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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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(ブログ者コメント)

以前、「排水系の掃除1万円」というチラシが入ったのをキッカケに自宅の下水系を大掃除したところ、トイレの屋外排水桝に白っぽい塊がビッチリこびりついていた。
おそらくはトイレットペーパー主体。
水をかけたぐらいではビクともしないので、仕方なく棒を使って取り除いた。
トイレゆえ油脂は流していないのだが、あれもファットバーグの一種だったのかもしれない。
ちなみに台所の排水桝は、表面が黒っぽく汚れてはいたものの、塊は付着していなかった。

以下は元記事。

2025115814分にYAHOOニュース(中央日報)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

オーストラリア・シドニー北部の海辺に玉の形をした正体不明の球体が押し寄せ、当局が海辺9カ所を閉鎖した。

【写真】シドニー北部のマンリービーチなどで発見された正体不明の球体

14日(現地時間)CNNなどによると、同日午前、シドニー北部の海岸線に沿って爪の大きさの白い灰色の玉模様の残骸が発見された。

ノーザンビーチ当局は、環境保護庁からこの球体が安全かどうかを確認しなければならないという注意を受けた。

この球体が発見されたマンリービーチなど9つの海辺を閉鎖し、他の海辺にもこの球体が押し寄せてきたのか確認する予定だ。 当

局は、この球体が発生した原因と正体が何かを確認するために、残骸の一部を回収した。

さらに、市民らに同球体に触れないよう勧告した。

ビーチは、後ほど通知があるまで閉鎖される予定だ。

一方、昨年10月にもシドニーの海辺でゴルフボールの大きさに「黒いボール」形態の球体数百個が発見されたことがある。

当局は当時もこのボールが発見された海辺を閉鎖し、市民にこれに触れないよう勧告した。

当初はこのボールが「タールボール」と呼ばれる油かすの塊と推測された。

タールボールは、油がプラスチック、水と触れれば形成されるが、主に海で油漏れ事故が発生した時に近隣の海辺で目撃される。

しかし、確認の結果、このボールは食用油や髪の毛、生ゴミなどが混ざっていることが明らかになった。

当時、調査当局は声明を通じて「混合廃棄物を放出するところから出てきた可能性が大きい」と明らかにしたことがある。

https://news.yahoo.co.jp/articles/422b0298456d14ae684130230f3c227987f873a1

 

2024117日付でCNNからは、昨年10月に見つかった黒いボールの正体はファットバーグだったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

オーストラリア南東部ニューサウスウェールズ州シドニーのビーチに先月、謎の黒い玉が多数打ち上げられた。

研究チームが調査した結果、下水道で形成される油脂の塊「ファットバーグ」と判明した。

シドニーの海岸では先月、観光名所のボンダイビーチなど7カ所で、監視員らが数千個の黒い玉を発見。

州環境保護当局は17日、住民らの遊泳を禁止し、玉には触らないよう警告を発した。

ニューサウスウェールズ大学(UNSW)の研究者らによると、当初は流出した原油の塊かと思われたが、さらに調査を進めた結果、ファットバーグの成分と一致することが分かった。

英バーミンガムでは2021年、重さ330トンの巨大なファットバーグが数週間にわたって下水管を詰まらせる騒ぎがあった。

だがシドニーのファットバーグは通常の油脂だけでなく、人間の排せつ物や薬品、毛髪、脂肪酸、生ごみなどが入り交じっている。

研究者らは地元局とのインタビューで「これまでにかいだことがないほどの異臭だ」「近くで泳ぐ気はしない」と話した。

州当局によると、塊は未処理の下水に由来する可能性が高いが、船から放流されたのか雨であふれたのかなど、詳しい原因は不明。

成分が複雑で水中を漂った時間も長いとみられるため、解明は難航しているという。

https://www.cnn.co.jp/fringe/35225875.html

 

※英国でファットバーグが下水を詰まらせたという件、当該事例ではないものの10年ほど前の201412181622分にAFPから、ファットバーグの正体やロンドンでの下水道内除去作業状況など、下記趣旨の記事が写真付きでネット配信されていた。

英ロンドン(London)の地下では毎日、下水道作業員たちが下水管にこびりついた腐敗した食用油の塊を除去するという陰気な闘いを続けている。

下水管を詰まらせる巨大な廃油の塊は氷山(アイスバーグ)になぞらえて「ファットバーグ」と呼ばれ、クリスマスシーズンには台所から排出される50メートルプール2つ分にもなる大量の七面鳥の油によって、さらに状況が悪化する。

ロンドン市民の多くは、食卓のわずか数メートル下で、自分たちの日常の振る舞いがファットバーグを巨大化させ、自宅に汚水が逆流してくる危険を高めていることには気付いていない。

