2020年11月27日8時40分に福島民友から、下記趣旨の記事が図解付きでネット配信されていた。
下郷町の会津鉄道会津線塔のへつり―弥五島間で昨年12月24日に発生した脱線事故で、運輸安全委員会は26日、事故の調査報告書を公表した。
報告書では、線路の枕木が老朽化していたのに整備せず、枕木とレールを固定する特殊な金具「犬くぎ」が緩み、列車の車輪で線路が広げられて脱線した可能性が高いとした。
報告書によると、事故現場の枕木は割れたり腐食したりしていたが、会津鉄道が枕木の管理などで技術力の不足があり、状態を十分に把握していなかった可能性がある。
現場は急カーブで、車両が通過する際に車輪がレールを横に押す力がかかり、線路幅が広がったと考えられる。
同社は昨年度から、枕木を木製から耐久性の高いコンクリート製に交換する計画を進めていたが、危険性が高い急カーブは特に優先されなかった。
同社は事故後、8カ所ある急カーブのうち7カ所で、枕木の一部をコンクリート製に交換した。
残る1カ所は来年度末までに、全部の枕木をコンクリート製にする。
また、枕木の状態を目視で確認する場合に個人差が出ないよう、写真による判定例が掲載されたマニュアルの活用を進めている。
報告書の公表を受け、同社は「結果として、管理が不十分であったことは否めず、これを深く反省し、安全運転に万全を尽くす」とのコメントを発表した。
https://www.minyu-net.com/news/news/FM20201127-561596.php
11月26日17時24分にNHK福島からは、検査の技術不足で巡回時に異常が把握されていなかった、枕木交換は優先順位を決め15年計画で進められているなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
調査報告書によりますと、現場付近では、線路の枕木の半分以上が割れたり、腐食したりしていて、犬くぎが浮き、レールが十分固定されていなかったため、急カーブを列車が通過する際に、車輪がレールを横に押す力がかかってレールの幅が広がり、脱線した可能性が高いとしています。
また、こうした線路の異常は、目視による検査の技術が不足していたこともあって、事前の巡回で十分把握されていなかった可能性が高いと指摘されました。
運輸安全委員会は、同様の事故が全国で相次いでいることから、この事故の前の年に、地方鉄道は事業規模が小さいため、技術力の維持・向上が困難になっているという異例の指摘を行って、対策を呼びかけていました。
会津鉄道は、昨年度から、枕木を耐久性が高いコンクリート製に交換する15か年計画を進めていましたが、経済性を考慮して優先区間を決め、危険性が高い急カーブ区間の対策を優先的に行っていませんでした。
会津鉄道は、事故のあと、急カーブ区間の枕木の交換を進めるとともに、担当者によって枕木の状態の判断にばらつきがでないよう、写真付きのマニュアルを使うなどの対策をとっているということです。
調査報告書の公表後、会津鉄道の大石社長は、NHKのインタビューに応じ、「報告書の中では、管理体制が甘かったという指摘もありました。鉄道事業者としてはあってはならない脱線事故を起こしてしまい、利用者や関係者の皆様にご迷惑をおかけしたことを、改めて深くおわび申し上げます」と述べました。
そのうえで、「浅草と会津田島を結ぶ特急列車が通るようになった事故現場よりも、南側の区間の方が線路にかかる負担が大きく危険だと判断したため、事故があった区間の枕木の交換が遅れてしまった。結果的には、それが間違いだったと言われても仕方ない」と話しました。
そして、「若い社員が多いので、実際に現場を目で見て確かめながら点検の仕方を教える勉強会を月に1回、実施しています。このようなことが2度と起きないよう、気を引き締めて参ります」と述べました。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/fukushima/20201126/6050012461.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。