2016年11月30日に掲載した第2報がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第3報修正2として掲載します。
第2報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/6521/
(2017年1月23日 修正2 ;追記)
2017年1月17日6時0分に西日本新聞から、陥没時の詳しい状況が、下記趣旨でネット配信されていた。
「水混じりの砂が津波のように押し寄せてきた」。
昨年11月の福岡市営地下鉄七隈線延伸工事に伴うJR博多駅前の道路陥没事故で、発生前後のトンネル内部の緊迫した状況が、西日本新聞が入手した事故報告書で、16日、明らかになった。
トンネル上部の土砂がパラパラと崩れる「肌落ち」が連続的に発生し、作業員がコンクリート吹き付けによる補強を試みたが食い止められず、急きょ全員退避するなど、作業員の生々しい証言が記されている。
報告書は、当時現場にいた大成建設を代表とする共同企業体(JV)の職員1人と、成豊建設の作業員8人から聞き取った内容で、大成JVが作成した。
11月8日午前0時40分、トンネル掘削を開始。
同4時ごろ、作業員(55)が天井付近の岩盤がもろいことを確認し、「地山が不良」と周囲に声を掛け、掘削作業を中断した。
コンクリートを吹き付ける補強作業に切り替えるための準備を始めたが、その間にも、それまでとは異なる連続的な肌落ちが見られた。
同4時30分に補強作業を始めたが、20分後には天井から異常出水があった。
濁った水が噴きだし、0.25m3の黒い石の塊も落下してきた。
安全衛生責任者(46)は、急きょ、全員退避を指示した。
同5時に退避完了後、作業員たちがトンネルの真上の通行規制を実施。
同20分に道路陥没が始まった。
時刻不明だが、退避後に現場につながる立て坑(深さ28m)に再び下り、水が迫ってきているのを確認した作業員(39)もいた。
報告書は、事故原因究明のための国の第三者検討委員会に提出されている。
出典
『博多陥没「砂、津波のよう」 JV報告書 作業員証言生々しく』
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/301780
1月17日12時51分に毎日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
証言を総合すると、7日午後8時15分にトンネル内で作業を始め、8日午前0時40分に掘削に着手。
午前4時に作業員が天井付近の地層の異常を確認した。
掘削を中断し、コンクリートの吹き付け準備を始めたが、地盤がはがれ落ちる「肌落ち」が起き、出水し、午前5時に全員退避した。
50代の作業員はこの時の様子を、「最初ににごり水が、続いて約0.25m3ほどの黒色の塊が(天井から)落下。その後、砂や水。全員退避の指示を受け、坑内から退避開始。天井から水混じりの砂が津波のように押し寄せてきた」と証言。
別の作業員は、「(地上への出入り口の)立て坑から(現場につながる)連絡坑を見ると、奥から水が来始めたので地上に退避した」と語っている。
元九州大助教で佐賀大低平地海岸海域研究センターの下山正一・客員研究員(66)は、「地下水を多く含んだ層を掘削してしまったことで、水や砂が一気に押し寄せたのだろう。対策が十分だったか、証言も参考にして検証すべきだ」と指摘した。
作業員の証言に基づく陥没事故の経緯
<7日午後>
8時15分 坑内作業開始。周辺の補強など実施
<8日午前>
0時40分 掘削開始
4時 天井部地層の弱さを確認し掘削中断
25分 天井部から土が連続して落下
30分 コンクリートの吹き付けを開始
50分 天井から異常な出水を確認
5時 作業員全員が地上に退避
5分 地下からの流水音を確認
15分 地表に亀裂。作業員が通行規制措置
20分 道路南側が陥没
28分 JV職員が110番
30分 道路北側も陥没
50分 福岡県警が交通規制開始
6時 JRや電力会社などに連絡
出典
『博多陥没 「水と砂が津波のように」…JVが証言報告書』
http://mainichi.jp/articles/20170117/k00/00e/040/161000c
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。