ファットバーグは食用廃油がウェットティッシュや生理用ナプキン、コンドームなどありとあらゆるゴミと一緒に固まったものだ。

ロンドンとイングランド南東部に張り巡らされた総全長およそ69000キロの下水管では、ファットバーグをめぐる問題が深刻化の一途をたどっている。

だが、英首相官邸のあるダウニング街(Downing Street)や観光名所のトラファルガー広場(Trafalgar Square)にほど近いロンドン中心部では、ファットバーグに対する反撃ののろしが上がった。

 

■地下にあるもう1つのロンドン

ハエや虫がうごめく密閉された漆黒の地下世界を、腐敗した油や汚物を避けながら歩き回ると聞くと、多くの人は地獄を思い浮かべるだろう。

だが、その場所こそ、英水道大手テムズ・ウォーター(Thames Water)で現場監督を務めるビンス・ミニーさん(54)が24年間働いてきた仕事場だ。

長靴に白い防護服姿のミニーさんは、小さなマンホールからはしごを伝って気味の悪いロンドンの暗部へと降りていく。

「状況は確実に悪くなっている。以前はファットバーグを目にしなかった下水管でも見つかるようになった」

ロンドンの心臓部を走る2本の下水道の合流地点で、腰の高さまで汚水に浸かりながらAFPの取材に応じたミニーさんによれば、問題は排せつ物が下水にたれ流れされることではなく、その上に凝固した油が分厚い層を作ってしまうことだ。

「こんなに不愉快なもの、まず他にお目にかかれないよ。こいつに比べたら下痢のほうがずっとましだ」。

太ももを取り囲む油の塊をシャベルで叩きながら、ミニーさんは言った。

ミニーさんのチームはシャベルや高圧水噴射器で、表面にカビが生えたファットバーグを崩しながら進んでいく。

シャベルが振り下ろされるたび、油の塊の下から汚水があふれ出し、硫化水素の強い悪臭が広がる。

この臭いは体に最大2週間も染みついて消えないという。

1860年代にさかのぼるロンドンの下水道での作業には、ユーモアのセンスと献身が求められる。

「他の人が見ることのないロンドンの地下を覗けるというのは、ユニークな体験だよ」と、作業員になって7年目のティム・ヘンダーソンさん(39)は教えてくれた。

「ロンドンの地下にあるもう1つのロンドンだ。技術上の偉業さ。幾つかの下水道は、実に美しい。あのレンガの積み方には驚くばかりだよ」

 

■除去費用は毎月1.8億円

テムズ・ウォーターによると、ファットバーグが原因の下水管の詰まりは毎年8万件ほど発生し、除去費用は毎月100万ポンド(約18000万円)にも上っている。

また、約7000人の顧客が自宅で下水の逆流による浸水被害に遭っているという。

「市民や企業・事業者が協力してくれれば、素晴らしいんだが。そうすれば(ファットバーグ除去に費やしている)資金をもっと良いことに使えるようになるだろう」とミニーさんは話し、食用油を排水溝に流さないよう人々に注意を促した。

「視界に入らないから皆、何も考えない。だが、かわいそうなことに誰かがその問題に対応しているんだ。しかも、クリスマスの時期には状況が悪化する。(油は)ゴミ箱に捨てて、詰まらせるな。それが答えだよ」

https://www.afpbb.com/articles/-/3034472

 

※プレジデント2019617日号としてファットバーグ問題は日本でも起きているという下記趣旨の記事がネット配信されていた。

ロンドンをはじめとする世界の大都市で、ファットバーグが深刻な問題となっている。

これはファット(油脂)とアイスバーグ(氷山)を組み合わせた造語で、下水道内にこびりついて固形化した油脂の塊を意味する。

主に飲食店の排水に含まれている油脂の分解物(脂肪酸)と、水中に溶け出したカルシウムイオンが反応して形成されるという。

そのまま放置していると下水管を完全に塞ぎ、下水が逆流する恐れがあるうえ、ファットバーグには大量の雑菌が含まれているとも指摘される。

ファットバーグは日本でも発生していると指摘するのは、国立環境研究所の小林拓朗主任研究員だ。

「特に深刻なのは、小規模飲食店からの排水を受け入れる下水管。
飲食店の厨房にはグリストラップ(油水分離阻集器)を設置することが求められているものの、それを通過した排水中の油分の濃度には規制がなく、適切な管理を指導する自治体もありますが、実際の管理は飲食店任せで、清掃を怠ると同装置が十分に機能せず、油脂が垂れ流しになっているケースもあるのが実情です」

ラードのように固まりやすいものに限らず、「植物油のように液状でも下水管内で固形物へと変化する」(小林氏)から厄介だ。

飲食店のみならず、家庭排水に含まれる油脂も一因となっているので注意したい。

https://president.jp/articles/-/28886?page=1

 

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化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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