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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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2022811146分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

10日午後8時55分頃、北九州市小倉北区魚町4の旦過市場付近で火災があり、警察や消防に通報が相次いだ。

北九州市消防局によると、飲食店から「天ぷら油に火が付いた」と通報があったという。
消防が消火活動に当たっている。

同市場付近では4月にも大規模な火災が発生し、40店舗以上が被災した。

福岡県警小倉北署によると、複数の建物が燃えている。
けが人の情報は入っていない。

激しく燃えているのは、旦過市場に隣接する「新旦過地区」で、4月19日に火災が発生した場所のすぐ南側。

同地区にある老舗の映画館・小倉昭和館や、同市場商店街にも火が回っている。

昭和館の樋口館主は自宅から現場に駆けつけた。
「これ以上燃え広がらないことを望むばかりです」と言葉少なに語った。

市場に食事に来ていたという同市小倉南区の会社員男性(61)は、「最初は白い煙が充満していたが、あっという間に炎が噴き上がった。2回も火災が起きるなんて」と語った。

旦過市場はJR小倉駅の南約600メートルにあり、大正初期から約100年の歴史を持つ「北九州の台所」として親しまれてきた。

4月の火災では大量のがれきが発生したが、寄付金で撤去作業が行われるなどし、今月13日に完了予定だった。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20220811-OYT1T50106/

 

8112013分に毎日新聞からは、トタン屋根は焼け落ちにくいため上からの放水が下に伝わりにくいなど下記趣旨の記事が、前回と今回の消失エリア説明図付きでネット配信されていた。

4月に大規模な火災が起きたばかりの旦過市場(北九州市小倉北区)一帯で10日、なぜ同じような大規模火災が繰り返されたのか。

元東京消防庁麻布消防署長で市民防災研究所(東京)の坂口隆夫理事は、両方に共通する構造的な問題が背景にあると指摘する。

二つの火災が起きた場所は、いずれも古い木造の建物が密集。
多くの店舗が連なって長屋のようになり、トタン屋根で覆われていた。

坂口氏によると、このような市場一帯の環境から、大規模に燃え広がったメカニズムは二つの火災に共通しているとみられる。

建物が密集していると、消防隊員が中に入り込んで放水活動をするスペースがほとんど無い。

トタン屋根は焼け落ちにくく、上からの放水は屋根より下へと伝わりにくい。

火はトタンに逃げ場を塞がれて横へと広がりやすくなり、延焼につながった可能性があるという。

坂口氏は、「消防隊はそばの広い道路で待ち受けて放水するしかなく、延焼そのものを防ぐのは難しかったのでは」と分析する。

市消防局も、木造の建物が密集する場所の危険性を4月の火災で再認識していた。

火災後は、同様の場所にある市内の飲食店105店舗に立ち入り検査を実施し、6月までに各店舗の防火体制を確認。

旦過市場でも6月、関係者と初期消火の手順や避難経路を確認する訓練を実施していた。

直近でも消防訓練の予定があり、市場関係者と内容を協議していたという。

今回の火災では、飲食店関係者からの119番が入っていた。

坂口氏は、「4月の火災を踏まえ、各店で初期消火の準備ができていれば、大規模な延焼は防げた可能性がある。火を使っている時は、そばから離れないでほしい」と話した。

https://mainichi.jp/articles/20220811/k00/00m/040/280000c

 

81320分に毎日新聞からは、凝固剤を天ぷら油に入れて固めるために加熱中、皿洗いしていた、消火器で消そうとしたが消えなかった、凝固剤加熱中の火災は15年で少なくとも40件など、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

火元とみられる飲食店関係者が「天ぷら油を処理する凝固剤を入れて加熱していたら、油に火が付いた」などと説明していることが関係者への取材で判明した。

店関係者は消火器で初期消火したが、火の勢いは収まらなかったという。

火元とみられる店を利用したことがあるという男性によると、店は2階建てで、今回の火災で激しく燃えた「新旦過横丁(よこちょう)」の一角にある。

1階のカウンター席の奥に調理場があり、2階には座敷があった。

関係者によると、店には火災当日は客4人が訪れ、貸し切りで営業していた。

調理が終わった後、店関係者は使用済みの天ぷら油を固めて処理するため、凝固剤を油が入った調理器具に投入。

一定の温度に達しないと固まらないため、火を付けて油を加熱しながら洗い物をしていたという。

その後、油から火が出ているのに店関係者が気づき、備え付けの消火器で初期消火に当たったが、ブレーカーが落ち、火は天井に引火。

2階にいて異変に気づいた客が店の外に出て、別の消火器を借りてきて消火作業に加わったものの収まらず、客が119番した。

火元とみられる店付近には、他の市場関係者らも駆けつけた。

複数の関係者は、この際、「消火器が見つからなかった」と証言。
さらに、ホースで水道水を使って消火しようとしたが、なすすべがなかったという。

市消防局によると、店関係者は「初期消火ができなかった」と説明しているといい、消防などは店関係者などが初期消火を試みたが火勢を止められず、火の手が回った可能性があるとみて調べている。

