2018年8月10日6時44分にNHK首都圏から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
先月30日、エア・カナダの旅客機が成田空港に着陸したあと、誤って建設中の誘導路に入り、滑走路1本が6時間にわたって閉鎖された。
成田空港会社は、誤進入を防ぐため、舗装の色を変えるなどの対策をとっていたが、この誘導路が建設中であることは、「AIC」と呼ばれる各社のパイロットなどが共有する公式の航空情報として周知されていなかった。
建設中の誘導路をAICで扱うとする明確な規定はないが、成田空港で建設中の別の誘導路は、AICで周知されていた。
空港会社は、周知した誘導路は、ほかの誘導路と交差し複雑になっているのに対し、今回トラブルのあった誘導路は形が単純で、現場での対策で十分だと判断していたとしている。
このため国交省は、再発を防ぐため、トラブルのあった建設中の誘導路についても周知するよう、指示した。
国交省は、全国のほかの空港に対しても、誤進入のおそれがある箇所では、情報共有など対策を徹底するよう注意を呼びかけることにしている。
出典
『滑走路誤進入受け情報周知を指示』
https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20180810/0016513.html
8月10日20時1分にNHK千葉からは、更なる対策もとるという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
国交省は成田空港会社に対し、各社のパイロットなどが共有する公式の航空情報として、建設中の誘導路を周知するよう指示したが、空港会社はさらに、誤った進入を防ぐための対策を追加することになった。
それによると、建設中の誘導路の入り口には大きくバツ印を描いて分かりやすく表示するとともに、進入禁止を示す赤いライトも設置してトラブルを防ぐということで、10日から作業を始めた。
成田空港では、発着枠の増加に対応しようと、現在、2本の滑走路で合わせて7本の新たな誘導路の建設が進められている。
出典
『成田空港 誤進入対策を徹底へ』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/chiba/20180810/1080003320.html
※トラブル発生当時の記事は下記参照。
(2018年7月30日21時20分 毎日新聞)
30日午後3時40分ごろ、成田空港(千葉県成田市)のB滑走路に着陸したカナダ・モントリオール発のエア・カナダ機(ボーイング787-8型)が建設中の誘導路に誤って進入し、停止した。
乗員11人、乗客201人を機内に残したまま、約4時間半にわたり立ち往生したが、けが人などはないという。
国交省成田空港事務所によると、着陸後に滑走路を地上走行で駐機場に向かう際、本来のコースの約300m手前を右に曲がり、建設中の誘導路に進入したとみられる。
機体は未舗装の路面手前で停止し、身動きが取れなくなった。
同日午後8時20分ごろから、車両でけん引するなどして移動させた。
この影響で、B滑走路の閉鎖が続いた。
成田国際空港会社などによると、到着予定だったジェットスター・ジャパンの国内線2便が目的地を変更したほか、同社の6便が欠航し、約1400人に影響が出るなどした。
出典
『成田空港 誤進入機滑走路から移動 1400人に影響』
https://mainichi.jp/articles/20180731/k00/00m/040/099000c
7月30日23時12分に時事通信からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
国交省成田空港事務所は、「パイロットが勘違いしたのではないか」とみている。
建設中の誘導路の一部は未舗装で、飛行機のけん引車が入りにくく、復旧は難航。
午後9時ごろ、ようやくカナダ機を駐機場まで移動させた。
出典
『成田空港でカナダ機が誤進入=B滑走路閉鎖』
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018073000881&g=soc
(2018年8月22日 修正1 ;追記)
2018年8月19日付で毎日新聞千葉版からは、段差があったためバックできず脱出に時間がかかったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
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国交省成田空港事務所によると、機長はすぐ誤進入に気づき、約100m進んで停止した。
約200m先は行き止まりで、前進して抜け出すことができない。
バックするしかないが、飛行機は通常、自走でバックしないことから、特殊作業車(トーイングカー)で機体前方から押して滑走路に戻そうとした。
工事中のため、誘導路と滑走路の間には高さ8cmの段差が階段状に2カ所あった。
同機の重量は200トン近いとみられ、段差を上りきれず、移動中に機体の主脚を破損しかねない。
成田空港では、過去に未硬化のコンクリート上に鉄板を敷いて飛行機を通行させた事例があり、成田国際空港会社(NAA)は今回も段差に鉄板を敷き、なだらかな傾斜にして通行路を作ることにした。
空港内の別の工事現場から運んできた鉄板は1枚縦6m、横1.5m、厚さ2cm、重さ1.6トン。
それを24枚敷いて、機体はようやく移動し始めた。
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出典
『航空トラブル エア・カナダ機、誤進入 乗客5時間待機 8センチの段差、妨げに』
https://mainichi.jp/articles/20180819/ddl/k12/040/085000c
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。