2014年3月3日に掲載した第2報がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第3報修正11として掲載します。
第2報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/3703/
(2017年1月23日 修正11 ;追記)
2017年1月16日12時46分に静岡新聞から、起訴された3人に有罪判決という、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
元船頭ら3人の判決公判が16日、静岡地裁で開かれ、佐藤裁判長は、操船していた元船頭(67)に禁錮3年、執行猶予4年(求刑禁錮3年)、元船頭主任(67)と元営業課長(58)の両被告に禁錮2年6月、執行猶予4年(ともに求刑禁錮2年6月)を言い渡した。
元船頭主任は公判で、「事故は船頭が指導と異なる操船をしたのが原因で、予見できなかった。主任には他の船頭への指揮命令権はなく、責任を負う立場になかった」と無罪を主張してきた。
これに対し、判決で佐藤裁判長は、「事故現場となった渦のある地点は特に危険で、へさきが回ることがあると自身も認識していた。船の回転は船頭の作為だけが原因とは言えず、主任として危険箇所への対応を指導する必要があった」と元船頭主任の過失責任を認定した。
また、佐藤裁判長は元船頭について、「経験の浅い船尾側船頭の技術を過信し、船が回転した際に適切な回避措置を怠った」、元営業課長について「運航管理者として、危険箇所の把握や対策の検討が不十分だった」などと、それぞれ責任を指摘した。
出典
『元船頭主任ら3人有罪 天竜川下り船事故 静岡地裁判決』
http://www.at-s.com/news/article/social/shizuoka/319678.html
1月16日11時32分に朝日新聞からは、転覆事故が起きた場所付近の写真付で事故当時の詳しい状況が下記趣旨でネット配信されていた。
川の「噴流」や「反流」に巻き込まれ、船は徐々に制御できなくなった――。
2011年8月に浜松市の天竜川で起きた川下り船転覆事故の裁判では、当時の詳しい状況が明らかになった。
静岡地裁は16日、運航会社の当時の安全管理者ら3人に有罪判決を言い渡し、「自然の河川を下る船下りなのに、安全意識が希薄だった」と厳しく指摘した。
検察側の冒頭陳述などによると、船が船頭2人と乗客21人を乗せて出発したのは8月17日午後2時ごろ。
同2時18分ごろ、事故現場にさしかかった。
川幅約55mの急流。
下流に向かって右にカーブし、左岸が岩場、右岸が河原になっていた。
いったん底に沈んだ水が上昇して渦を巻く噴流がみられ、左岸付近では岩場に向かう強い流れが、右岸付近は上流にさかのぼる反流が生じていた。
船は渦の中心のやや右を通過しようとしたが、噴流などの影響で船首が右岸側に振られて180°回転。
「上流に戻ってやり直そう」と船首側船頭だった被告(67)が声をかけ、船尾の船頭=事故で死亡=が船外機のエンジンをかけた。
だが、すでに制御が難しい状態になっていた。
「何やってんだ。そうじゃない!」「逆だ逆だ!」。
公判で示された乗客の目撃証言からは、船頭たちのそんなやり取りが明らかになった。
叫び声のなか、船は船首を上流に向けたまま流されて岩場に衝突し、転覆した。
判決で佐藤裁判長は、事故が起きた水域について、「地形や水流から危険で、特に注意を要する場所だった」と述べた。
そのうえで、危険性を伴う川下りには一層の注意が必要との考えを示した。
川でのカヌーを指導している日本セーフティカヌーイング協会の山口会長は、「川の流れや渦の位置は常に変化する」と、その危険性を指摘。
「経験がある人でも、その時の川の水量などの把握や救命具の装備が必要だ」と話す。
事故を受けて国交省は、13年、川下り船を運航する全国の業者向けに新しいガイドラインを作った。
全乗客に救命胴衣の着用を義務づけるよう求め、危険な場所の情報共有などの対策も盛り込んだ。
出典
『渦巻く川、制御失い「何やってんだ」 天竜川転覆判決』
http://www.asahi.com/articles/ASK1D7K1JK1DUTPB01T.html
(2017年9月21日 修正12 ;追記)
2017年9月20日22時59分に読売新聞から、船頭主任には責任なしとして逆転無罪判決が出たという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
業務上過失致死罪に問われた当時の船頭主任・K被告(68)の控訴審で、東京高裁は20日、禁錮2年6月、執行猶予4年の有罪とした1審・静岡地裁判決を破棄し、無罪とする判決を言い渡した。
大島裁判長は、「被告の立場では、転覆について現実的な危険性を認識できなかった」と述べた。
K被告は乗船していなかったが、船頭の指導役として起訴され、1審は「船頭らに危険を回避する訓練を実施する義務などを怠った」と有罪を言い渡した。
しかし、2審判決は、K被告が同社と結んだ業務委託契約には他の船頭への監督権限が規定されておらず、「被告に船頭らを訓練する義務はなかった」とした。
また、K被告は乗船場で客の乗降サポートをする程度の職務で、判決は、「同社の社長らは安全管理体制を築く意識が極めて薄かった。末端にいた被告が安全管理の責任を負ういわれはない」などとした。
また、「船の転回時には、川の状況などに応じて、船頭の適切な状況判断に委ねるしかない」とも指摘し、被告に注意義務違反はなかったと結論付けた。
この事故では、K被告のほか、同社の当時の営業課長ら2人も在宅起訴され、執行猶予付きの有罪判決が確定している。
出典
『天竜川5人死亡事故、当時の船頭主任に逆転無罪』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20170920-OYT1T50101.html
(2017年10月5日 修正13 ;追記)
2017年10月4日16時38分に産経新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
東京高検は上告期限の4日、最高裁への上告を断念すると明らかにした。
無罪が確定する。
東京高検は「判決内容を慎重に検討したが、適法な上告理由が見いだせず、上告しないこととした」とコメントした。
http://www.sankei.com/affairs/news/171004/afr1710040026-n1.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。