2017年1月14日21時29分に産経新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
14日午前9時25分ごろ、仙台市宮城野区の東北電力新仙台火力発電所で、廃止した2号機の復水器と呼ばれる装置をガスバーナーで解体中、内部の配管が燃えた。
約5時間後に鎮火が確認され、けが人はいなかった。
東北電力と警察によると、復水器は、電気を発生させるのに使う蒸気を冷やし、水に戻す装置。
高さ約6m、幅約10m、奥行き約18mで、解体業者が内部の部品をガスバーナーで切断中、付近に複数あるチタン製の配管が燃えた。
バーナーの火が引火したとみられ、東北電力の担当者は「作業方法に問題がなかったか調べる」としている。
2号機は、昭和48年6月に営業運転を開始した。
老朽化に伴い、平成23年10月に廃止された。
出典
『廃止の新仙台火力発電所の2号機 解体作業中に配管燃える』
http://www.sankei.com/affairs/news/170114/afr1701140033-n1.html
1月14日付で河北新報からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
消防と東北電力によると、作業員は当時、廃止された2号機の建屋内で、復水器の撤去作業に当たっていた。
チタン製の配管を切断した際に、燃え上がったという。
出典
『新仙台火力で火災』
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201701/20170114_13051.html
(ブログ者コメント)
〇粉末状態でなくても、強力な火源があればチタンは燃える。
今回燃えたのは復水器内部の配管ということだが、以下の情報などから考えると、チタン製の熱交チューブが燃えたのかもしれな。
『熱交換器の予防保全技術』
(2015年3月27日 日立評論)
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長年の運転使用によって,施栓率が高くなってきたAl黄銅管復水器の根本的な改善策を加えるには,冷却管の一部または全数をチタン管にリプレースするのが最も完全な保全策となる。
チタン管は耐食性が抜群で,管内・外面からの腐食の心配がまったくなく,復水器冷却管への採用によって海水漏れの危険性が大幅に低下し,プラント設備の安定運用が図られる。
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出典
http://www.hitachihyoron.com/jp/pdf/1990/08/1990_08_07.pdf
〇以下は、日本チタン協会からの同種事例紹介記事。
『トラブル事例と対策-燃焼・火災-2.チタンパイプを溶断していたら、着火し持続燃焼』
チタン材(パイプ等)が集中し、燃焼が持続する条件(送風等)が揃うと、溶断した際に着火し、燃焼が持続することが実験で確認されています。
詳しくは、「チタンの発火・燃焼と防止事例」(日本チタン協会、平成13年4月発行、有償)を参照ください。
出典
http://titan-japan.com/trouble/trouble_fi2.pdf
(http://titan-japan.com/trouble/index.html)
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。