2018年5月23日11時39分に日本経済新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
原子力規制委員会は23日、全国の原発などで空調換気系ダクトに腐食による穴などがないか調査した結果、一部に腐食や穴が見つかったのは7原発12基だったと明らかにした。
このうち、東京電力柏崎刈羽3号機(新潟県)は腐食が大きく、中央制御室の換気機能に異常がある可能性がある。
再稼働審査に合格した同7号機でも異常がないか確認する。
他の10基には異常はないという。
中国電力島根原発2号機(松江市)の中央制御室のダクトで2016年12月に腐食による複数の穴が見つかった問題を受け、規制委が昨年1月、各電力事業者に調査を指示していた。
穴が開いていると、原発事故時は放射性物質が中央制御室に流入し、運転員が被ばくする恐れがある。
規制委によると、腐食や穴が確認されたのは以下の原発。
東北電力女川3号機 (宮城県)
日本原子力発電 東海第2 (茨城県)
東京電力福島第1の6号機 (福島県)
東京電力柏崎刈羽3、4、6、7号機 (新潟県)
中部電力浜岡3~5号機 (静岡県)
北陸電力志賀1号機 (石川県)
中国電力島根1号機 (松江市)
一部の原発については、事業者が既に明らかにしている。
柏崎刈羽では、3号機で見つかった縦約13cm、横約5cmの亀裂が最大だった。
3、7号機では、穴や亀裂が計9カ所あった。
これらは全て、福島第1原発と同じ沸騰水型原発だった。
原因を調査している。
加圧水型では、外気の取り入れ口の近くにフィルターを設置するなどの対策をしており、問題なかった。
島根2号機では、ダクトを覆う保温材を外す点検で複数の穴が見つかり、最大で横約100cm、縦約30cmだった。
原因は、結露や外から浸入した雨水、塩分の付着と推定されている。
〔共同〕
出典
『7原発12基に腐食や穴 ダクト部分、規制委が調査結果』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3084975023052018CR0000/
5月23日17時8分に毎日新聞からは下記趣旨の記事が、調査結果の一覧表や柏崎刈羽の腐食穴の写真付きでネット配信されていた。
規制委によると、沸騰水型の場合、ダクトの外気取り込み口に水分や塩分を除去するフィルターを設置しないメーカーが多かった。
原発は全て海岸沿いにあり、水分や海水の塩分を含んだ外気をダクトから取り込み、腐食が発生したとみられる。
ダクトの材質は鉄や亜鉛メッキ鋼。
[共同]
出典
『原発12基 ダクトに腐食や穴 柏崎刈羽は9カ所も』
https://mainichi.jp/articles/20180524/k00/00m/040/004000c
(ブログ者コメント)
島根原発事例は下記記事参照。
2017年3月17日掲載
2016年12月8日発表 島根原発2号機で27年間点検記録のない空調ダクトに結露で複数の腐食穴が開いていることを発見、事故時に放射性物質が制御室に入る恐れがあった (第2報)
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/6900/
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。