・・・

油を固めて捨てるための凝固剤は、油を下水道に直接流さずに済むため、環境保護の機運の高まりもあって、家庭でも広く使われている。

一方、油を温かい状態にしておかないと使えないため、加熱のし過ぎによる火災も後を絶たない。

独立行政法人「製品評価技術基盤機構」(NITE)によると、凝固剤で油を固めようとした際に起きた火災は200217年に全国で少なくとも40件確認されている。

建物が全焼したり、けが人が出たりした事例も珍しくなく、油を火にかけたまま目を離してしまったケースが目立つ。

各自治体も凝固剤の使用方法について注意を呼び掛けている。

東京都は「廃油凝固剤でついうっかり火災を起こさないために」と題して、ホームページ(HP)で正しい使用法を公開。
加熱のし過ぎにより、鍋から炎が上がる様子を映した動画も閲覧できる。

新潟県佐渡市はHPで使用上の注意を紹介する一方、発火した場合はぬれたバスタオルやシーツを使って鍋全体を覆うといった対処法も公開。
同市消防本部予防課の担当者は、「油を使う時は目を離さず、過熱防止装置付きのコンロがある場合はそちらを使ってほしい」とアドバイスした。

https://mainichi.jp/articles/20220812/k00/00m/040/333000c

 

813653分に読売新聞からは、密集地にある飲食店の防火対策を確認するため消防は営業前に連絡するよう求めていたが、この店からは連絡がなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

同市場付近では4月19日にも大規模な火災が発生。
新旦過地区の飲食店など42店舗が被災した。

市消防局は、この火災以降、北九州市内で木造店舗が密集する地域にある飲食店に対して立ち入り検査を順次行い、防火対策を確認するなどしてきた。

しかし、新旦過地区の飲食店については、店が営業を再開する時には連絡するよう求めていたが、今回の火災まで連絡はなかったため営業していないと判断し、検査は実施していなかったという。

同地区で最後に検査を行ったのは2020年12月だった。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20220813-OYT1T50078/2/ 

 

(ブログ者コメント)

〇個別原因は違えど、事故は続く時には続く。
そういった事例が過去に産業現場では散見されるが、一般火災では珍しい。

〇わが家でも使っている天ぷら油の凝固剤。
使い方を確認したところ、揚げ終わって火を止め、油が熱いうちに投入しているとのことだった。


(2022年9月11日 修正1 ;追記)

202298190分に毎日新聞からは、火元となった店の関係者は消火器で初期消火を試みていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

火元とみられる飲食店の関係者が備え付けの消火器などで初期消火をしていたと確認されたことが、市消防局への取材で判明した。

市消防局などは、初期消火を試みたものの、火勢を止められなかったとみて調べている。

市消防局によると、火元とみられる飲食店の焼け跡から使用済みの消火器2本を回収した。

うち1本は、この店に備え付けられていたもので、もう1本は初期消火に当たった関係者が、別の店などから持ち込んだものとみられる。

火元とみられる飲食店付近には他の市場関係者らも駆け付け、複数の関係者はこの際、「消火器が見つからなかった」と証言していた。

現場が混乱していたことに加え、店関係者が備え付けの消火器を既に使い切っていたためとみられる。

https://mainichi.jp/articles/20220908/k00/00m/040/292000c 

 

(2023年1月28日 修正2 ;追記)

20231271213分に毎日新聞からは、1回目の火災の原因は特定できなかったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

北九州市小倉北区の旦過(たんが)市場一帯で起きた2度の大規模火災のうち、最初の20224月の火災について、市消防局は27日、出火原因は「不明」とする調査報告書を公表した。

出火場所は、市場に隣接する旧「新旦過町内会」(新旦過横丁(よこちょう))内の木造飲食店と断定した。

出火原因を巡っては、福岡県警も「不明」とする鑑定結果をまとめていた。

市消防局は、火災現場の状況から
①放火
②たばこによる出火
③電気による出火
のいずれかが火災の原因の可能性があるとみて、調査を続けてきた。

その結果、①と②については防犯カメラの映像に放火につながるものは確認されず、店舗に灯油などがまかれた痕跡や、たばこから出火した痕跡もなかったことから「考えにくい」と判断。

③は電気コードにショートした跡が確認されたものの、出火原因となったかは「不明」で、漏電や電気機器からの出火も「焼損が激しく、確固たる証拠が得られなかった」とした。

火災は22419日未明に発生し、42店舗延べ約1924平方メートルを焼損。

旦過市場一帯では8月にも2度目の大規模火災が起きており、市消防局などが出火原因を調べている。

https://mainichi.jp/articles/20230127/k00/00m/040/072000c

 

(2024年6月9日 修正3 ;追記)

2024661928分に産経新聞からは、出火元の女性は市場に100万円を寄付していたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

旦過(たんが)市場一帯で起きた2度目の大規模火災で、食用油を加熱したまま放置したため約3324平方メートルを焼いたとして、業務上失火罪に問われた元飲食店経営者の女性被告(63)は6日、福岡地裁小倉支部(渡部五郎裁判長)の初公判で起訴内容を認めた。

