2017年8月29日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第2報修正1として掲載します。
第1報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/7514/
(2018年5月31日 修正1 ;追記)
2018年5月24日23時1分にYAHOOニュース(埼玉新聞)からは、専任監視者を配置しなかったことなどを問題視する報告書が提出されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、第1報ともどもタイトルも修正した)
市社会福祉審議会の特定教育・保育施設等重大事故検証専門分科会(会長;刀根洋子・和洋女子大学看護学部長)は24日、事故の検証報告書を清水市長に提出した。
報告書は、本来配置すべき専任の監視者がおらず、目を離した隙に事故が起きたことを問題視。
傾斜地に設置したプールに異なる年齢の園児を一緒に入れる危険性なども指摘し、再発防止策を提言した。
分科会は市長の諮問を受けた市の第三者機関で、弁護士や幼稚園、医師会関係者ら委員5人で構成。
昨年10月から4回にわたり会議を開き、本年度のプール開きを前に審議結果を答申した。
報告書によると、事故が起きたのは昨年8月24日午後3時38分ごろ。
女児がプールで浮かんでいるのが発見され、翌25日に死亡した。
死因は明らかになっていない。
国は、プール活動中の事故を防ぐために、2人以上の職員を配置し、うち1人は監視に専念するよう通知している。
しかし同園では、監視中の保育士2人が事故発生の3分前からプール内の滑り台の撤去作業を始め、1分間、園児から目を離していた。
報告書は「プール監視中は、その他の業務を行ってはならない」とし、十分な監視体制が確保できない場合はプール活動の中止も選択肢に入れるよう提言。
国の通知を確認したのが園長だけで、ほかの保育士らに周知されていなかった点も課題に挙げた。
プールは園庭の傾斜地に設置され、水深は24~66cmだった。
女児は身長1m余りで、水深55cmの場所で発見された。
報告書は、プール活動の目的が水泳指導なのか、水遊びなのか曖昧だったとし、「実施目的と各年齢に適した水深にすべきで、水遊びならば最も背の小さい子どもに合わせるべき」と指摘した。
3歳~5歳の異なる年齢の園児20人を同じプールに入れていた点も、「体格差の大きい園児がぶつかった場合、どうなるかはたやすく想像できる。原則禁止すべき」とした。
市は、再発防止に向けて、市内の認可保育所など299施設を対象に、プール運営に関するアンケート調査を実施。
その結果を受けて、今夏、公立保育園も含めて立ち入り調査する。
また、報告書の内容を踏まえ、プールに特化した危機管理マニュアルも作成する。
刀根会長は、「プール活動に携わる方々は、次の瞬間には何が起きるか分からないことを常に意識して、子どもたちの目線で安全確保を考え、実践することが大切。報告書を多くの関係者に活用してもらいたい」とコメントした。
県警は、業務上過失致死の疑いも視野に調べている。
出典
『<プール女児死亡>さいたまの保育園で事故、保育士ら目を離した1分間 プール開き前に分科会が報告書』
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180524-00010007-saitama-l11
(2018年8月28日 修正2 追記;)
2018年8月28日付で埼玉新聞からは、園長らが書類送検されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
県警は27日、業務上過失致死の疑いで、園長(68)と当時勤務していた女性保育士(31)の2人を書類送検した。
県警によると、園長らはいずれも容疑を認めている。
県警などによると、国のガイドラインや通知では、監視を行う人とプール指導を行う人を分けて配置するよう求められているが、園長は「1人でいい」と誤認識。
プールでは3~5歳の園児約20人が遊んでいて、保育士はプールに設置された滑り台の片付けなどをしていたため、3分程度、園児から目を離したという。
園長は「通知文の内容を精査しなかったので、監視が1人でも、監視を怠らなければいいと解釈していた」、当時の保育士は「滑り台などの取り外しを行い、園児の様子を把握しきれていなかった」などと、容疑を認めているという。
出典
『プールで溺れ女児死亡、さいたまの保育園 容疑の園長、保育士ら書類送検 3分ほど目を離し、浮く女児発見』
http://www.saitama-np.co.jp/news/2018/08/28/05_.html
8月27日6時32分に朝日新聞からは、国のガイドラインの骨子に関する下記趣旨の補足的記事がネット配信されていた。
国のガイドラインは、2011年に神奈川県大和市の幼稚園プールであった男児の死亡事故などをきっかけに、16年に内閣府などが策定し、自治体を通じて全国の保育所などに通知。
プール遊びの際は複数の担当者を置き、監視に専念する人と指導役で役割分担することなどを求めている。
出典
『プール4歳死亡、保育園長ら書類送検へ 監視に過失疑い』
https://www.asahi.com/articles/ASL8V53CYL8VUTNB00H.html
(2020年2月16日 修正3 ;追記)
2020年2月15日11時25分に埼玉新聞からは、園長と派遣社員だった保育士に執行猶予付きの有罪判決が出たという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
判決公判が14日、さいたま地裁で開かれた。
北村和裁判官は元園長に禁錮1年、執行猶予4年、派遣社員の被告に禁錮1年、執行猶予3年を言い渡した。
求刑は、いずれも禁錮1年。
判決理由で北村裁判官は、「過失が大きく結果も重大」と指摘。
一方で、「責任を痛感し、法廷で述べられた遺族の切実な思いも受け止めて、深く反省している」などと述べた。
元園長については、事故防止のためのガイドラインを園内で周知することなく、人員面での安全確保体制を講じることがなかった過失を認定。
派遣社員の被告については、20人の園児を同時にプールに入れながら、目を離して滑り台の片付けを行った点を「誤った判断だった」とした。
https://www.47news.jp/localnews/4523388.html
(ブログ者コメント)
保育士は派遣社員だった由。
派遣社員は、人手が余ればすぐに解雇される。
そういう不安定な立場だったにせよ、責任感をもって業務にあたっていたとは思うが、いざ、責任を問われて有罪判決を受けたとなると、何かやるせない気分になる。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。