2016年2月17日20時10分にNHK関西NEWS WEBから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
大阪府は、沿岸のコンビナートのガスタンクが大規模に爆発した場合の被害想定を、初めてまとめた。
今回の想定は、プロパンガスなど可燃性ガスを高圧で貯蔵し、個々を堤で仕切っていない府内のタンク83基を選定。
これらが火災による熱などで壊れ、貯蔵物質が気化、爆発した場合の影響を分析した。
それによると、放射熱と呼ばれる熱でやけどのおそれのある範囲が、沿岸から3kmほどまで達するほか、窓ガラスが割れるおそれのある爆風が1.5kmほどまで及び、大阪府は、物陰に隠れるなどすれば被害を回避できるとして、住民に行動を周知することにしている。
東日本大震災で、千葉県市原市にあるコスモ石油の製油所では、液化石油ガスを備蓄するタンクが倒壊して爆発し、空中にファイヤーボールと呼ばれる大きな火の玉が出る現象が発生した。
これを受けて大阪府は、堺・泉北臨海地区にある高圧のガスタンクが大規模に爆発した場合の被害想定を初めてまとめ、17日に開かれた防災の専門家の会議で報告した。
それによると、爆発する確率は低いものの、津波警報が出て消火活動ができないなどの状況で爆発し、ファイヤーボールが発生した場合は、
▽放射熱と呼ばれる熱が出て、30秒以上さらされるとやけどのおそれのある範囲が、沿岸から3kmほどまで達する
▽窓ガラスが割れるおそれのある爆風が、1.5kmほどまで及ぶ
としている。
大阪府では、被害を回避するための行動として
▽屋外にいて熱を感じた場合は、木陰や建物の陰に隠れる
▽屋内では、窓から離れる
▽津波からの避難で屋外に出る場合は、できるだけ肌の露出をなくす
などを具体的に示し、17日の会合で了承された。
大阪府によると、被害の回避行動を具体的にまとめたのは、全国で初めてだということで、来月末にも防災計画に盛り込み、住民に周知することにしている。
検討部会の部会長で火災に詳しい神戸大学の室崎益輝名誉教授は、
▽ブレービーという高圧ガスの爆発が起きて、大きな火の玉のようなファイヤーボールが発生したときに、危害が人が住んでいるところまで及ぶということがポイントだ
▽事前にタンクの耐震化とか火災の防止対策を講じていて、発生する確率は極めて低いが、万が一起きるかもしれないので、危険性をしっかり住民に伝えないといけない。
▽住民が正しく行動すれば、被害を防ぐことができるので、行政と事業所と住民がしっかりとコミュニケーションをとって、対策を取っていくことが大切だ
と話している。
大阪府は、平成26年、石油タンクから最大4万4千kℓの石油類が流出する恐れがあるとの被害想定を公表したが、住宅地での人的被害には触れていなかった。
出典URL
http://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20160217/5976111.html
http://www.sankei.com/west/news/160217/wst1602170076-n1.html
(ブログ者コメント)
○どのような災害想定なのか、イマイチ、分からない。、
選定した83基のタンク全てで同時にブレービーが発生するという想定なのだろうか?
もしそうだとすれば、それはありえない想定。
83基全てでブレービーが発生するにしても、時間差はあるはずだ。
83基の中の数基が同時にとか、最大貯蔵量のタンクが、ということなら、理解できるのだが・・・・。
大阪府のHPなどを調べてみたが、分からなかった。
○東日本大震災時のコスモ石油LPGタンク爆発事故の原因ならびに状況は、下記記事参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/473/
原因を要約すれば、タンクの点検を終え、内部の空気を抜くために水を入れた状態で12日間キープしていた時に震度5弱の揺れが襲い、当該タンク倒壊により、近くのタンクからLPGが漏れ、火災になって爆発した、ということだった。
状況としては、2.5km離れた小学校で窓ガラスが割れ、熱風も伝わってきた。
また、最遠で6.2km先に飛散物が落下した。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。