検察側が禁錮2年を求刑し、即日結審した。

判決は7月11日。

検察側は論告で「ごく基本的な注意義務に反し、過失の程度は大きい。焼損面積は広範囲に及び、財産的被害も計約6億円と極めて多額だ」と非難。
市場に100万円を寄付したことなどを考慮しても、刑事責任は重いと指摘した。

弁護側は最終弁論で、古い木造建物が密集し構造的問題もあったとして、執行猶予を求めた。

被告は「深く反省し、心よりおわび申し上げたい」と述べた。

https://www.sankei.com/article/20240606-VWGXE66MARNQFMSTHDZ73MIWBY/

 

662121分に毎日新聞からは、なぜ鍋を火にかけたことを忘れたのかなど、火災に至る詳細な経緯が下記趣旨でネット配信されていた。

「キッチンに戻ると、コンロの上のフライパンから火柱が上がっていた。消火器で消すと火は消えて、ホッとしたのに……」

北九州市小倉北区の旦過市場一帯で20228月に起きた2度目の大規模火災で、火気の注意義務を怠ったとして業務上失火の罪に問われた火元の飲食店の経営者だった女性(63)は、6日に福岡地裁小倉支部(渡部五郎裁判長)で開かれた初公判で、出火当時の状況を克明に語った。

女性は旦過市場で飲食店が建ち並んでいた「新旦過横丁(よこちょう)」の一角で、小料理屋を営んでいた。

建物は木造2階建てで2階に座敷があり、1階奥に調理場があった。

起訴状によると、女性は使用済み食用油を処理するため、調理場でフライパンに油処理剤を入れてガスコンロで加熱。

他の作業に気を取られて、その場を離れたとされる。

油凝固剤は一定の温度に達しないと固まらない。

被告人質問で弁護人から、普段からそのように火元を離れることがあったかと問われた女性は、「(普段は)火元を離れることはありません。油を温め、火を切ってから処理剤を入れます」と力を込めた。

なぜ、この日は火元を離れたのか。

市場一帯は同年4月にも42店舗を焼く大規模な火災が起きたばかりだった。

女性の店は難を逃れたが、被災店舗のがれき処理が目の前で進み、周囲には粉じんが舞ったり焼け焦げたような臭いが漂ったりしていた上、街灯もなくなった事で物騒に感じていたという女性。

弁護人からの質問に「建物のオーナーからは『営業して良い』と言われたが、あまり営業したくなかった」と明かし、店を開けない女性に「少しでも協力したい」と予約を入れてくれる常連客の好意に応えようと、予約が入った際のみ、貸し切りで店を開けていたと説明した。

火災の起きた22810日は午後6時から4人の客を2階の座敷に入れ、午後8時過ぎに料理を提供し終わった。

「そろそろお帰りになるかな」

通常は客が帰ってから片付けをしていたが、4月の火災以降、周辺を物騒に感じていたことから、「夜、店の中に一人でいるのは嫌」と、客と一緒に帰り、翌日に店へ出て洗い物などをするようにしていたという。

ただ、この日は「翌日がごみの日だった。ネズミに荒らされるので、ごみを出して帰りたかった」と、急いで片付けを始めた。

唐揚げを揚げた油と、かき揚げを揚げた油を、それぞれの鍋からフライパンに移し、凝固剤を投入。

ガスコンロに火を付け、「すぐ戻るつもり」でトイレへ行った。

そこで目についた手洗い場の掃除をしていた頃までは火のことを覚えていたが、「他のことをしている間に頭から抜け落ちた」。

散らばった客用の下駄(げた)を整理したり、カウンターに置きっぱなしになっていた客からもらった果物を移動したり……。

火を離れてから15分ほど過ぎた頃に思い出し、調理場に戻った時にはフライパンから火柱が上がっていたという。

女性が備え付けの消火器を使うとフライパンの火は消えたといい、女性は「ホッとした。よかったと思った」と振り返った。

しかし直後に停電し、真っ暗になった店内でふと上を見ると、天井にオレンジ色と青色の火の玉のようなものがゆらゆらとしているのが見えた。

「これは火かな?」と、瞬時には認識できなかったという。

停電に驚いて2階から下りた客が店の外に出て、別の店から消火器を借り、天井に向けて噴射したが消えず、「初期消火失敗」と119番した。

検察側は、4月の大規模火災で、旦過市場で火災が起きれば周辺店舗に延焼する可能性を認識していたか、女性に尋ねた。

「はい」と答えた女性は、さらに「火元を離れる危険性は頭から抜けていたのか」と問われ、「うっかりしました」とくぐもった声で返答した。

検察側の求刑と弁護側の弁論後、裁判官から最後に何か言いたいことはあるか問われた女性は、「この度は私の不注意により大規模な火災を起こしてしまい、本当に深く反省しております。被害に遭われた方に心よりおわびを申し上げたい。本当に申し訳ありませんでした」と頭を下げた。

https://mainichi.jp/articles/20240606/k00/00m/040/311000c

 

 

※キーワード;非定常作業 、 ヒューマンエラー

 

  

   

 

 

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自己紹介:
化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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