m2)の天井のコンクリート片が、何らかの原因で剥がれて落下。
パルプ原料の漂白に使う二酸化塩素の配管(塩化ビニール製)に接触して穴が空き、液体が漏れ出て気化。
塩素ガスが発生したとみられる。
この作業室付近や5階の中央制御室にいた14人がのどの痛みやせき、涙が出るなどの体調不良を訴えた。
同事業所は塩素ガスが漏れた区画を封鎖し、操業を停止。
工場外に被害が広がる恐れはないとしている。
同事業所の中山所長は、「これまで塩素の漏出はなかった。原因を調べ、再発防止に努めたい」と話している。
現場はJR新旭川駅の東側約400m。
近くの国道沿いには大型商業施設が並ぶ。
出典
『ガス漏れ14人搬送 旭川・日本製紙』
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/217107/
8月9日18時26分にNHK北海道からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
日本製紙によると、ガスはパルプの漂白に使う二酸化塩素で、消防は、ガスを吸った従業員合わせて14人を市内の病院に搬送した。
消防によると、このうち1人が低酸素症で重症だという。
日本製紙によると、工場の天井のコンクリートの一部が何らかの原因で剥がれて落下して配管を破損し、中を通っていた二酸化塩素の液体が漏れ出てガスが発生したと見られるということだが、間もなく元栓を閉めたため、ガスが工場の外に漏れることは無かったという。
出典
『製紙工場でガス 14人搬送』
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20180809/0002162.html
8月11日0時9分に北海道新聞からは、やや詳しい下記趣旨の記事がネット配信されていた。
警察と労基署は10日、実況見分を行った。
労基署によると、工場は4階から3階にまたがって大型タンクが設置されている。
一辺が最大約20cmのコンクリート片が工場4階の壁から剥がれ、タンク周囲の隙間を通って落下し、3階作業室でパルプ原料の漂白に使う二酸化塩素の配管(塩化ビニール製)を損壊。
液体が漏れ、ガスが発生したという。
出典
『旭川ガス漏れ、警察など実況見分』
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/217376/
(ブログ者コメント)
二酸化塩素という化学物質名を聞くのは初めてだ。
社)日本二酸化塩素工業会からは、物性などについて、以下の情報が公開されている。
http://chlorinedioxide.or.jp/clo2
それによればTWAは0.1ppm。
かなり毒性が強い物質だ。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。