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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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20171162148分に産経新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

116143分に朝日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。

 

環境省が全国の温泉施設の硫化水素ガス濃度を調べたところ、5道県市の33浴槽で国の基準値を超えていたことが、16日、同省への取材で分かった。

同省は、常に換気することを明記するなど、基準の在り方の見直しを検討している。

 

北海道足寄町の温泉施設(休業中)で平成26年10月に男性客が中毒とみられる症状で意識不明となった事故を受け、昨年10~12月、保健所を設置している自治体を通じて初集計した。

 

環境省によると、33浴槽の内訳は、北海道7、青森県13、宮城県4、山形県6、青森市3。

北海道からは詳細な数値の報告がなく、報告があったそれ以外の26浴槽でも、硫化水素濃度は20~50ppm。

 

同省は、「通常の入浴方法なら、健康被害が出るレベルとは考えていない」としており、個別の施設名や数値は明らかにしていない。

安全対策を指導するよう自治体に要請し、濃度が下がらない場合は浴槽の使用停止を求める方針だ。

 

硫化水素が発生する可能性のある浴槽は全国6434カ所あり、うち約4000カ所を測定した。

残りは「未使用」や「同じ配湯系統で測定している」など。

 

出典

硫化水素、33カ所で基準超 環境省が全国の温泉初調査

http://www.sankei.com/life/news/170116/lif1701160042-n1.html

温泉の硫化水素、33カ所で基準超え 環境省が全国調査

http://www.asahi.com/articles/ASK1573FDK15UUPI00B.html 

 

 

118655分に朝日新聞からは、下記趣旨の解説的記事がネット配信されていた。

 

火山性の硫化水素ガスを含む温泉を環境省が調べると、全国の8割を超える浴槽で濃度の定期的な測定が行われず、33カ所で国の基準値を超えていた。

 

業者や役所の取り組みは、地域によって大きくばらつく。

安全を守る対策に穴が開いている実態が浮かんだ。

 

「泉質はどこにも負けないと評価されてきたのに。濃度が下がらず、営業を続けられるか不安です」

浴槽の硫化水素ガス濃度が国の基準値を上回った北日本の温泉旅館。

保健所の測定結果を聞き、経営者は「こんなに高いなんて」と驚いたという。

 

この調査結果を聞いてから、内湯で長湯をしないよう貼り紙で注意を促し、従業員が見回りもしている。

浴室の窓を開けられない冬場は、宿泊を断っている。

 

環境省は、濃度が下がらない浴槽については使用停止を求める考えだが、対策には大がかりな設備が必要で費用もかかる。

この経営者は、「対応できる見通しは立っていない」という。

 

長野県内の老舗の温泉ホテルは、他県での事故を機に11年前に保健所が濃度を測り、その後は測っていない。

「濃度はわからないが、空気が滞留しないように浴室の設計にも気をつかった。今まで事故もないし、安全と思う。濃度を測るのは費用もかかり、専門家でもないので難しい」

 

調査対象となった長野県内の浴槽は939カ所で、全国最多。

うち913カ所は、いまだに濃度を測定していない。

県の担当者は、「施設が多く、人手がとても回らない。定期的に測定するなら人員増が不可欠だ」。

 

初の全国調査は昨秋から始まったが、測定方法に統一的な基準がなく、混乱しているケースもある。

 

関東地方の県では、浴室内の複数の場所で濃度を測ったが、湯の噴き出し口付近などで基準値を超えるケースが続出したためやり直し、間に合っていない。

別の県の担当者も、「測り方や測る場所によって、数値はかなり変わると思う」と話す。

 

対策に取り組む温泉地もある。

福島市の高湯温泉は、保健所が年2回、定期点検をしている。

硫化水素との関係は不明だが、1970年代に入浴客が死亡したことが大きい。

 

最も濃度が高い給湯口付近で測定し、上限を超えた浴室は、改善するまで使用を止める。

保健所の担当者は、「事故があった場合の影響を考えれば、当然です」。

 

群馬県の万座温泉は、各施設が毎日2回、濃度を測定する。

周辺では、過去に登山客らが硫化水素中毒で死亡する事故が起きている。

 

万座ホテル聚楽は、硫化水素のもとになる源泉の総硫黄量が全国有数。

高さ約1mの階段状の水路に湯を流す「曝気(ばっき)」とよばれる方法でガスを飛ばす。

浴室には大型換気扇が5台ある。

「積雪でも空気の流れが変わり、毎日のチェックが欠かせない」という。

 

日本温泉協会の遠藤理事は、「経営者が変わり、施設を改造することもある。入浴客が安全を確認する方法がない以上、事業者や行政は日常的な点検を行う義務がある」と話す。

     


〈硫化水素〉 


無色のガスで刺激臭がある。

 

ガス中毒に詳しい筑波大の内藤裕史名誉教授によると、

・60ppmを超えるガスを30分吸うと、肺水腫が起きる。

・150ppmを超えると意識混濁、呼吸マヒの症状が現れる。

・800ppm以上だと即死する

とされる。

 

空気よりも重く、入浴時に顔が位置する浴槽の湯面近くにたまりやすい。

長時間の入浴はリスクを高める。

 

2005年には、秋田県のⅮ温泉の駐車場近くで、硫化水素ガスがたまった雪穴に落ちた家族4人が死亡した。

 

同県のN温泉では、15年に、源泉付近で配管作業していた3人が亡くなる事故が起きている。

 

出典

温泉の硫化水素、及ばぬ安全対策 取り組みにばらつきも

http://digital.asahi.com/articles/ASK1G6KBKK1GUUPI007.html?rm=398

 

 

 

 

 

 

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化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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